(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識3-16

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識3-16:社会保険労務士法人」

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一般常識(3)-16

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

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テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

◆登録抹消の制限 (法25条の4の2)

 


□連合会は、社会保険労務士が懲戒の手続に付された場合においては、その手続が結了するまでは、当該社会保険労務士の登録の抹消をすることができない。

 

 

◆懲戒処分の通知及び公告 (法25条の5)

 


□厚生労働大臣は、懲戒処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、その理由を付記した書面により当該社会保険労務士に通知するとともに、官報をもって公告しなければならない。

 

 

 

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第5節 社会保険労務士法人

1  設立等 (法25条の6~法25条の9)                  重要度 ●   

 

◆設立 (法25条の6)

 


□社会保険労務士は、社会保険労務士法人(第2条第1項に掲げる業務(紛争解決手続代理業務を除く)を組織的に行うことを目的として、社会保険労務士が共同して設立した法人をいう)を設立することができる。

 

↓ なお…

 

□社会保険労務士法人は、その名称中に社会保険労務士法人という文字を使用しなければならない(法25条の7)。

 

 

◆社員の資格 (法25条の8)

 


□社会保険労務士法人の社員は、社会保険労務士でなければならない。(平15択)

 

□次に掲げる者は、社員となることができない。

 

a) 社会保険労務士の業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者

 

b) 社会保険労務士法人が解散又は業務の停止を命ぜられた場合において、その処分の日以前30日内にその社員であった者でその処分の日から3年(業務の停止を命ぜられた場合にあっては、当該業務の停止の期間)を経過しないもの

 

 

◆業務の範囲 (法25条の9)

 


□社会保険労務士法人は、第2条第1項に掲げる業務(紛争解決手続代理業務を除く)を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる(1項)。

 

a) 第2条に規定する業務に準ずるものとして厚生労働省令で定める業務*1の全部又は一部

 

b) 紛争解決手続代理業務

 

□紛争解決手続代理業務は、社員のうちに特定社会保険労務士がある社会保険労務士法人に限り、行うことができる(2項)。

 

 

 ↓ なお…

 

□*1 「厚生労働省令で定める業務」とは、次に掲げる業務とする(則17条の3)。

 


□事業所の労働者に係る賃金の計算に関する事務(その事務を行うことが他の法律において制限されているものを除く)を業として行う業務(1項)

 

□労働者派遣法に規定する労働者派遣事業(その事業を行おうとする社会保険労務士法人が許可を受け、又は届出書を厚生労働大臣に提出して行うものであって、当該社会保険労務士法人の使用人である社会保険労務士が労働者派遣の対象となり、かつ、派遣先が開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人(紛争解決手続代理業務の制限の対象となる場合を除く)であるものに限る)

 

 

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2  登記及び成立等 (法25条の10ほか)                重要度 ●   

 

◆登記 (法25条の10第1項)

 


□社会保険労務士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

 

 

◆設立の手続 (法25条の11第1項)

 


□社会保険労務士法人を設立するには、その社員になろうとする社会保険労務士が、共同して定款を定めなければならない。

 

 

↓ なお…

 

□社会保険労務士法人の設立には、2人以上の社員が必要である(平15.3.26基発0326002号)。

 

◆成立の時期 (法25条の12)

 


□社会保険労務士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

 

 

◆成立の届出等 (法25条の13)

 


□社会保険労務士法人は、成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会(以下「主たる事務所の所在地の社会保険労務士会」という)を経由して、連合会に届け出なければならない(1項)。

 

□連合会は、厚生労働省令で定めるところにより、社会保険労務士法人の名簿を作成し、これを厚生労働大臣に提出しなければならない(2項)。

 

 

◆定款の変更 (法25条の14)

 


□社会保険労務士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる(1項)。

 

□社会保険労務士法人は、定款を変更したときは、変更の日から2週間以内に、変更に係る事項を、主たる事務所の所在地の社会保険労務士会を経由して、連合会に届け出なければならない(2項)。

