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労働基準法(3)-8

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5 退職時等の証明 (法22条)                           重要度 ●● 

 

条文

 


1) 労働者が、退職の場合*1において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由*2(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。(平6択)(平15択)(平22択)

 

2) 労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間*3において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。

 

3) 前2項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない

 

4) 使用者は、あらかじめ第三者と謀り*4、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動*5に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*3「解雇の予告がされた日から退職の日までの間」とは、在籍中ということである。

 

↓ つまり…

 

労働者は、退職日前であっても、退職の事由が「解雇」の場合に限り、当該「理由」に係る開示請求を行うことができる。

 

↓ なお…

 

本規定は、解雇予告の期間中に解雇を予告された労働者から請求があった場合に、使用者は遅滞なく、当該解雇の理由を記載した証明書を交付しなければならないものであるから、解雇予告の義務がない即時解雇の場合には、適用されない(平15.10.22基発1022001号)。(平16択)

 

6  金品の返還 (法23条)                               重要度●   

 

条文

 


1) 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求*1があった場合においては、7日以内に賃金を支払い*2、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。(平6択)

 

2) 前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。

 

 

ここをチェック

 

□*1「権利者」とは、一般には、労働者が退職した場合にはその労働者本人であり、労働者が死亡した場合にはその労働者の遺産相続人である(一般債権者は含まれない)(昭22.9.13発基17号)。

 

□*2「退職手当」は、ここでいう「賃金」には含まれず、あらかじめ就業規則等で定められた支払時期に支払うことで足りる(昭63.3.14基発150号)。(平7択)(平12択)

 

 

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ここで具体例!

 

□権利者から請求があった場合には、「賃金」については、あらかじめ定められた賃金支払日が請求の日から7日を経過した日であっても、請求の日から7日以内に支払わなければならない。

 

↓ なお…

 

賃金支払日が請求の日から7日の範囲内にあるときは、賃金支払日に支払えばよい。

 

 

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※テキスト72ページ~80ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません