(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識6-17

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識6-17:一般的拘束力」

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一般常識(6)-17

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

◆一般的拘束力 (法17条)

 


□一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。(平13択)

 

 

◆地域的な一般的拘束力 (法18条)

 


□一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第2項の規定により修正があったものを含む)の適用を受けるべきことの決定をすることができる(1項)。

 

□労働委員会は、前項の決議をする場合において、当該労働協約に不適当な部分があると認めたときは、これを修正することができる(2項)。

 

□決定は、公告によってする(3項)。

 

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5  労働委員会 (法19条ほか)                      重要度 ●   

 

◆労働委員会 (法19条)

 


□労働委員会は、使用者を代表する者(「使用者委員」という)、労働者を代表する者(「労働者委員」という)及び公益を代表する者(「公益委員」という)各同数をもって組織する(1項)。

 

□労働委員会は、中央労働委員会*1及び都道府県労働委員会*2とする(2項)。

 

 

◆*1 中央労働委員会 (法19条の2)

 


□国家行政組織法の規定に基づいて、厚生労働大臣の所轄の下に、中央労働委員会を置く(1項)。

 

□中央労働委員会は、労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務とする(2項)。

 

□中央労働委員会は、前項の任務を達成するため、第5条(労働組合の資格審査)、第11条(法人である労働組合)、第18条(地域的な一般的拘束力)及び第26条(規則制定権)の規定による事務、不当労働行為事件の審査等に関する事務、労働争議のあっせん、調停及び仲裁に関する事務並びに労働関係調整法の規定による事務その他法律に基づき中央労働委員会に属させられた事務をつかさどる(3項)。

 

 

 ↓ なお…

 

◆労働委員会の権限 (法20条)

 


□労働委員会は、第5条、第11条及び第18条の規定によるもののほか、不当労働行為事件の審査等並びに労働争議のあっせん、調停及び仲裁をする権限を有する。

 

 

◆*2 都道府県労働委員会 (法19条の12)

 


□都道府県知事の所轄の下に、都道府県労働委員会を置く(1項)。

 

□都道府県労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各13人、各11人、各9人、各7人又は各5人のうち政令で定める数のものをもって組織する。ただし、条例で定めるところにより、当該政令で定める数に使用者委員、労働者委員及び公益委員各2人を加えた数のものをもって組織することができる(2項)。

 

□使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する(3項)。

 

□公益委員の任命については、都道府県労働委員会における公益委員の数に応じ、それぞれ一定数以上の公益委員が同一の政党に属することとなってはならない(4項)。

 

 

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6 不当労働行為事件の審査の手続等 (法27条ほか) 重要度 ● 

 

◆<step.1> 不当労働行為事件の審査の開始 (法27条)

 


□労働委員会は、使用者が第7条(不当労働行為)の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。この場合において、審問の手続においては、当該使用者及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない(1項)。

 

□労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない(2項)。

 

 

◆審査の計画 (法27条の6)

 


□労働委員会は、審問開始前に、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を定めなければならない(1項)。

 

□審査の計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない(2項)。

 

a) 調査を行う手続において整理された争点及び証拠

 

b) 審問を行う期間及び回数並びに尋問する証人の数

 

c) 救済命令等の交付の予定時期

 

□労働委員会は、審査の現状その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、当事者双方の意見を聴いて、審査の計画を変更することができる(3項)。

 

□労働委員会及び当事者は、適正かつ迅速な審査の実現のため、審査の計画に基づいて審査が行われるよう努めなければならない(4項)。

 

 

◆証拠調べ (法27条の7)

 


□労働委員会は、当事者の申立てにより又は職権で、「調査」を行う手続においてはロに掲げる方法により、「審問」を行う手続においてはイ及びロに掲げる方法により証拠調べをすることができる。

 

イ) 事実の認定に必要な限度において、当事者又は証人に出頭を命じて陳述させること。

 

ロ) 事件に関係のある帳簿書類その他の物件であって、当該物件によらなければ当該物件により認定すべき事実を認定することが困難となるおそれがあると認めるもの(以下「物件」という)の所持者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出された物件を留め置くこと。