 

 

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3 業務に関する権限、制限等 (法25条の15~法25条の18) 重要度 ● 

 

◆業務を執行する権限 (法25条の15)

 


□社会保険労務士法人の社員は、定款で別段の定めがある場合を除き、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う(1項)。

 

□紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人における紛争解決手続代理業務については、特定社会保険労務士である社員(以下「特定社員」という)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う(2項)。

 

 

◆社員の常駐 (法25条の16)

 


□社会保険労務士法人の事務所には、その事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会の会員である社員を常駐させなければならない。

 

 

◆紛争解決手続代理業務の取扱い (法25条の16の2)

 


□紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

 

 

◆特定の事件についての業務の制限 (法25条の17)

 


□紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、次に掲げる事件については、紛争解決手続代理業務を行ってはならない。ただし、ハに掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。

 

イ) 紛争解決手続代理業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件

 

ロ) 紛争解決手続代理業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの

 

ハ) 紛争解決手続代理業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件

 

ニ) 第22条第1項に規定する事件又は第2項に掲げる事件(業務を行い得ない事件)として社員の半数以上の者がその業務又は紛争解決手続代理業務を行ってはならないこととされる事件

 

 

◆社員の競業の禁止 (法25条の18)

 


□社会保険労務士法人の社員は、自己若しくは第三者のために*1その社会保険労務士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の社会保険労務士法人の社員となってはならない(1項)。(平20択)

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□社会保険労務士法人の社員が前項の規定に違反して自己又は第三者のためにその社会保険労務士法人の業務の範囲に属する業務を行ったときは、当該業務によって当該社員又は第三者が得た利益の額は、社会保険労務士法人に生じた損害の額と推定する(2項)。

 

 

↓ なお…

 

□*1 「自己若しくは第三者のために」とは、自己若しくは第三者に利益が帰属するようにとの意であって、本来社会保険労務士法人の収入となるべきものを社員社会保険労務士(社会保険労務士法人の社員である社会保険労務士)の収入にしてしまうこと等である(平15.3.26基発0326002号)。

 

↓ また…

 

□社員社会保険労務士は、社会保険労務士法人の業務と競合する業務については、社会保険労務士個人として受任することができない(平15.3.26基発0326002号)。

 

◆業務の執行方法 (法25条の19)

 


□社会保険労務士法人は、社会保険労務士でない者に第2条第1項イからハまで(紛争解決手続代理業務を除く1号業務)及びト(2号業務)に掲げる事務を行わせてはならない(1項)。

 

□紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士でない者に紛争解決手続代理業務を行わせてはならない(2項)。

 

 

4  脱退及び解散 (法25条の21ほか)                  重要度 ●   

 

◆法定脱退 (法25条の21)

 


□社会保険労務士法人の社員は、次に掲げる理由によって脱退する。

 

a) 社会保険労務士の登録の抹消

 

b) 定款に定める理由の発生

 

c) 総社員の同意、d) 除名

 

 

◆解散 (法25条の22)

 


□社会保険労務士法人は、次に掲げる理由によって解散する(1項)。

 

a) 定款に定める理由の発生

 

b) 総社員の同意

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c) 他の社会保険労務士法人との合併

 

d) 破産手続開始の決定

 

e) 解散を命ずる裁判

 

f) 厚生労働大臣による解散の命令

 

□社会保険労務士法人は、前項の規定による場合のほか、社員が1人になり、そのなった日から引き続き6月間その社員が2人以上にならなかった場合においても、その6月を経過した時に解散する(2項)。

 

□社会保険労務士法人は、第1項c)の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から2週間以内に、その旨を、主たる事務所の所在地の社会保険労務士会を経由して、連合会に届け出なければならない(3項)。

 

 

◆裁判所による監督 (法25条の22の2)

 


