(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識4-4

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識4-4:職業安定法」

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一般常識(4)-4

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

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テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

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第2節  職業安定法

1  総則 (法1条~法5条の7)                         重要度 ●   

 

◆法律の目的 (法1条)

 


□この法律は、雇用対策法と相まって、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割にかんがみその適正な運営を確保すること等により、各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え、及び産業に必要な労働力を充足し、もって職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

 

 

◆職業選択の自由 (法2条)

 


□何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。

 

 

◆均等待遇 (法3条)

 


□何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介*1、職業指導等*2について、差別的取扱を受けることがない。但し、労働組合法の規定によって、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。

 

 

↓ なお…

 

□*1 「職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう(法4条1項)。

 

 

□*2 「職業指導」とは、職業に就こうとする者に対し、実習、講習、指示、助言、情報の提供その他の方法により、その者の能力に適合する職業の選択を容易にさせ、及びその職業に対する適応性を増大させるために行う指導をいう(法4条4項)。

 

◆政府の行う業務 (法5条)

 


□政府は、第1条の目的を達成するために、次に掲げる業務を行う。

 

a) 労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を図ること。

 

b) 失業者に対し、職業に就く機会を与えるために、必要な政策を樹立し、その実施に努めること。

 

c) 求職者に対し、迅速に、その能力に適合する職業に就くことをあっせんするため、及び求人者に対し、その必要とする労働力を充足するために、無料の職業紹介事業を行うこと。

 

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d) 政府以外の者の行う職業紹介、労働者の募集、労働者供給事業又は労働者派遣法に規定する労働者派遣事業及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律に規定する建設業務労働者就業機会確保事業(以下「労働者派遣事業等」という)を労働者及び公共の利益を増進するように、指導監督すること。

 

e) 求職者に対し、必要な職業指導を行うこと。

 

f) 個人、団体、学校又は関係行政庁の協力を得て、公共職業安定所の業務の運営の改善向上を図ること。

 

g) 雇用保険法の規定によって、給付を受けるべき者について、職業紹介又は職業指導を行い、雇用保険制度の健全な運用を図ること。

 

 

◆職業安定機関と職業紹介事業者等の協力 (法5条の2)

 


□職業安定機関及び職業紹介事業者*3又は労働者供給事業者*4は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を図るため、雇用情報の充実、労働力の需要供給の調整に係る技術の向上等に関し、相互に協力するように努めなければならない。

 

 

 ↓ なお…

 

□*3 「職業紹介事業者」とは、厚生労働大臣の許可を受けて、又は厚生労働大臣に届出をして職業紹介事業を行う者をいう(法4条7項)。

 

□*4 「労働者供給事業者」とは、労働者供給事業を行う労働組合等(労働組合法による労働組合その他これに準ずるものであって厚生労働省令で定めるものをいう)をいう(法4条8項)。

 

◆労働条件等の明示 (法5条の3)

 


□公共職業安定所及び職業紹介事業者、労働者の募集*5を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者(「公共職業安定所等」という)は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない(1項)。

 

□求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、求職者又は供給される労働者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない(2項)。

 

□前2項の規定による明示は、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項*6については、厚生労働省令で定める方法*7により行わなければならない(3項)。

 

 

 

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↓ なお…

 

□*5 「労働者の募集」とは、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘することをいう(法4条5項)。

 

□*6 *7 「厚生労働省令で定める事項」及び「厚生労働省令で定める方法」は、次のとおりとする(則4条の2)。

 


【事項】

 

a) 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項

 

b) 労働契約の期間に関する事項

 

c) 就業の場所に関する事項

 

d) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項

 

e) 賃金(臨時に支払われる賃金、賞与等の賃金を除く)の額に関する事項

 

f) 健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項

 

【方法】

 

□「明示事項」が明らかとなる次のいずれかの方法とする。ただし、職業紹介の実施について緊急の必要があるためあらかじめこれらの方法によることができない場合において、明示事項をあらかじめこれらの方法以外の方法により明示したときは、この限りでない(2項)。

 

a) 書面の交付の方法

 

b) 書面被交付者が希望した場合における電子メール等の送受信による方法

 

 

□求人者は、公共職業安定所から求職者の紹介を受けたときは、当該公共職業安定所に、その者を採用したかどうかを及び採用しないときはその理由を、速やかに、通知するものとする(4項)。

 

 

◆求職者等の個人情報の取扱い (法5条の4)

 


□公共職業安定所等は、それぞれ、その業務に関し、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報*8(「求職者等の個人情報」という)を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない(1項)。

 

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□公共職業安定所等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない(2項)。

 

 

 ↓ なお…

 

□*8 「個人情報」とは、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう(法4条9項)。

 

