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雇用保険法(4)-9

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第6節 特例一時金

 

1  短期雇用特例被保険者 (法38条)                     重要度 ●●

 

条文

 


1) 被保険者であって、季節的に雇用されるもののうち次のイ、ロのいずれにも該当しない者(第43条第1項に規定する日雇労働被保険者を除く、以下「短期雇用特例被保険者」という)が失業した場合には、この節の定めるところにより、特例一時金を支給する。(平20択)(平23選)

 


イ) 4箇月以内の期間を定めて雇用される者


ロ) 1週間の所定労働時間が20時間以上であって厚生労働大臣の定める時間数

(30時間)未満である者

 

 

2) 被保険者が前項に掲げる者に該当するかどうかの確認は、厚生労働大臣が行う。


3) 短期雇用特例被保険者に関しては、一般被保険者の求職者給付(法14条(被保険者期間の規定)を除く)、高年齢継続被保険者の求職者給付及び日雇労働被保険者の求職者給付の規定は、適用しない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

◆短期雇用特例被保険者の切替え (行政手引20451)

 


短期雇用特例被保険者が同一の事業主に引き続き雇用された期間が「1 年以上」となるに至ったときは「短期の雇用」でなくなるため、当該1 年以上雇用されるに至った日(「切替日」という)以後は、次のような取扱いとなる。

(平10択)(平16択)(平18択)(平21択)

 

 

2  特例受給資格 (法39条)                             重要度 ●

 

条文

 


1) 特例一時金は、短期雇用特例被保険者が失業した場合において、離職の日以前1年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった短期雇用特例被保険者である被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を1年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間))に、被保険者期間*1が通算して6箇月以上であったときに、支給する。

 

 

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ちょっとアドバイス

 

□*1 特例一時金に係る「被保険者期間」の計算方法は、次のとおりである(法附則3条)。(平2択)(平16択)

 


資格取得日の属する月の初日から資格喪失日の前日の属する月の末日まで引き続き短期雇用特例被保険者として雇用された後当該短期雇用特例被保険者でなくなったものとみなす。


↓ 具体的には…


1暦月中に賃金支払基礎日数が11日以上ある月をもって「1箇月の被保険者期間」として計算する。

 

 

ここで具体例!

 

◆被保険者期間の計算方法の比較

 

 

advance

 


2) 前項(第1項)の規定により特例一時金の支給を受けることができる資格(「特例受給資格」という)を有する者(「特例受給資格者」という)が受給期間内に特例一時金の支給を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した場合を除く)において、当該期間内に公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業の認定を受けたときは、その者は、当該特例受給資格に基づく特例一時金の支給を受けることができる。

 

 

3  特例一時金 (法40条)                               重要度 ●●


(1) 支給額

 

条文

 


1) 特例一時金の額は、特例受給資格者を受給資格者とみなして基本手当の日額の規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額の30日分*1(失業の認定があった日から受給期間の最後の日(受給期限日)までの日数が30日に満たない場合には、その日数に相当する日数分)とする。

(平2択)(平16択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□前項の規定にかかわらず、特例受給資格に係る離職の日において65歳以上の特例受給資格者に係る賃金日額が、受給資格に係る離職の日において30歳未満の受給資格者について定められた上限額(12,910円)を超えるときは、その額(12,910円)を賃金日額とする(2項)。

 

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□*1 特例一時金に関する暫定措置として、当分の間、「30日」とあるのは「40日」とする(法附則8条)。(平20択)

 

(2) 失業の認定

 

条文

 


3) 特例一時金の支給を受けようとする特例受給資格者は、離職の日の翌日から起算して6箇月を経過する日までに、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業していることについての認定を受けなければならない。(平2択)(平6択)(平16択)(平20択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□「失業の認定」は、次のとおりである(則68条)。

 


□管轄公共職業安定所長は、離職票を提出した者が特例受給資格者であると認めたときは、その者の失業の認定日及び支給日を定め、その者に知らせるとともに、「特例受給資格者証」に必要な事項を記載した上、交付しなければならない。


□管轄公共職業安定所長は、必要があると認めるときは、失業の認定日及び支給日を変更することができる


□管轄公共職業安定所長は、失業の認定日及び支給日を変更したときは、その旨を当該特例受給資格者に知らせなければならない

 

 

□特例一時金は、一時金であるため、失業の認定及び支給回数は、1回限りである。


↓ また…


特例一時金の支給を受けることができる期間(「受給期限」という)は、当該「6箇月間」に疾病又は負傷等により引き続き30日以上職業に就くことができない期間があっても、当該受給期限は延長されない(行政手引55151)。(平2択)

 

advance

 

□特例一時金は、基本手当と異なり、失業している日数に応じて支給されるものではなく、「失業の状態」にあれば支給される。したがって、失業の認定日に「失業の状態」にあればよく、仮に、翌日から就職したとしても返還する必要はない(行政手引55301)。

 

□求職の申込みの日以後失業の認定があった日の前日までの間に、自己の労働によって収入を得たことがあった場合であっても、特例一時金が減額されることはない(行政手引55357)。(平20択)

 

(3) 準用規定

 

条文

 


4) 第21条(待期)、第31条第1項(未支給給付の請求手続)、第32条、第33条第1項及び第2項並びに第34条第1項から第3項(給付制限)までの規定は、特例一時金について準用する。(平2択)

 

 

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4  公共職業訓練等を受ける場合 (法41条)               重要度 ●

 

条文

 


1) 特例受給資格者が、当該特例受給資格に基づく特例一時金の支給を受ける前に公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が政令で定める期間(30日(当分の間40日))に達しないものを除く)を受ける場合には、特例一時金を支給しないものとし、その者を受給資格者とみなして、当該公共職業訓練等を受け終わる日までの間に限り、受給資格者の求職者給付(第33条第1項ただし書の規定を除く*1)を支給する。 (平8択)(平20択)(平23選)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□特例受給資格者が「受給資格者の求職者給付」を受けるためには、次のすべての要件を満たさなければならない(行政手引56402)。

 


a) 公共職業訓練等の「受講の指示を受けた日」において、特例受給資格者であって、特例一時金の支給を受けておらず、かつ、受給期限が経過していない者であること。


b) 公共職業安定所長の指示により公共職業訓練等を受ける者であること。


c) 受講する公共職業訓練等の期間が30日(当分の間、40日)以上2年以内のものであること。(平16択)

 

      

  ↓ なお…


□「傷病手当」は、延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については支給されない(行政手引53004)ことから、この特例により行われる「受給資格者の求職者給付」は、基本手当、技能習得手当及び寄宿手当の3種類である(行政手引56401)。

 

□*1「第33条第1項ただし書の規定を除く」とは、離職理由による給付制限期間中の特例受給資格者が、この特例により基本手当を受けることとなったとしても、一般の受給資格者のように当該給付制限が解除されることはない(離職理由による給付制限は行われる)ということである。(平9択)


↓ また…


失業の認定は、一般の受給資格者が公共職業訓練等を受ける場合と同じく、証明書による認定によって毎月1回行われる。

 

advance

 

□前項の特例受給資格者は、当該特例受給資格に係る被保険者となった日前に法29条1項(延長給付に係る給付制限)又は法34条1項(不正受給に係る給付制限)の規定により基本手当の支給を受けることができないこととされている場合においても、前項の規定により求職者給付の支給を受けることができる(2項)。

 

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※テキスト128ページ~129ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません