(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識5-10

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識5-10:差別の禁止等」

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一般常識(5)-10

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

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ちょっとアドバイス

 

◆労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(平18.10.11厚労告614号・以下「事業主の対処指針」という)) <募集・採用>

 

□募集及び採用に関し、一の雇用管理区分*1において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法5条により禁止されるものである。ただし、ポジティブ・アクション(P.A)を講ずる場合については、この限りではない(以下、同様とする)。

 


イ) 募集又は採用に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

[1]一定の職種(いわゆる「総合職」、「一般職」等を含む)や一定の雇用形態(いわゆる「正社員」、「パートタイム労働者」等を含む)について、募集又は採用の対象を男女のいずれかのみとすること。

 

[2]募集又は採用に当たって、男女のいずれかを表す職種の名称を用い(対象を男女のいずれかのみとしないことが明らかである場合を除く)、又は「男性歓迎」、「女性向きの職種」等の表示を行うこと。(平12択)(平13択)

 

[3]男女をともに募集の対象としているにもかかわらず、応募の受付や採用の対象を男女のいずれかのみとすること。

 

[4]派遣元事業主が、一定の職種について派遣労働者になろうとする者を登録させるに当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

 

ロ) 募集又は採用に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

募集又は採用に当たって、女性についてのみ、未婚者であること、子を有していないこと、自宅から通勤すること等を条件とし、又はこれらの条件を満たす者を優先すること。

 

 

ハ) 採用選考において、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]募集又は採用に当たって実施する筆記試験や面接試験の合格基準を男女で異なるものとすること。

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[2]男女で異なる採用試験を実施すること。

 

[3]男女のいずれかについてのみ、採用試験を実施すること。

 

[4]採用面接に際して、結婚の予定の有無、子供が生まれた場合の継続就労の希望の有無等一定の事項について女性に対してのみ質問すること。

 

 

ニ) 募集又は採用に当たって男女のいずれかを優先すること。

 

【男女のいずれかを優先している例】

 

[1]採用選考に当たって、採用の基準を満たす者の中から男女のいずれかを優先して採用すること。

 

[2]男女別の採用予定人数を設定し、これを明示して、募集すること。又は、設定した人数に従って採用すること。(平9択)

 

[3]男女のいずれかについて採用する最低の人数を設定して募集すること。

 

[4]男性の選考を終了した後で女性を選考すること。

 

 

ホ) 求人の内容の説明等募集又は採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]会社の概要等に関する資料を送付する対象を男女のいずれかのみとし、又は資料の内容、送付時期等を男女で異なるものとすること。(平14択)

 

[2]求人の内容等に関する説明会を実施するに当たって、その対象を男女のいずれかのみとし、又は説明会を実施する時期を男女で異なるものとすること。

 

 

↓ なお…

 

□*1 「雇用管理区分」とは、次のとおりである。

 


□職種、資格、雇用形態、就業形態等の区分その他の労働者についての区分であって、当該区分に属している労働者について他の区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているものをいう。

 

□雇用管理区分が同一か否かについては、当該区分に属する労働者の従事する職務の内容、転勤を含めた人事異動の幅や頻度等について、同一区分に属さない労働者との間に、客観的・合理的な違いが存在しているか否かにより判断されるものであり、その判断に当たっては、単なる形式ではなく、企業の雇用管理の実態に即して行う必要がある。

 

↓ 例えば…

 

□採用に際しては異なる職種として採用していても、入社後は、同一企業内の労働者全体について、営業や事務など様々な職務を経験させたり同一の基準で人事異動を行うなど特に取扱いを区別することなく配置等を行っているような場合には、企業全体で一つの雇用管理区分と判断することとなる。

 

 

 

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◆事業主の対処指針 <配置>

 

□配置に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条イにより禁止されるものである。

 


□「配置」とは、労働者を一定の職務に就けること又は就いている状態をいい、従事すべき職務における業務の内容及び就業の場所を主要な要素とするものである。
なお、配置には、業務の配分及び権限の付与が含まれる。また、派遣元事業主が、労働者派遣契約に基づき、その雇用する派遣労働者に係る労働者派遣をすることも、配置に該当する。

 

↓ また…

 

□「業務の配分」とは、特定の労働者に対し、ある部門、ラインなどが所掌している複数の業務のうち一定の業務を割り当てることをいい、日常的な業務指示は含まれない。また、「権限の付与」とは、労働者に対し、一定の業務を遂行するに当たって必要な権限を委任することをいう。

 

 