□社会保険労務士法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する(1項)。

 

□裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる(2項)。

 

□社会保険労務士法人の解散及び清算を監督する裁判所は、厚生労働大臣に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる(3項)。

 

□厚生労働大臣は、裁判所に対し、意見を述べることができる(4項)。

 

 

◆違法行為等についての処分 (法25条の24第1項)

 


□厚生労働大臣は、社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、又は運営が著しく不当と認められるときは、その社会保険労務士法人に対し、戒告し、若しくは1年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は解散を命ずることができる。

 

 

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第6節 社会保険労務士会及び連合会

1  社会保険労務士会 (法25条の26ほか)              重要度 ●   

 

◆社会保険労務士会 (法25条の26)

 


□社会保険労務士は、厚生労働大臣の認可を受けて、都道府県の区域ごとに、会則を定めて*1、一個の社会保険労務士会を設立しなければならない(1項)。

 

□社会保険労務士会は、会員の品位を保持し、その資質の向上と業務の改善進歩を図るため、会員の指導*2及び連絡に関する事務を行うことを目的とする(2項)。

 

□社会保険労務士会は、法人とする(3項)。

 

 

 ↓ なお…

 


□*1 社会保険労務士は、所属社会保険労務士会の会則を守らなければならない(法25条の30)。

 

□*2 社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該社会保険労務士又は社会保険労務士法人に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる(法25条の33)。

 

 

◆入会及び退会 (法25条の29)

 


【入会等】


□社会保険労務士は、登録を受けた時に、当然、当該登録に係る事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている社会保険労務士会の会員となる(1項)。

 

□社会保険労務士が変更登録を受けた場合において、登録を受けたとしたならばその者が所属することとなる社会保険労務士会(変更後の社会保険労務士会)が当該変更登録を受けた際にその者が所属していた社会保険労務士会(変更前の社会保険労務士会)と異なるときは、当該社会保険労務士は、当該変更登録を受けた時に、当然、変更前の社会保険労務士会を退会し、変更後の社会保険労務士会の会員となる(2項)。

 

□社会保険労務士法人は、その成立の時に、当然、社会保険労務士法人の主たる事務所の所在地の社会保険労務士会の会員となる(3項)。

 

【退会】

 

□社会保険労務士法人は、その事務所の移転又は廃止により、所属社会保険労務士会が設立されている都道府県の区域内に社会保険労務士法人の事務所を有しないこととなったときは、旧所在地においてその旨を登記した時に、当然、当該社会保険労務士会を退会する(5項)。

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□社会保険労務士は、登録の抹消事由のいずれかに該当することとなったときは、その該当することとなった時に、当然、所属社会保険労務士会を退会する(6項)。

 

□社会保険労務士法人は、解散した時に、当然、所属社会保険労務士会を退会する(7項)。

 

 

2  社会保険労務士会連合会 (法25条の34ほか)        重要度 ●   

 

◆連合会 (法25条の34)

 


□全国の社会保険労務士会は、厚生労働大臣の認可を受けて、会則を定めて*1、連合会を設立しなければならない(1項)。

 

□連合会は、社会保険労務士会の会員の品位を保持し、その資質の向上と業務の改善進歩を図るため、社会保険労務士会及びその会員の指導及び連絡に関する事務並びに社会保険労務士の登録に関する事務を行うほか、試験事務及び代理業務試験事務を行うことを目的とする(2項)。

 

 

↓ なお…

 

□*1 社会保険労務士及び社会保険労務士会は、連合会の会則を守らなければならない(法25条の36)。(平3択)

 

◆意見の申出 (法25条の38)

 


□連合会は、厚生労働大臣に対し、社会保険労務士の制度の改善に関する意見又は社会保険労務士の業務を通じて得られた労働社会保険諸法令の運営の改善に関する意見を申し出ることができる。(平11択)

 

 

◆試験事務に従事する役員の選任等 (法25条の40)