↓ 具体的には…

 

◆個人情報の収集、保管及び使用について (平16.11.4厚労告391号)

 


□職業紹介事業者等(職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者及び労働者供給事業者)は、その業務の目的の範囲内で求職者等の個人情報を収集することとし、次に掲げる個人情報を収集してはならないこと。ただし、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示し本人から収集する場合はこの限りでないこと。

 

a) 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項

 

b) 思想及び信条

 

c) 労働組合への加入状況(平13択)

 

□職業紹介事業者等は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等、適法かつ公正な手段によらなければならないこと。

 

□個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られること。ただし、他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合はこの限りでないこと。

 

 

◆求人の申込み (法5条の5)

 


□公共職業安定所及び職業紹介事業者は、求人の申込みはすべて受理しなければならない。ただし、次の場合は、その申込みを受理しないことができる。

 

a) その申込みの内容が法令に違反するとき

 

b) その申込みの内容である賃金、労働時間その他の労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当であると認めるとき

 

c) 求人者が労働条件の明示をしないとき

 

 

◆求職の申込み (法5条の6)

 


□公共職業安定所及び職業紹介事業者は、求職の申込みはすべて受理しなければならない。ただし、その申込みの内容が法令に違反するときは、これを受理しないことができる(1項)。

 

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□公共職業安定所及び職業紹介事業者は、特殊な業務に対する求職者の適否を決定するため必要があると認めるときは、試問及び技能の検査を行うことができる(2項)。

 

 

◆求職者の能力に適合する職業の紹介等 (法5条の7)

 


□公共職業安定所及び職業紹介事業者は、求職者に対しては、その能力に適合する職業を紹介し、求人者に対しては、その雇用条件に適合する求職者を紹介するように努めなければならない。

 

 

 

2 職業安定機関の行う職業紹介及び職業指導 (法6条ほか) 重要度 ●● 

 

◆都道府県労働局長の権限 (法7条)

 


□都道府県労働局長は、職業安定主管局長(厚生労働省の内部部局として置かれる局で職業紹介及び職業指導その他職業の安定に関する事務を所掌するものの長)の指揮監督を受け、この法律の施行に関する事項について、公共職業安定所の業務の連絡統一に関する業務をつかさどり、所属の職員及び公共職業安定所長を指揮監督する。

 

 

◆公共職業安定所 (法8条)

 


□公共職業安定所は、職業紹介、職業指導、雇用保険その他この法律の目的を達成するために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕する機関とする(1項)。(平16択)

 

□公共職業安定所長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、所務をつかさどり、所属の職員を指揮監督する(2項)。

 

 

↓ なお…

 

□公共職業安定所に就職促進指導官を置き、就職促進指導官は、専門的知識に基づいて、主として、高年齢者雇用安定法に規定する指示を受けた者に対し、職業指導を行うものとする(法9条の2)。

 

◆地方運輸局に対する協力 (法10条)

 


□公共職業安定所は、地方運輸局長(運輸監理部長を含む)の行う船員の職業の安定に関する業務について、これに協力しなければならない。

 

 

 

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◆職業紹介の地域 (法17条)

 


□公共職業安定所は、求職者に対し、できる限り、就職の際にその住所又は居所の変更を必要としない職業を紹介するよう努めなければならない(1項)。

 

□公共職業安定所は、その管轄区域内において、求職者にその希望及び能力に適合する職業を紹介することができないとき、又は求人者の希望する求職者若しくは求人数を充足することができないときは、広範囲の地域にわたる職業紹介活動をするものとする(2項)。

 

□広範囲の地域にわたる職業紹介活動は、できる限り近隣の公共職業安定所が相互に協力して行うように努めなければならない(3項)。

 

 

◆公共職業訓練のあっせん (法19条)

 


□公共職業安定所は、求職者に対し、公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む)を受けることについてあっせんを行うものとする。

 

 

◆労働争議に対する不介入 (法20条)

 


□公共職業安定所は、労働争議に対する中立の立場を維持するため、同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に、求職者を紹介してはならない(1項)。(平1択)

 

□前項に規定する場合の外、労働委員会が公共職業安定所に対し、事業所において、同盟罷業又は作業所閉鎖に至る虞の多い争議が発生していること及び求職者を無制限に紹介することによって、当該争議の解決が妨げられることを通報した場合においては、公共職業安定所は当該事業所に対し、求職者を紹介してはならない。但し、当該争議の発生前、通常使用されていた労働者の員数を維持するため必要な限度まで労働者を紹介する場合は、この限りでない(2項)。

 

 

↓ また…

 

□本規定は、職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者及び労働者供給事業者に準用される(法34条、法42条の2、法46条)。(平1択)