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労働基準法(2)-5

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テキスト本文の開始

 

 

 

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参考条文

 

◆やむを得ない事由による雇用の解除 (民法628条)

 


当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は直ちに契約解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

 

 

3 契約期間 (法14条1項)                             重要度●●  

 

条文

 


労働契約は、期間の定めのないもの*1を除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの*2のほかは、3年(次のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年*3)を超える期間について締結してはならない。(平10択)

 


イ) 専門的な知識、技術又は経験(以下、この号において「専門的知識等」という)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る)との間に締結される労働契約

 

ロ) 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(イの労働契約を除く)

 

 

 

ここをチェック

 

 

(1) 期間の定めのない労働契約

 

□*1「期間の定めのないもの」とは、いわゆる正社員の労働契約がそれにあたり、この場合は、労働者はいつでも解約できる自由があるから、本条の対象とならない。

 

□定年制は、労働契約の終期を定めたものであって、定年に達するまでの間においては期間の定めのない契約であり、労働者はいつでも労働契約を解約する自由があるため、本条の禁止する長期契約に当たらない。

 

 

(2) 期間の定めのある労働契約

 

□期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という)の原則は、3年を超える期間について締結してはならない。
ただし、次の場合には、3年を超える期間について、締結することができる。

 


□*2「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」とは、建設工事現場等(有期的事業)の労働者との間において締結する「その事業の終期までの期間を定める労働契約」がこれに当たる。
この場合は、その事業終了までを一期間とする労働契約(契約期間の上限に制約はない)を締結することができる。(平11択)

 

 

 

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□法70条の認定職業訓練を受ける労働者との間に締結される労働契約についても、その職業訓練期間の範囲内を一期間とする労働契約を締結することができる。

 

□*3「契約期間の上限を5年」とするものは、

 


イ) 高度の専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約
この場合、当該労働者が、高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、その契約期間の上限は3年となる。(平16択)

 

ロ) 60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(平12択)
この場合、3年を超える労働契約の締結時に満60歳以上でなければならない。(平11択)

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□有期労働契約において3年(前記*3に該当するものについては5年)を超えるものは、法13条(労働基準法違反の契約)の規定により、3年又は5年の契約期間を定めたものとみなされる。(平11択)(平16択)

 

□法14条の規定に違反した契約期間を定めた場合であっても、労働基準法の立法趣旨に鑑み、当該規定の罰則(30万円以下の罰金)は、使用者に対してのみ適用される(昭23.4.5基発535号)。(平10択)

 

advance

 

◆「高度の専門的知識等」の基準 (平15.10.22厚労告356号)

 


a) 博士の学位を有する者

 

 

b) 次のいずれかの資格を有する者

 


・公認会計士  ・医師  ・歯科医師  ・獣医師  ・弁護士 

 

・一級建築士  ・税理士・薬剤師  ・社会保険労務士 

 

・不動産鑑定士  ・技術士  ・弁理士

 

 

c) システムアナリスト試験又はアクチュアリ一に関する資格試験に合格した者

 

 

d) 特許法に規定する特許発明の発明者、意匠法に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法に規定する登録品種を育成した者

 

 

e) 農林水産業の技術者、鉱工業の技術者、機械・電気技術者、建築・土木技術者、システムェンジニア、デザイナー又はシステムコンサルタント(一定年数以上の実務経験を有するものに限る) の業務に就こうとする者であって、労働契約の期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額を1年当たりの額に換算した額が、1,075万円を下回らないもの(平18選)