 

 

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◆不服の申立て (法27条の10)

 


□都道府県労働委員会の証人等出頭命令又は物件提出命令(「証人等出頭命令等」という)を受けた者は、証人等出頭命令等について不服があるときは、証人等出頭命令等を受けた日から1週間以内(天災その他この期間内に審査の申立てをしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に、その理由を記載した書面により、中央労働委員会に審査を申し立てることができる(1項)。

 

□中央労働委員会は、審査の申立てを理由があると認めるときは、証人等出頭命令等の全部又は一部を取り消す(2項)。

 

 

◆<step.2> 救済命令等 (法27条の12)

 


□労働委員会は、事件が命令を発するのに熟したときは、事実の認定をし、この認定に基づいて、申立人の請求に係る救済の全部若しくは一部を認容し、又は申立てを棄却する命令(以下「救済命令等」という)を発しなければならない(1項)。

 

□調査又は審問を行う手続に参与する使用者委員及び労働者委員は、労働委員会が救済命令等を発しようとする場合は、意見を述べることができる(2項)。

 

□第1項の事実の認定及び救済命令等は、書面によるものとし、その写しを使用者及び申立人に交付しなければならない(3項)。

 

□救済命令等は、交付の日から効力を生ずる(4項)。

 

 

◆救済命令等の確定 (法27条の13)

 


□使用者が救済命令等について第27条の19第1項(取消しの訴え)の期間内に当該取消しの訴えを提起しないときは、救済命令等は、確定する(1項)。

 

□使用者が確定した救済命令等に従わないときは、労働委員会は、使用者の住所地の地方裁判所にその旨を通知しなければならない。この通知は、労働組合及び労働者もすることができる(2項)。

 

 

◆和解 (法27条の14)

 


□労働委員会は、審査の途中において、いつでも、当事者に和解を勧めることができる(1項)。

 

□救済命令等が確定するまでの間に当事者間で和解が成立し、当事者双方の申立てがあった場合において、労働委員会が当該和解の内容が当事者間の労働関係の正常な秩序を維持させ、又は確立させるため適当と認めるときは、審査の手続は終了する(2項)。

 

□前項に規定する場合において、和解(労働委員会が適当と認めたものに限る)に係る事件について既に発せられている救済命令等は、その効力を失う(3項)。

 

 

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◆<step.3> 再審査の申立て (法27条の15)

 


□使用者は、都道府県労働委員会の救済命令等の交付を受けたときは、15日以内(天災その他この期間内に再審査の申立てをしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内)に中央労働委員会に再審査の申立てをすることができる。(平9択)
ただし、この申立ては、救済命令等の効力を停止せず、救済命令等は、中央労働委員会が再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときは、その効力を失う(1項)。

 

□前項の規定は、労働組合又は労働者が中央労働委員会に対して行う再審査の申立てについて準用する(2項)。

 

 

◆再審査と訴訟との関係 (法27条の16)

 


□中央労働委員会は、第27条の19第1項(取消しの訴え)の訴えに基づく確定判決によって都道府県労働委員会の救済命令等の全部又は一部が支持されたときは、当該救済命令等について、再審査することができない。

 

 

◆<step.4> 取消しの訴え (法27条の19)

 


□使用者が都道府県労働委員会の救済命令等について中央労働委員会に再審査の申立てをしないとき、又は中央労働委員会が救済命令等を発したときは、使用者は、救済命令等の交付の日から30日以内に、救済命令等の取消しの訴えを提起することができる。この期間は、不変期間(法定期間のうち、裁判所の職権で伸縮が許されていない期間のこと)とする(1項)。(平7択)

 

□使用者は、中央労働委員会に再審査の申立てをしたときは、原則として、その申立てに対する中央労働委員会の救済命令等に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる(2項)。

 

 

↓ なお…

 

□救済命令等の全部又は一部が確定判決によって支持された場合において、その違反があったときは、その行為をした者は、1年以下の禁錮若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法28条)。