社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識5-12:婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
◆婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等 (法9条)
□事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない(2項)。 -----------------(94ページ目ここから)------------------ □事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法の規定による休業を請求し、又は休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(3項)。
□妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない(4項)。
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◆事業主の対処指針 <解雇その他不利益な取扱い>
イ) 解雇すること。
ロ) 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
ハ) あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
ニ) 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
ホ) 降格させること。
ヘ) 就業環境を害すること。
ト) 不利益な自宅待機を命ずること。
チ) 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
リ) 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
ヌ) 不利益な配置の変更を行うこと。
ル) 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと。
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□妊娠・出産等を理由として上記イからヘまでに掲げる取扱いを行うことは、直ちに不利益な取扱いに該当すると判断されるものであるが、これらに該当するか否か、また、これ以外の取扱いが上記トからルまでに掲げる不利益な取扱いに該当するか否かについては、次の事項を勘案して判断すること。
a) 勧奨退職や正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更は、労働者の表面上の同意を得ていたとしても、これが労働者の真意に基づくものでないと認められる場合には、ニの「退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと」に該当すること。
b) 業務に従事させない、専ら雑務に従事させる等の行為は、ヘの「就業環境を害すること」に該当すること。
c) 事業主が、産前産後休業の休業終了予定日を超えて休業すること又は医師の指導に基づく休業の措置の期間を超えて休業することを労働者に強要することは、トの「不利益な自宅待機を命ずること」に該当すること。etc.
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5 事業主の講ずべき措置 (法11条~法13条) 重要度 ●●
◆職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置 (法11条)
□厚生労働大臣は、事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする(2項)。
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◆職場におけるセクシュアルハラスメントの内容 (事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針)
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□*1 「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。例えば、取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店、顧客の自宅等であっても、当該労働者が業務を遂行する場所であればこれに該当する。
□*2 「性的な言動」とは、性的な内容の発言及び性的な行動を指し、この「性的な内容の発言」には、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報を意図的に流布すること等が、「性的な行動」には、性的な関係を強要すること、必要なく身体に触ること、わいせつな図画を配布すること等が、それぞれ含まれる。
□*3 「労働者」とは、いわゆる正規労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規労働者を含む事業主が雇用する労働者のすべてをいう(セクシュアルハラスメントの配慮の必要は、女性労働者に限られたものではない)。(平20択)
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□*4 「対価型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、当該労働者が解雇、降格、減給等の不利益を受けることであって、その状況は多様であるが、典型的な例として、次のようなものがある。
イ) 事務所内において事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、当該労働者を解雇すること。
ロ) 営業所内において事業主が日頃から労働者に係る性的な事柄について公然と発言していたが、抗議されたため、当該労働者を降格すること。
□*5 「環境型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることであって、その状況は多様であるが、典型的な例として、次のようなものがある。
イ) 同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、当該労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと。
ロ) 労働者が抗議をしているにもかかわらず、事務所内にヌードポスターを掲示しているため、当該労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。
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◆雇用管理上配慮すべき事項 (同雇用管理上配慮すべき事項についての指針)
□職場におけるセクシュアルハラスメントを防止するため、事業主は、雇用管理上次の事項について配慮をしなければならない。
□事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントに関する方針を明確化し、労働者に対してその方針の周知・啓発をすることについて配慮をしなければならない。なお、周知・啓発をするに当たっては、職場におけるセクシュアルハラスメントの防止の効果を高めるため、その発生の原因や背景について労働者の理解を深めることが重要である。(平13択)
【事業主の方針の明確化及びその周知・啓発について配慮をしていると認められる例】
a) 社内報、パンフレット等広報又は啓発のための資料等に職場におけるセクシュアルハラスメントに関する事項を記載し、配布すること。
b) 服務上の規律を定めた文書に職場におけるセクシュアルハラスメントに関する事項を記載し、配布又は掲示すること。
c) 就業規則に職場におけるセクシュアルハラスメントに関する事項を規定すること。
d) 労働者に対して職場におけるセクシュアルハラスメントに関する意識を啓発するための研修、講習等を実施すること。
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ロ) 相談・苦情への対応
□事業主は、相談・苦情への対応のための窓口を明確にすることについて配慮をしなければならない。また、事業主は、相談・苦情に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応することについて配慮をしなければならない。なお、事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、職場におけるセクシュアルハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、相談・苦情に対応することが必要である。
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【相談・苦情への対応のための窓口を明確にすることについて配慮をしていると認められる例】
a) 相談・苦情に対応する担当者をあらかじめ定めておくこと。
b) 苦情処理制度を設けること。
【相談・苦情に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応することについて配慮をしていると認められる例】
a) 相談・苦情を受けた場合、人事部門との連携等により円滑な対応を図ること。
b) 相談・苦情を受けた場合、あらかじめ作成したマニュアルに基づき対応すること。
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ハ) 職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた場合における事後の迅速かつ適切な対応
□事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた場合において、その事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認することについて配慮をしなければならない。また、事業主は、その事案に適正に対処することについて配慮をしなければならない。
【事実関係を迅速かつ正確に確認することについて配慮をしていると認められる例】
a) 相談・苦情に対応する担当者が事実関係の確認を行うこと。
b) 人事部門が直接事実関係の確認を行うこと。
c) 相談・苦情に対応する担当者と連携を図りつつ、専門の委員会が事実関係の確認を行うこと。
【事案に適正に対処することについて配慮をしていると認められる例】
a) 事案の内容や状況に応じ、配置転換等の雇用管理上の措置を講ずること。
b) 就業規則に基づく措置を講ずること。
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□その他
イ) 事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントに係る労働者等の情報が当該労働者等のプライバシーに属するものであることから、その保護に特に留意するとともに、その旨を労働者等に対して周知する必要がある。
ロ) 事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントに関して、労働者が相談をし、又は苦情を申し出たこと等を理由として、当該労働者が不利益な取扱いを受けないよう特に留意するとともに、その旨を労働者に対して周知する必要がある。
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