 


□連合会は、試験事務を行う場合において、その役員のうちから試験事務に従事する者を選任しなければならない(1項)。

 

□連合会は、試験事務に従事する役員を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。試験事務に従事する役員に変更があったときも、同様とする(2項)。

 

 

↓ なお…

 

□試験事務に従事する連合会の役員若しくは職員(試験委員を含む)又はこれらの職にあった者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない(法25条の42)。

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第7節 雑則及び罰則

1  雑則 (法27条の2~法30条)                       重要度 ●   

 

◆開業社会保険労務士の使用人等の秘密を守る義務 (法27条の2)

 


□開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人その他の従業者でなくなった後においても、また同様とする。(平2択)(平20択)

 

 

◆資質向上のための援助 (法28条)

 


□厚生労働大臣は、社会保険労務士の資質の向上を図るため、講習会の開催、資料の提供その他必要な援助を行なうように努めるものとする。

 

 

◆資料の提供 (法29条)

 


□連合会は、登録に関し必要があると認めるときは、当該登録を受けようとする者の保険料の納付状況につき、当該保険料を徴収する者に対し、必要な書類の閲覧又は資料の提供を求めることができる。

 

 

◆権限の委任 (法30条)

 


□この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長及び都道府県労働局長に委任することができる(1項)。

 

□前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる(2項)。

 

 

2  罰則 (法32条~法37条)                          重要度 ●   

 

◆3年以下の懲役又は200万円以下の罰金 (法32条)

 


□第15条(不正行為の指示等の禁止)の規定に違反した者(平15択)

 

 

 

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◆1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 (法32条の2)

 


□次のいずれかに該当する者とする。

 

a) 偽りその他不正の手段により社会保険労務士名簿の登録を受けた者

 

b) 第21条(秘密を守る義務)又は第27条の2(開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人等の秘密を守る義務)の規定に違反した者(平7択)(平15択)

 

c) 第23条の2(非社会保険労務士との提携の禁止)の規定に違反した者

 

d) 第25条の2(不正行為の指示等を行った場合の懲戒)若しくは第25条の3(一般の懲戒)又は第25条の24第1項(違法行為等についての処分)の規定による業務の停止の処分に違反した者

 

e) 第25条の42第1項(試験事務に従事する連合会の役員若しくは職員の秘密を守る義務)の規定に違反した者

 

f) 第27条(業務の制限)の規定に違反した者

 

□前項b)の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 

 

◆100万円以下の罰金 (法33条)

 


□次のいずれかに該当する者とする。

 

a) 第19条(帳簿の備付け及び保存)の規定に違反した者

 

b) 第20条(依頼に応ずる義務)の規定に違反した者

 

c) 第26条(名称の使用制限)の規定に違反した者

 

 

◆30万円以下の罰金 (法34条、法35条)

 


□次のいずれかに該当する者とする。

 

a) 第24条第1項(報告及び検査)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者

 

b) 第25条の49第1項(厚生労働大臣が行う運営の監督)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した社会保険労務 士会又は連合会の役員又は職員

 

 

◆100万円以下の過料 (法37条)

 


□次のいずれかに該当する者とする。

 

a) 債権者の異議等の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 

b) 正当な理由がないのに、債権者の異議等の規定に掲げる請求を拒んだ者

 

 

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第 10 章

社会保険審査官
及び
社会保険審査会法

第1節  社会保険審査官 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 208
第2節  社会保険審査会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 212

 

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第1節  社会保険審査官

1  設置等 (法1条、法2条)                          重要度 ●● 

 

◆設置 (法1条1項)

 

条文

 

改正

 

健康保険法189条、船員保険法138条、厚生年金保険法90条及び石炭鉱業年金基金法33条1項並びに国民年金法101条の規定による審査請求の事件を取り扱わせるため、各地方厚生局(地方厚生支局を含む)に社会保険審査官(以下「審査官」という)を置く。(平4択)(平14択)(平21択)

