(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識5-1

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識5-1:障害者雇用促進法」

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一般常識(5)-1

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

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第5節  障害者雇用促進法

1  総則 (法1条~法7条)                            重要度 ●   

 

◆目的 (法1条)

 


□この法律は、身体障害者又は知的障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もって障害者の職業の安定を図ることを目的とする。

 

 

◆用語の意義 (法2条)

 

□この法律において、次に掲げる用語の意義は、当該定めるところによる。

 


a) 障害者

 

身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する)があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう

 

 

b) 身体障害者

 

障害者のうち、身体障害がある者であって別に掲げる障害があるものをいう

 

 

c) 重度身体障害者

 

身体障害者のうち、身体障害の程度が重い者であって厚生労働省令で定めるものをいう

 

 

d) 知的障害者

 

障害者のうち、知的障害がある者であって厚生労働省令で定めるものをいう

 

 

e) 重度知的障害者

 

知的障害者のうち、知的障害の程度が重い者であって厚生労働省令で定めるものをいう

 

 

f) 精神障害者

 

障害者のうち、精神障害がある者であって厚生労働省令で定めるものをいう

 

 

g) 職業リハビリテーション

 

障害者に対して職業指導、職業訓練、職業紹介その他この法律に定める措置を講じ、その職業生活における自立を図ることをいう

 

 

◆基本的理念

 


□障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする(法3条)。

 

□障害者である労働者は、職業に従事する者としての自覚を持ち、自ら進んで、その能力の開発及び向上を図り、有為な職業人として自立するように努めなければならない(法4条)。(平20択)

 

 

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◆事業主の責務 (法5条)

 


□すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであって、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。

 

 

◆国及び地方公共団体の責務 (法6条)

 


□国及び地方公共団体は、障害者の雇用について事業主その他国民一般の理解を高めるとともに、事業主、障害者その他の関係者に対する援助の措置及び障害者の特性に配慮した職業リハビリテーションの措置を講ずる等障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るために必要な施策を、障害者の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。

 

 

◆障害者雇用対策基本方針 (法7条)

 


□厚生労働大臣は、障害者の雇用の促進及びその職業の安定に関する施策の基本となるべき方針(「障害者雇用対策基本方針」という)を策定するものとする(1項)。

 

□厚生労働大臣は、障害者雇用対策基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くほか、都道府県知事の意見を求めるものとする(3項)。

 

 

2  職業紹介等 (法8条~法15条)                     重要度 ●   

 

◆職業リハビリテーションの原則 (法8条)

 


□職業リハビリテーションの措置は、障害者各人の障害の種類及び程度並びに希望、適性、職業経験等の条件に応じ、総合的かつ効果的に実施されなければならない(1項)。

 

□職業リハビリテーションの措置は、必要に応じ、医学的リハビリテーション及び社会的リハビリテーションの措置との適切な連携の下に実施されるものとする(2項)。

 

 

◆求人の開拓等 (法9条)

 


□公共職業安定所は、障害者の雇用を促進するため、障害者の求職に関する情報を収集し、事業主に対して当該情報の提供、障害者の雇入れの勧奨等を行うとともに、その内容が障害者の能力に適合する求人の開拓に努めるものとする。

 

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◆求人の条件等 (法10条)

 


□公共職業安定所は、正当な理由がないにもかかわらず身体又は精神に一定の障害がないことを条件とする求人の申込みを受理しないことができる(1項)。(平3択)

 

□公共職業安定所は、障害者にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、身体的又は精神的な条件その他の求人の条件について指導するものとする(2項)。

 

□公共職業安定所は、障害者について職業紹介を行う場合において、求人者から求めがあるときは、その有する障害者の職業能力に関する資料を提供するものとする(3項)。

 

 

◆職業指導等 (法11条)

 


□公共職業安定所は、障害者がその能力に適合する職業に就くことができるようにするため、適性検査を実施し、雇用情報を提供し、障害者に適応した職業指導を行う等必要な措置を講ずるものとする。

 

 

◆障害者職業センターとの連携 (法12条)

 


□公共職業安定所は、適性検査、職業指導等を特に専門的な知識及び技術に基づいて行う必要があると認める障害者については、障害者職業センターとの密接な連携の下に当該適性検査、職業指導等を行い、又は当該障害者職業センターにおいて当該適性検査、職業指導等を受けることについてあっせんを行うものとする。

 

 

◆適応訓練 (法13条)

 


□都道府県は、必要があると認めるときは、求職者である障害者(身体障害者、知的障害者又は精神障害者に限る)について、その能力に適合する作業の環境に適応することを容易にすることを目的として、適応訓練を行うものとする(1項)。

 

□適応訓練は、前項に規定する作業でその環境が標準的なものであると認められるものを行う事業主に委託して実施するものとする(2項)。

 

 

◆適応訓練のあっせん (法14条)

 


□公共職業安定所は、その雇用の促進のために必要があると認めるときは、障害者に対して、適応訓練を受けることについてあっせんするものとする。

 

 

◆適応訓練を受ける者に対する措置 (法15条)

 


□適応訓練は、無料とする。また、都道府県は、適応訓練を受ける障害者に対して、雇用対策法の規定に基づき、手当を支給することができる。

 

 

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3 身体障害者又は知的障害者の雇用義務等 (法37条ほか) 重要度 ●●●

 

◆身体障害者又は知的障害者の雇用に関する事業主の責務 (法37条)

 


□すべて事業主は、身体障害者又は知的障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、適当な雇用の場を与える共同の責務を有するものであって、進んで身体障害者又は知的障害者の雇入れに努めなければならない。

 

 

◆雇用に関する国及び地方公共団体の義務 (法38条)

 


□国及び地方公共団体の任命権者は、職員(当該機関に常時勤務する職員(1週間の勤務時間が、当該機関に勤務する通常の職員の1週間の勤務時間に比し短く、かつ、厚生労働大臣の定める時間数未満である常時勤務する職員(以下「短時間勤務職員」という)を除く)であって、警察官、自衛官その他の政令で定める職員以外のものに限る)の採用について、当該機関に勤務する身体障害者又は知的障害者である職員の数が、当該機関の職員の総数に、法43条2項に規定する障害者雇用率を下回らない率であって政令で定めるものを乗じて得た数(その数に1人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)未満である場合には、身体障害者又は知的障害者である職員の数がその率を乗じて得た数以上となるようにするため、政令で定めるところにより、身体障害者又は知的障害者の採用に関する計画を作成しなければならない(1項)。

 

□身体障害者又は知的障害者である職員の数の算定に当たっては、重度身体障害者又は重度知的障害者である職員は、その1人をもって、政令で定める数の身体障害者又は知的障害者である職員に相当するものとみなす(2項)。