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労働基準法(3)-6

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テキスト本文の開始

 

◆解雇予告期間中の「休業手当」

 


□解雇の予告が行われたとしても、即時解雇でない限りこれまでの就労契約は存続する。

 

↓ つまり…

 

解雇予告手当によって契約期間を短縮しない限り、その予告期間中、使用者には「指揮命令権」があり、労働者には「就労の義務」がある。

 

↓ 反対に言えば…

 

使用者は就労の場を与える義務があり、労働者はその間の賃金の請求権を有する

 

↓ だとすれば…

 

□使用者の都合で就労させない命令を出したとき又は就労させることができない事態となったときにおいても、その間の賃金を支払う義務がなくなるわけではない。

 

↓ したがって…

 

このような場合には、「使用者の責に帰すべき事由」による休業命令に対する賃金保障の規定(法26条)が適用されることとなる。

 

↓ なお…

 

□解雇予告期間中について、使用者からの「休業命令」を制限する規定はないが、この場合も、使用者からの休業命令に対する妥当性の有無は問われる。

 

 

4 解雇予告の適用除外 (法21条)                       重要度●●●

 

条文

 


前条の規定は、次のイ)からニ)の一に該当する労働者については適用しない。但し、イ)に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至った場合、ロ)若しくはハ)に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又はニ)に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。

 


イ) 日日雇い入れられる者*1

 

ロ) 2箇月以内の期間を定めて使用される者*2(平1記)

 

ハ) 季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者*3(平1記)

 

ニ) 試の使用期間中の者*4

 

 

 

ここをチェック

 

□*1「日日雇い入れられる者」は、1箇月を超えて引き続き使用されるに至った場合は、解雇予告が必要となる。(平2択)(平4択)(平13択)

 

↓ なお…

 

日雇労働者として雇い入れた労働者を、幾日か経過した後に2箇月の期間を定めた労働者として雇用し、その2箇月の期間が満了する前に解雇する場合には、当該2箇月の契約が反復継続して行われたものでなければ、解雇予告または解雇予告手当の支払を行う必要はない(昭27.4.22基収1239号)。(平8択)

 

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↓ また…

 

□日日雇い入れられる者については、労働契約が日日更新されると否とにかかわらず、専ら同一事業場の業務に従事していたか否かによって判断すべきものであり、専ら同一事業場の業務に従事していれば、休日以外に当該事業場の業務に従事しない日が多少あっても、1箇月間継続して労働したという事実を中断するものではない(昭24.2.5基収408号)。

 

□*2*3「2箇月以内の期間を定めて使用される者」若しくは「季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者」は、所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合は、解雇予告が必要となる。

(平5択)(平8択)(平15択)(平19択)

 

↓ なお…

 

「所定の期間」とは、労働契約を結んだ当初の契約期間のことである。

 

□*4「試の使用期間中の者」は、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は、解雇予告が必要となる。(平2択)(平5択)(平6択)(平11択)

 

↓ なお…

 

試の使用期間の長さについては、就業規則等でこれを自由に定めることは差し支えないが、長期の試の使用期間を定めたものであっても、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合には、解雇予告の規定が適用される(昭24.5.14基収1498号)。