 

◆任命 (法2条)

 


□審査官は、厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が命ずる。
(平17択)(平21択)

 

 

2  審査請求の手続 (法3条~法条)                   重要度 ●●●

 

◆管轄審査官 (法3条) 

 

改正

 


□健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法若しくは石炭鉱業年金基金法又は国民年金法の規定による審査請求は、次に掲げる審査官に対してするものとする。

 

 

イ)*1 日本年金機構(以下「機構」という)がした処分(ニに規定する処分を除く)に対する審査請求

 

 

その処分に関する事務を処理した機構の事務所の所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

ロ)*2 全国健康保険協会、健康保険組合、厚生年金基金若しくは企業年金連合会、石炭鉱業年金基金又は国民年金基金(以下「健康保険組合等」という)がした処分に対する審査請求

 

 

その処分に関する事務を処理した健康保険組合等の事務所の所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

ハ) 厚生労働大臣がした処分(ニに規定する処分を除く)に対する審査請求

 

審査請求人が当該処分につき経由した地方厚生局又は機構の事務所若しくは国民年金法に規定する共済組合等の事務所の所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

 

ニ) 国民年金の保険料その他国民年金法の規定による徴収金の賦課、徴収又は処分に対する審査請求

 

その処分をした者の所属する機関の事務所として厚生労働省令で定めるものの所在地を管轄する地方厚生局に置かれた審査官

 

 

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ちょっとアドバイス

 

□*1 年金事務所が当該事務を処理した場合にあっては、当該年金事務所がその業務の一部を分掌する従たる事務所とし、審査請求人が当該処分につき経由した機構の事務所がある場合にあっては、当該経由した機構の事務所(年金事務所を経由した場合にあっては、当該年金事務所がその業務の一部を分掌する従たる事務所)とする。

 

□*2 企業年金連合会がした処分にあっては、厚生年金保険法の規定に基づくものに限られる。

 

◆審査請求の期間 (法4条)

 


□審査請求は、被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬若しくは保険給付(国民年金法による給付を含む)、標準給与、年金たる給付若しくは一時金たる給付又は国民年金の保険料その他同法の規定による徴収金に関する「処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内」にしなければならない。ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない(1項)。
(平8択)

 

□被保険者若しくは加入員の資格、標準報酬又は標準給与に関する処分に対する審査請求は、「原処分があった日の翌日から起算して2年を経過」したときは、することができない(2項)。(平14択)

 

 

◆審査請求の方式 (法5条)

 


□審査請求は、政令の定めるところにより、文書又は口頭ですることができる(1項)。
(平8択)(平14択)

 

□審査請求は、原処分に関する事務を処理した地方厚生局、機構の従たる事務所、年金事務所若しくは健康保険組合等又は審査請求人の居住地を管轄する地方厚生局、機構の従たる事務所、年金事務所若しくは当該地方厚生局に置かれた審査官を経由してすることができる(2項)。

 

□前項の場合における審査請求期間の計算については、その経由した機関に審査請求書を提出し、又は口頭で陳述した時に審査請求があったものとみなす(3項)。

 

 

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◆代理人による審査請求 (法5条の2)

 


□審査請求は、代理人によってすることができる。(平14択)

 

□代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。(平8択)

 

 

◆保険者に対する通知等 (法9条)

 


□審査官は、審査請求を受理したときは、政令の定めるところにより、原処分をした保険者(厚生年金基金若しくは企業年金連合会、石炭鉱業年金基金、国民年金事業の管掌者、国民年金基金、機構、財務大臣(その委任を受けた者を含む)又は健康保険法若しくは船員保険法の規定により健康保険若しくは船員保険の事務を行う厚生労働大臣を含む)及びその他の利害関係人に通知しなければならない(1項)。

 

□前項の通知を受けた者は、審査官に対し、事件につき意見を述べることができる(2項)。

 

