(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識2-4

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識2-4:前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整」

前のページへ | 次のページへ  | 目次へ 

一般常識(2)-4

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

4 前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整 (法32条、法36条) 重要度 ● 

 

◆前期高齢者交付金 (法32条)

 


□支払基金は、各保険者に係る加入者の数に占める前期高齢者である加入者(65歳に達する日の属する月の翌月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月)以後である加入者であって、75歳に達する日の属する月以前であるものその他厚生労働省令で定めるものをいう)の数の割合に係る負担の不均衡を調整するため、政令で定めるところにより、保険者に対して、前期高齢者交付金を交付する(1項)。

 

□前項の前期高齢者交付金は、支払基金が徴収する前期高齢者納付金をもって充てる(2項)。

 

 

◆前期高齢者納付金等の徴収及び納付義務 (法36条)

 


□支払基金は、第139条第1項第1号(前期高齢者納付金等の徴収及び前期高齢者交付金の交付の業務等)に掲げる業務及び当該業務に関する事務の処理に要する費用に充てるため、年度ごとに、保険者から、前期高齢者納付金及び前期高齢者関係事務費拠出金(以下「前期高齢者納付金等」という)を徴収する(1項)。

 

□保険者は、前期高齢者納付金等を納付する義務を負う(2項)。

 

 

 

-----------------(82ページ目ここから)------------------

第3節  後期高齢者医療制度 <総則>

1  後期高齢者医療と広域連合 (法47条~法49条)      重要度 ●   

 

◆後期高齢者医療 (法47条)

 


□後期高齢者医療は、高齢者の疾病、負傷又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。

 

 

◆広域連合の設立 (法48条)

 

条文

 

市町村は、後期高齢者医療の事務(保険料の徴収の事務及び被保険者の便益の増進に寄与するものとして政令で定める事務*1を除く)を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(以下「後期高齢者医療広域連合」という)を設けるものとする。

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 「保険料の徴収の事務」等については、「市町村」が行う。

 

◆特別会計 (法49条)

 


□後期高齢者医療広域連合及び市町村は、後期高齢者医療に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。

 

 

2  被保険者 (法50条~法53条)                      重要度 ●   

 

条文

 

次のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者とする。

 


イ) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者

 

ロ) 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの(平14択)

 

 

 

-----------------(83ページ目ここから)------------------

 

◆適用除外 (法51条)

 

条文

 

前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者としない。

 


a) 生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く)に属する者

 

b) a)に掲げるもののほか、後期高齢者医療の適用除外とすべき特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの*1

 

 

 

advance

 

□*1 「厚生労働省令で定める者」は、日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法に定める在留資格を有しない一定の者、日本の国籍を有しない者であって、外国人登録法の登録を受けていない者等が規定されている(則9条)。

 

↓ また…

 

□「病院等に入院、入所又は入居中の被保険者の特例」が、国民健康保険法(法116条の2)と同様に規定されている(法55条)。

 

◆資格取得の時期 (法52条)

 

条文

 

後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者は、次のいずれかに該当するに至った日又は適用除外のいずれにも該当しなくなった日から、その資格を取得する。

 


a) 当該後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する者(65歳以上75歳未満の者であって、政令で定める程度の障害の状態に係る当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたものを除く)が75歳に達したとき。

 

b) 75歳以上の者が当該後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有するに至ったとき。

 

c) 当該後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者が、政令で定める程度の障害の状態に係る認定を受けたとき。

 

 

◆資格喪失の時期 (法53条)

 


□後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者は、次のいずれかに該当した場合にその資格を喪失する。

 

 

その日の翌日

 

 

その日

 

イ) 当該後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有しなくなった日

 

ロ) 法50条ロの認定を受けた65歳以上75歳未満の者が、当該政令で定める程度の障害の状態に該当しなくなった日

 

ハ) 法51条b)に掲げる者に該当するに至った日

 

 

イ) 当該後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有しなくなった日に他の後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有するに至ったとき

 

ロ) 後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者は、法51条a)に規定する者に該当するに至った日

 

 

 

-----------------(84ページ目ここから)------------------

 

3  届出等 (法54条ほか)                            重要度 ●   

 

◆届出 (法54条1項、2項)

 


□被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を後期高齢者医療広域連合に届け出なければならない(1項)。

 

□被保険者の属する世帯の世帯主は、その世帯に属する被保険者に代わって、当該被保険者に係る届出をすることができる(2項)。

 

↓ 例えば…

 

□75歳に達したため、被保険者の資格を取得した者は、14日以内に、所定事項を記載した届書を、後期高齢者医療広域連合に提出しなければならない(則10条)。(平18択)

 

 

◆被保険者証 (法54条3項~10項)

 


□被保険者は、後期高齢者医療広域連合に対し、当該被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる(3項)。

 

□後期高齢者医療広域連合は、保険料を滞納している被保険者(原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付を受けることができる被保険者を除く)が、当該保険料の納期限から厚生労働省令で定める期間(1年間)が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保険者に対し被保険者証の返還を求めるものとする(4項、則14条)。

 

□後期高齢者医療広域連合は、前項に規定する厚生労働省令で定める期間(1年間)が経過しない場合においても、被保険者に対し被保険者証の返還を求めることができる。ただし、政令で定める特別の事情があると認められるときは、この限りでない(5項)。

 

-----------------(85ページ目ここから)------------------

 

□被保険者証の返還を求められた被保険者は、後期高齢者医療広域連合に当該被保険者証を返還しなければならない(6項)。

 

 

□被保険者が被保険者証を返還したときは、後期高齢者医療広域連合は、当該被保険者に対し、「被保険者資格証明書」を交付する(7項)。

 

□後期高齢者医療広域連合は、被保険者資格証明書の交付を受けている被保険者が滞納している保険料を完納したとき、又はその者に係る滞納額の著しい減少、災害その他の政令で定める特別の事情があると認めるときは、当該被保険者に対し、被保険者証を交付する(8項)。

 

 

□被保険者は、その資格を喪失したときは、厚生労働省令で定めるところにより、速やかに、後期高齢者医療広域連合に被保険者証を返還しなければならない(9項)。

 

□被保険者資格証明書の交付を受けた被保険者は、その資格を喪失したとき又は被保険者証の交付を受けたときは、速やかに、後期高齢者医療広域連合に被保険者資格証明書を返還しなければならない(則18条)。

 

□住民基本台帳法の規定による「転入届」、「転出届」、「転居届」、「世帯変更届」の届出があったとき(当該届出に係る書面に資格を証する事項の付記がされたときに限る)は、その届出と同一の事由に基づく届出があったものとみなす(10項)。

 

 

◆文書の提出等 (法60条)

 


□後期高齢者医療広域連合は、後期高齢者医療給付に関して必要があると認めるときは、当該被保険者若しくは被保険者であった者又は後期高齢者医療給付を受ける者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。

 

 

◆診療録の提示等 (法61条1項)

 


□厚生労働大臣又は都道府県知事は、後期高齢者医療給付に関して必要があると認めるときは、医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行った者又はこれを使用する者に対し、その行った診療、薬剤の支給又は手当に関し、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

 

 

◆受給権の保護 (法62条)

 


後期高齢者医療給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

 

 

◆租税その他の公課の禁止 (法63条)

 


租税その他の公課は、後期高齢者医療給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。