イ) 一定の職務への配置に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

[1]営業の職務、秘書の職務、企画立案業務を内容とする職務、定型的な事務処理業務を内容とする職務、海外で勤務する職務等一定の職務への配置に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。(平11択)

 

[2]時間外労働や深夜業の多い職務への配置に当たって、その対象を男性労働者のみとすること。

 

[3]派遣元事業主が、一定の労働者派遣契約に基づく労働者派遣について、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

[4]一定の職務への配置の資格についての試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。

 

 

ロ) 一定の職務への配置に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

[1]女性労働者についてのみ、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと又は子を有していることを理由として、企画立案業務を内容とする職務への配置の対象から排除すること。

 

[2]男性労働者については、一定数の支店の勤務を経た場合に本社の経営企画部門に配置するが、女性労働者については、当該一定数を上回る数の支店の勤務を経なければ配置しないこと。

 

[3]一定の職務への配置に当たって、女性労働者についてのみ、一定の国家資格の取得や研修の実績を条件とすること。

 

[4]営業部門について、男性労働者については全員配置の対象とするが、女性労働者については希望者のみを配置の対象とすること。

 

 

ハ) 一定の職務への配置に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

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【異なる取扱いをしている例】

 

[1]一定の職務への配置に当たり、人事考課を考慮する場合において、男性労働者は平均的な評価がなされている場合にはその対象とするが、女性労働者は特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。

 

[2]一定の職務への配置の資格についての試験の合格基準を、男女で異なるものとすること。

 

[3]一定の職務への配置の資格についての試験の受験を男女のいずれかに対してのみ奨励すること。

 

 

ニ) 一定の職務への配置に当たって、男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

営業部門への配置の基準を満たす労働者が複数いる場合に、男性労働者を優先して配置すること。

 

 

ホ) 配置における業務の配分に当たって、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]営業部門において、男性労働者には外勤業務に従事させるが、女性労働者については当該業務から排除し、内勤業務のみに従事させること。

 

[2]男性労働者には通常の業務のみに従事させるが、女性労働者については通常の業務に加え、会議の庶務、お茶くみ、そうじ当番等の雑務を行わせること。

 

 

ヘ) 配置における権限の付与に当たって、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]男性労働者には一定金額まで自己の責任で買い付けできる権限を与えるが、女性労働者には当該金額よりも低い金額までの権限しか与えないこと。

 

[2]営業部門において、男性労働者には新規に顧客の開拓や商品の提案をする権限を与えるが、女性労働者にはこれらの権限を与えず、既存の顧客や商品の販売をする権限しか与えないこと。

 

 

ト) 配置転換に当たって、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]経営の合理化に際し、女性労働者についてのみ出向の対象とすること。

 

[2]一定の年齢以上の女性労働者のみを出向の対象とすること。

 

[3]女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、通勤が不便な事業場に配置転換すること。

 

[4]工場を閉鎖する場合において、男性労働者については近隣の工場に配置するが、女性労働者については通勤が不便な遠隔地の工場に配置すること。

 

[5]男性労働者については、複数の部門に配置するが、女性労働者については当初に配置した部門から他部門に配置転換しないこと。

 

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◆事業主の対処指針 <昇進>

 

□昇進に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条イにより禁止されるものである。

 


□「昇進」とは、企業内での労働者の位置付けについて下位の職階から上位の職階への移動を行うことをいう。昇進には、職制上の地位の上方移動を伴わないいわゆる「昇格」も含まれる。

 

 

イ) 一定の役職への昇進に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

[1]女性労働者についてのみ、役職への昇進の機会を与えない、又は一定の役職までしか昇進できないものとすること。

 

[2]一定の役職に昇進するための試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。

 

 

ロ) 一定の役職への昇進に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

[1]女性労働者についてのみ、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと又は子を有していることを理由として、昇格できない、又は一定の役職までしか昇進できないものとすること。

 

[2]課長への昇進に当たり、女性労働者については課長補佐を経ることを要するものとする一方、男性労働者については課長補佐を経ることなく課長に昇進できるものとすること。

 

[3]男性労働者については出勤率が一定の率以上である場合又は一定の勤続年数を経た場合に昇格させるが、女性労働者についてはこれらを超える出勤率又は勤続年数がなければ昇格できないものとすること。

 

[4]一定の役職に昇進するための試験について、女性労働者についてのみ上司の推薦を受けることを受験の条件とすること。

 

 

ハ) 一定の役職への昇進に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]課長に昇進するための試験の合格基準を、男女で異なるものとすること。(平13択)