 

◆口頭による意見の陳述 (法9条の2)

 


□審査官は、審査請求人の申立てがあったときは、審査請求人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。

 

 

◆原処分の執行の停止等 (法10条)

 


□審査請求は、原処分の執行を停止しない。但し、審査官は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる(1項)。

 

□審査官は、いつでも前項の執行の停止を取り消すことができる(2項)。

 

□執行の停止は、審査請求があった日から60日以内に審査請求についての決定がない場合において、審査請求人が、審査請求を棄却する決定があったものとみなして再審査請求をしたときは、その効力を失う(3項)。

 

□執行の停止及び執行の停止の取消は、文書により、かつ、理由を附し、原処分をした保険者に通知することによって行う(4項)。

 

□審査官は、執行の停止又は執行の停止の取消をしたときは、審査請求人及び審査請求を受理した旨の通知を受けた保険者以外の利害関係人に通知しなければならない(5項)。

 

 

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◆審査請求の取下げ (法12条の2)

 


□審査請求人は、決定があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる(1項)。

 

□審査請求の取下げは、文書でしなければならない(2項)。(平14択)

 

 

◆本案の決定 (法13条)

 


□審査官は、審理を終えたときは、審査請求の全部又は一部を容認し、又は棄却する決定をしなければならない。

 

 

◆決定の方式 (法14条)

 


□決定は、文書をもって行い、かつ、理由を附し、決定をした審査官が、これに署名押印しなければならない(1項)。

 

□決定書には、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる旨及び再審査請求期間を記載しなければならない(2項)。

 

 

◆決定の効力発生 (法15条)

 


□決定は、審査請求人に送達された時に、その効力を生ずる(1項)。

 

□決定の送達は、決定書の謄本を送付することによって行なう。ただし、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他決定書の謄本を送付することができないときは、公示の方法によってすることができる(2項)。

 

□審査官は、決定書の謄本を審査請求を受理した旨の通知を受けた保険者その他の利害関係人に送付しなければならない(4項)。

 

 

◆決定の拘束力 (法16条)

 


□決定は、審査請求を受理した旨の通知を受けた保険者その他の利害関係人を拘束する。

 

 

◆不服申立ての制限 (法17条の2)

 


□この節(審査請求の手続)の規定に基づいて審査官がした処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

 

 

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第2節  社会保険審査会

1  設置及び組織 (法19条ほか)                      重要度 ●● 

 

◆設置 (法19条)

 

条文

 

健康保険法189条、船員保険法138条、厚生年金保険法90条、石炭鉱業年金基金法33条1項及び国民年金法101条の規定による再審査請求並びに健康保険法190条、船員保険法139条、厚生年金保険法91条及び石炭鉱業年金基金法33条2項の規定による審査請求の事件を取り扱わせるため、厚生労働大臣の所轄の下に、社会保険審査会(以下「審査会」という)を置く。(平7択)

 

◆職権の行使 (法20条)

 


□審査会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。

 

 

◆組織 (法21条)

 


□審査会は、委員長及び委員5人をもって組織する。(平17択)(平21択)

 

 

◆委員長及び委員の任命 (法22条)

 


□委員長及び委員は、人格が高潔であって、社会保障に関する識見を有し、かつ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、厚生労働大臣が任命する(1項)。(平21択)

 

□委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために、両議院の同意を得ることができないときは、厚生労働大臣は、人格が高潔であって、社会保障に関する識見を有し、かつ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる(2項)。

 

□前項の場合においては、任命後最初の国会で、両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、厚生労働大臣は、この委員長又は委員を罷免しなければならない(3項)。

 

 

◆任期 (法23条)

 


□委員長及び委員の任期は、3年とする。但し、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする(委員長及び委員は、再任されることができる)。(平17択)

 

 

 

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◆合議体 (法27条)

 


