社労士/初級インプット講座/一般常識6-8 ~山川靖樹の社労士予備校~

社労士試験対策の決定版!山川靖樹プロデュースの社労士初級レベルのインプット講座!「一般常識6-8:職務内容同一短時間労働者」

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3  雇用管理の改善等に関する具体的措置 (法8条~法16条)  重要度 ●●●

 

(1) 通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止 (法8条)

 

条文

 


1) 事業主は、職務内容同一短時間労働者*1であって、当該事業主と期間の定めのない労働契約を締結しているもののうち、通常の労働者と同視すべき短時間労働者*2については、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定教育訓練の実施福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない。(平20択)

 

2) 前項の期間の定めのない労働契約には、反復して更新されることによって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる期間の定めのある労働契約を含むものとする。

 

 

ここをチェック

 

□*1「職務内容同一短時間労働者」とは、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という)が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者をいう。

 

□*2「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」とは、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものをいう。

 

 

(2) 通常の労働者と同視すべき短時間労働者以外の者に係る賃金 (法9条)

 

条文

 


1) 事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金(通勤手当、退職手当その他の厚生労働省令で定めるもの*3を除く、次項において同じ)を決定するように努めるものとする。

 

2) 事業主は、前項の規定にかかわらず、職務内容同一短時間労働者通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主に雇用される期間のうちの少なくとも一定の期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものについては、当該変更が行われる期間においては、通常の労働者と同一の方法により賃金を決定するように努めるものとする。
(平20択)

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*3「厚生労働省令で定める賃金」は、次に掲げるものとする(則3条)。

 


a) 通勤手当 b) 退職手当 c) 家族手当 d) 住宅手当 e) 別居手当
f) 子女教育手当 g) a)~f)に掲げるもののほか、名称の如何を問わず支払われる賃金のうち職務の内容に密接に関連して支払われるもの以外のもの

 

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(3) 通常の労働者と同視すべき短時間労働者以外の者に係る教育訓練 (法10条)

 

条文

 


1) 事業主は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、当該通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務内容同一短時間労働者通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)が既に当該職務に必要な能力を有している場合その他の厚生労働省令で定める場合*4を除き、職務内容同一短時間労働者に対しても、これを実施しなければならない

 

2) 事業主は、前項に定めるもののほか、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験等に応じ、当該短時間労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*4「厚生労働省令で定める場合」とは、職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)が既に当該職務に必要な能力を有している場合である(則4条)。

 

 

(4) 通常の労働者と同視すべき短時間労働者以外の者に係る福利厚生施設 (法11条)

 

条文

 


事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるもの*5については、その雇用する短時間労働者通常の労働者と同視すべき短時間労働者を除く)に対しても、利用の機会を与えるように配慮しなければならない

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*5「厚生労働省令で定める福利厚生施設」は、次に掲げるものとする(則5条)。

 


a) 給食施設 b) 休憩室 c) 更衣室

 

 

(5) 通常の労働者への転換 (法12条)

 

条文

 


1) 事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間労働者について、次のいずれかの措置を講じなければならない。

 


イ) 通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間労働者に周知すること。(平20択)

 

ロ) 通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間労働者に対して与えること。

 

ハ) 一定の資格を有する短時間労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること。

 

 

2) 国は、通常の労働者への転換を推進するため、前項イ~ハに掲げる措置を講ずる事業主に対する援助等必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 

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(6) 待遇の決定に当たって考慮した事項の説明 (法13条)

 

条文

 


事業主は、その雇用する短時間労働者から求めがあったときは、第6条(労働条件に関する文書の交付等)から第11条(通常の労働者と同視すべき短時間労働者以外の者に係る福利厚生施設)まで及び前条第1項(通常の労働者への転換)の規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間労働者に説明しなければならない

 

 

(7) 短時間雇用管理者 (法15条、則6条)

 

条文

 


事業主は、常時10人以上の短時間労働者を雇用する事業所ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、指針に定める事項その他の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理させるため、短時間雇用管理者を選任するように努めるものとする。
(平6択)(平8択)(平12択)(平17択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□事業主は、一定の事項を管理するために必要な知識及び経験を有していると認められる者のうちから当該事項を管理する者を短時間雇用管理者として選任するものとする(則7条)。

 

(8) 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告 (法16条)

 

条文

 


1) 厚生労働大臣は、短時間労働者の雇用管理の改善等を図るため必要があると認めるときは、短時間労働者を雇用する事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる

 

2) 前項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□厚生労働大臣の権限は、厚生労働大臣が全国的に重要であると認めた事案に係るものを除き、事業主の事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長が行うものとする(則8条)。