 

[2]男性労働者については人事考課において平均的な評価がなされている場合には昇進させるが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。

 

[3]AからEまでの5段階の人事考課制度を設けている場合において、男性労働者については最低の評価であってもCランクとする一方、女性労働者については最高の評価であってもCランクとする運用を行うこと。

 

[4]一定年齢に達した男性労働者については全員役職に昇進できるように人事考課を行うものとするが、女性労働者についてはそのような取扱いをしないこと。

 

[5]一定の役職に昇進するための試験について、男女のいずれかについてのみその一部を免除すること。

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[6]一定の役職に昇進するための試験の受験を男女のいずれかに対してのみ奨励すること。

 

 

ニ) 一定の役職への昇進に当たり男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

一定の役職への昇進基準を満たす労働者が複数いる場合に、男性労働者を優先して昇進させること。

 

 

◆事業主の対処指針 <降格>

 

□降格に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条イにより禁止されるものである(P.Aの例外なし)。

 


□「降格」とは、企業内での労働者の位置付けについて上位の職階から下位の職階への移動を行うことをいい、昇進の反対の措置である場合と、昇格の反対の措置である場合の双方が含まれる。

 

 

イ) 降格に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

【男女のいずれかのみとしている例】

 

一定の役職を廃止するに際して、当該役職に就いていた男性労働者については同格の役職に配置転換をするが、女性労働者については降格させること。

 

 

ロ) 降格に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、降格の対象とすること。

 

 

ハ) 降格に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]営業成績が悪い者について降格の対象とする旨の方針を定めている場合に、男性労働者については営業成績が最低の者のみを降格の対象とするが、女性労働者については営業成績が平均以下の者は降格の対象とすること。

 

[2]一定の役職を廃止するに際して、降格の対象となる労働者を選定するに当たり、人事考課を考慮する場合に、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ降格の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は降格の対象とすること。

 

 

ニ) 降格に当たって、男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

一定の役職を廃止するに際して、降格の対象となる労働者を選定するに当たって、男性労働者よりも優先して、女性労働者を降格の対象とすること。

 

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◆事業主の対処指針 <教育訓練>

 

□教育訓練に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条イにより禁止されるものである。

 


□「教育訓練」とは、事業主が、その雇用する労働者に対して、その労働者の業務の遂行の過程外(いわゆる「Off the Job Training」)において又は当該業務の遂行の過程内(いわゆる「On the Job Training」)において、現在及び将来の業務の遂行に必要な能力を付与するために行うものをいう。

 

 

イ) 教育訓練に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

[1]一定の職務に従事する者を対象とする教育訓練を行うに当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

[2]工場実習や海外留学による研修を行うに当たって、その対象を男性労働者のみとすること。

 

[3]接遇訓練を行うに当たって、その対象を女性労働者のみとすること。

 

 

ロ) 教育訓練を行うに当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

[1]女性労働者についてのみ、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと又は子を有していることを理由として、将来従事する可能性のある職務に必要な知識を身につけるための教育訓練の対象から排除すること。

 

[2]教育訓練の対象者について、男女で異なる勤続年数を条件とすること。

 

[3]女性労働者についてのみ、上司の推薦がなければ教育訓練の対象としないこと。

 

[4]男性労働者については全員を教育訓練の対象とするが、女性労働者については希望者のみを対象とすること。

 

 

ハ) 教育訓練の内容について、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

教育訓練の期間や課程を男女で異なるものとすること。

 

 

◆事業主の対処指針 <福利厚生>

 

□福利厚生の措置に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ロにより禁止されるものである(P.Aの例外なし)。

 


イ) 福利厚生の措置の実施に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

男性労働者についてのみ、社宅を貸与すること。

 

 

ロ) 福利厚生の措置の実施に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
【異なるものとしている例】

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[1]女性労働者についてのみ、婚姻を理由として、社宅の貸与の対象から排除すること。

 

[2]住宅資金の貸付けに当たって、女性労働者に対してのみ、配偶者の所得額に関する資料の提出を求めること。

 

[3]社宅の貸与に当たり、世帯主であることを条件とする場合において、男性労働者については本人の申請のみで貸与するが、女性労働者に対しては本人の申請に加え、住民票の提出を求め、又は配偶者に一定以上の所得がないことを条件とすること。

 

 

◆事業主の対処指針 <職種の変更>

 

□職種の変更に関し、一の雇用管理区分(職種の変更によって雇用管理区分が異なることとなる場合には、変更前の一の雇用管理区分をいう)において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ハにより禁止されるものである。