□審査会は、委員長及び委員のうちから、審査会が指名する者3人をもって構成する合議体で、再審査請求又は審査請求の事件を取り扱う(1項)。

 

□前項の規定にかかわらず、審査会が定める場合においては、委員長及び委員の全員をもって構成する合議体で、再審査請求又は審査請求の事件を取り扱う(2項)。

 

 

◆利益を代表する者の指名 (法30条)

 


□厚生労働大臣は、健康保険、船員保険及び厚生年金保険(厚生年金基金及び企業年金連合会並びに石炭鉱業年金基金の行う事業を含む)ごとに、被保険者(厚生年金基金の加入員並びに石炭鉱業年金基金法に規定する坑内員及び坑外員を含む)の利益を代表する者及び事業主(船員保険にあっては、船舶所有者)の利益を代表する者各2名を、関係団体の推薦により指名するものとする(1項)。

 

□厚生労働大臣は、国民年金の被保険者及び受給権者の利益を代表する者4名を指名するものとする(2項)。

 

 

2  再審査請求及び審査請求の手続 (法32条ほか)      重要度 ●   

 

◆再審査請求期間等 (法32条)

 


□健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法若しくは石炭鉱業年金基金法又は国民年金法の規定による再審査請求は、「審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して60日以内」にしなければならない(1項)。(平8択)(平21択)

 

□健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法又は石炭鉱業年金基金法の規定による審査請求は、当該「処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内」にしなければならない(2項)。

 

□第1項の再審査請求及び第2項の審査請求においては、原則として、原処分をした保険者をもって相手方とする(5項)。

 

 

◆保険者等に対する通知 (法33条)

 


□審査会は、再審査請求又は審査請求を受理したときは、政令の定めるところにより、原処分をした保険者及び利益を代表する者として指名された者に通知しなければならない。

 

 

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◆原処分の執行の停止等 (法35条)

 


□再審査請求及び審査請求は、原処分の執行を停止しない。但し、審査会は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる(1項)。

 

□審査会は、いつでも前項の執行の停止を取り消すことができる(2項)。

 

□執行の停止及び執行の停止の取消は、文書により、かつ、理由を附し、原処分をした保険者に通知することによって行う(3項)。

 

□審査会は、執行の停止又は執行の停止の取消をしたときは、原処分をした保険者以外の当事者に通知しなければならない(4項)。

 

 

◆審理の公開 (法37条)

 


□審理は、公開しなければならない。但し、当事者の申立があったときは、公開しないことができる。

 

↓ なお…

 

□審査会の合議は、公開しない(法42条)。

 

 

◆裁決の方式 (法43条)

 


□裁決は、文書をもって行い、かつ、理由を附し、審査長及び合議に関与した審査員が、これに署名押印しなければならない。審査長又は合議に関与した審査員が署名押印することができないときは、合議に関与した審査員又は審査長が、その事由を附記して署名押印しなければならない。

 

 

◆準用規定 (法32条4項、法44条)

 


□法5条(審査請求の方式)、法5条の2(代理人による審査請求)、法12条の2(審査請求の取下げ)、法13条(本案の決定)、法15条(決定の効力発生)等の規定は、再審査請求又は審査請求の手続に、法17条の2(不服申立ての制限)の規定は、この節の規定に基づいて審査会がした処分に準用する。この場合において、これらの規定中「審査官」とあるのは「審査会」と、「決定」とあるのは「裁決」と、「決定書」とあるのは「裁決書」と、「審査請求人」とあるのは「再審査請求人又は審査請求人」と読み替えるものとする。

 

 

◆罰則 (法46条)

 


□事件に関係のある事業所その他の場所に立ち入って、事業主、従業員その他の関係人に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査する等の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、原則として、20万円以下の罰金に処する。

 

 

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第 11 章

社会保険制度の沿革

第1節  医療保険制度の沿革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 216
第2節  年金制度その他の制度の沿革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 219