 


□「職種」とは、職務や職責の類似性に着目して分類されるものであり、「営業職」・「技術職」の別や、「総合職」・「一般職」の別などがある。

 

 

イ) 職種の変更に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

[1]「一般職」から「総合職」への職種の変更について、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

[2]「総合職」から「一般職」への職種の変更について、制度上は男女双方を対象としているが、男性労働者については職種の変更を認めない運用を行うこと。

 

[3]「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。

 

[4]「一般職」の男性労働者については、いわゆる「準総合職」及び「総合職」への職種の変更の対象とするが、「一般職」の女性労働者については、「準総合職」のみを職種の変更の対象とすること。

 

 

ロ) 職種の変更に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

[1]女性労働者についてのみ、子を有していることを理由として、「一般職」から「総合職」への職種の変更の対象から排除すること。

 

[2]「一般職」から「総合職」への職種の変更について、男女で異なる勤続年数を条件とすること。

 

[3]「一般職」から「総合職」への職種の変更について、男女のいずれかについてのみ、一定の国家資格の取得、研修の実績又は一定の試験に合格することを条件とすること。

 

[4]「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、女性労働者についてのみ上司の推薦を受けることを受験の条件とすること。

 

 

ハ) 一定の職種への変更に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

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【異なる取扱いをしている例】

 

[1]「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験の合格基準を男女で異

なるものとすること。

 

[2]男性労働者については人事考課において平均的な評価がなされている場合には「一般職」から「総合職」への職種の変更の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。

 

[3]「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、その受験を男女のいずれかに対してのみ奨励すること。

 

[4]「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、男女いずれかについてのみその一部を免除すること。

 

 

ニ) 職種の変更に当たって、男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

「一般職」から「総合職」への職種の変更の基準を満たす労働者の中から男女のいずれかを優先して職種の変更の対象とすること。

 

 

ホ) 職種の変更について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]経営の合理化に際して、女性労働者のみを、研究職から賃金その他の労働条件が劣る一般事務職への職種の変更の対象とすること。

 

[2]女性労働者についてのみ、年齢を理由として、アナウンサー等の専門職から事務職への職種の変更の対象とすること。

 

 

◆事業主の対処指針 <雇用形態の変更>

 

□雇用形態の変更に関し、一の雇用管理区分(雇用形態の変更によって雇用管理区分が異なることとなる場合には、変更前の一の雇用管理区分をいう)において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ハにより禁止されるものである。

 


□「雇用形態」とは、労働契約の期間の定めの有無、所定労働時間の長さ等により分類されるものであり、いわゆる「正社員」、「パートタイム労働者」、「契約社員」などがある。

 

 

イ) 雇用形態の変更に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

[1]有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更の対象を男性労働者のみとすること。

 

[2]パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。

 

 

ロ) 雇用形態の変更に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

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【異なるものとしている例】

 

[1]女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更の対象から排除すること。

 

[2]有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更について、男女で異なる勤続年数を条件とすること。

 

[3]パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更について、男女のいずれかについてのみ、一定の国家資格の取得や研修の実績を条件とすること。

 

[4]パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験について、女性労働者についてのみ上司の推薦を受けることを受験の条件とすること。

 

 

ハ) 一定の雇用形態への変更に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験の合格基準を男女で異なるものとすること。

 

[2]契約社員から正社員への雇用形態の変更について、男性労働者については、人事考課において平均的な評価がなされている場合には変更の対象とするが、女性労働者については、特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。

 

[3]パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験の受験について、男女のいずれかに対してのみ奨励すること。

 

[4]有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験の受験について、男女のいずれかについてのみその一部を免除すること。

 

 

ニ) 雇用形態の変更に当たって、男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更の基準を満たす労働者の中から、男女のいずれかを優先して雇用形態の変更の対象とすること。

 

 

ホ) 雇用形態の変更について、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

[1]経営の合理化に際して、女性労働者のみを、正社員から賃金その他の労働条件が劣る有期契約労働者への雇用形態の変更の勧奨の対象とすること。

 

[2]女性労働者についてのみ、一定の年齢に達したこと、婚姻又は子を有していることを理由として、正社員から賃金その他の労働条件が劣るパートタイム労働者への雇用形態の変更の勧奨の対象とすること。

 

[3]経営の合理化に当たり、正社員の一部をパート労働者とする場合において、正社員である男性労働者は、正社員としてとどまるか、又はパートタイム労働者に雇用形態を変更するかについて選択できるものとするが、正社員である女性労働者については、一律パートタイム労働者への雇用形態の変更を強要すること。

 

 

 

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◆事業主の対処指針 <退職の勧奨>

 

□退職の勧奨に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ニにより禁止されるものである(P.Aの例外なし)。

 


□「退職の勧奨」とは、雇用する労働者に対し退職を促すことをいう。

 

 

イ) 退職の勧奨に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

【男女のいずれかのみとしている例】

 

女性労働者に対してのみ、経営の合理化のための早期退職制度の利用を働きかけること。

 

 

ロ) 退職の勧奨に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

[1]女性労働者に対してのみ、子を有していることを理由として、退職の勧奨をすること。

 

[2]経営の合理化に際して、既婚の女性労働者に対してのみ、退職の勧奨をすること。

 

 

ハ) 退職の勧奨に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

経営合理化に伴い退職勧奨を実施するに当たり、人事考課を考慮する場合において、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ退職の勧奨の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は退職の勧奨の対象とすること。

 

 

ニ) 退職の勧奨に当たって、男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

[1]男性労働者よりも優先して、女性労働者に対して退職の勧奨をすること。

 

[2]退職の勧奨の対象とする年齢を女性労働者については45歳、男性労働者については50歳とするなど男女で差を設けること。

 

 

◆事業主の対処指針 <定年>

 

□定年に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ニにより禁止されるものである(P.Aの例外なし)。

 


□「定年」とは、労働者が一定年齢に達したことを雇用関係の終了事由とする制度をいう。

 

 

イ) 定年の定めについて、男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

定年年齢の引上げを行うに際して、厚生年金の支給開始年齢に合わせて男女で異なる定年を定めること。(平10択)

 

 

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◆事業主の対処指針 <解雇>

 

□解雇に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ニにより禁止されるものである(P.Aの例外なし)。

 


□「解雇」とは、労働契約を将来に向かって解約する事業主の一方的な意思表示をいい、労使の合意による退職は含まない。

 

 

イ) 解雇に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。

 

【男女のいずれかのみとしている例】

 

経営の合理化に際して、女性のみを解雇の対象とすること。

 

 

ロ) 解雇の対象を一定の条件に該当する者とする場合において、当該条件を男女で異なるものとすること。

 

【異なるものとしている例】

 

[1]経営の合理化に際して、既婚の女性労働者のみを解雇の対象とすること。

 

[2]一定年齢以上の女性労働者のみを解雇の対象とすること。

 

 

ハ) 解雇に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

経営合理化に伴う解雇に当たり、人事考課を考慮する場合において、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ解雇の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は解雇の対象とすること。

 

 

ニ) 解雇に当たって、男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

解雇の基準を満たす労働者の中で、男性労働者よりも優先して女性労働者を解雇の対象とすること。

 

 

◆事業主の対処指針 <労働契約の更新>

 

□労働契約の更新に関し、一の雇用管理区分において、例えば、次に掲げる措置を講ずることは、法6条ニにより禁止されるものである(P.Aの例外なし)。

 


□「労働契約の更新」とは、期間の定めのある労働契約について、期間の満了に際して、従前の契約と基本的な内容が同一である労働契約を締結することをいう。

 

 

イ) 労働契約の更新に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。

 

【排除している例】

 

経営の合理化に際して、男性労働者のみを、労働契約の更新の対象とし、女性労働者については、労働契約の更新をしない(いわゆる「雇止め」をする)こと。

 

 

ロ) 労働契約の更新に当たっての条件を男女で異なるものとすること。

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【異なるものとしている例】

 

[1]経営の合理化に際して、既婚の女性労働者についてのみ、労働契約の更新をしない(いわゆる「雇止め」をする)こと。

 

[2]女性労働者についてのみ、子を有していることを理由として、労働契約の更新をしない(いわゆる「雇止め」をする)こと。

 

[3]男女のいずれかについてのみ、労働契約の更新回数の上限を設けること。

 

 

ハ) 労働契約の更新に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。

 

【異なる取扱いをしている例】

 

労働契約の更新に当たって、男性労働者については平均的な営業成績である場合には労働契約の更新の対象とするが、女性労働者については、特に営業成績が良い場合にのみその対象とすること。

 

 

ニ) 労働契約の更新に当たって男女のいずれかを優先すること。

 

【優先している例】

 

労働契約の更新の基準を満たす労働者の中から、男女のいずれかを優先して労働契約の更新の対象とすること。