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厚生年金保険法(6)-10

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テキスト本文の開始

 

 

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(2) 従前額保障の意義と給付乗率の適用

 


【平成15年4月以降にのみ加入期間がある場合】


平成15年4月以降に適用されることとなった「5.481/1,000」か、5%適正化されなかったと仮定したときの乗率「5.769/1,000(5.481÷0.95)」かのどちらかを用いて計算し、結果的に年金額が多くなるほうを適用する。(平16択)

 

 

【平成15年3月以前にのみ加入期間がある場合】


平成12年3月まで適用されていた「7.5/1,000(適正前の給付乗率)」か、4月以降に適用されることとなった「7.125/1,000(7.5×0.95)」かのどちらかを用いて計算し、結果的に年金額が多くなるほうを適用する。

 

 

【前後の期間の両方に加入期間がある場合】


平成15年4月以降の期間については、a)「5.481/1,000」かb)「5.769/1,000」、平成15年3月以前の期間については、a)「7.125/1,000」かb)「7.5/1,000」かのどちらかを用いて計算し、結果的に年金額が多くなるほうを適用する。
*この場合、a)かb)かは、前後の期間に関し共通して組み合わせる。

 

 

条文

 


厚生年金保険法による年金たる保険給付の額については、給付乗率5.481/1,000及び7.125/1,000を用いて計算した額が、次のイ)及びロ)に掲げる額を合算して得た額に従前額改定率を乗じて得た額に満たないときは、当該掲げる額を合算して得た額に従前額改定率を乗じて得た額を、報酬比例の額とする。(平14択)

 

 

advance

 

□「従前額改定率」とは、物価の変動を基準として定められる率であり、平成23年度の当該率は、「0.986」(前年度従前額改定率0.993×物価0.993)である。

 

□生年月日による給付乗率の読み替えは、定率制の報酬比例年金には適用しない

 

□「平均標準報酬月額」及び「平均標準報酬額」の算定は、平成6年再評価率が基準となる。

 

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8  厚生年金保険法による年金たる保険給付等の額の計算に関する経過措置
(物価スライド特例措置・平16法附則27条)                   重要度 ●   

 

条文

 

前年改正

 


1) 厚生年金保険法による年金たる保険給付については、改正後の厚生年金保険法、改正後の昭和60年改正法又は改正後の国民年金法等の一部を改正する法律(「平成12年改正法」という)の規定(他の法令において引用し、準用し、又はその例による場合を含む、「改正後の厚生年金保険法等の規定」という)により計算した額が、それぞれの改正前の厚生年金保険法等の規定により計算した額に満たない場合は、改正前の厚生年金保険法等の規定は、なおその効力を有するものとし、改正後の厚生年金保険法等の規定にかかわらず、当該額(改正前の額)をこれらの給付の額とする。


2) 改正前の規定による額(後述(1))及び従前額保障を適用した場合の改正前の規定による額(後述(2))に用いる「0.981」は、全国消費者物価指数が平成22年の全国消費者物価指数を下回るに至った場合においては、その低下した比率を基準として、翌年の4月以降改定される(この特例率は、上昇改定しない)。

 

 

(1) 改正前の規定による額

 

ここをチェック

 

□報酬比例額は、次のイ及びロの合算額に「0.981」を乗じて得た額となる。

 

 

advance

 

□「0.981」は、平成23年度物価スライド特例率である。

 

□生年月日による給付乗率の読み替えは、定率制の報酬比例年金には適用しない

 

□「平均標準報酬月額」及び「平均標準報酬額」の算定は、平成11年再評価率が基準となる(改正法による再評価率の改定等は行われない)。

 

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(2) 従前額保障を適用した場合の改正前の規定による額

 

ここをチェック

 

□報酬比例額は、次のイ及びロの合算額に「0.981」及び「1.031」を乗じて得た額となる。

 

 

advance

 

□「1.031」は、平成11年改定率であり、平成6年から平成10年までの間の物価指数変動値を基準として定められた。

 

□生年月日による給付乗率の読み替えは、定率制の報酬比例年金には適用しない

 

□「平均標準報酬月額」及び「平均標準報酬額」の算定は、平成6年再評価率が基準となる(改正法による再評価率の改定等は行われない)。

 

(3) 特例措置による定額部分の額

 

ここをチェック

 


計算式A:1,628円×改定率×被保険者期間の月数

 

 

計算式B:1,676円×被保険者期間の月数×0.981

 

 

計算式A<計算式Bのときは、計算式Bによる額が、定額部分の額となる。


↓ なお…


経過的加算の額を計算する場合の「特別支給の老齢厚生年金」の定額部分相当額についても、当該特例措置が適用される。

 


「1,676円」≒平成12年度法定額804,200円÷480

 

 

(4) 特例措置による加給年金額

 

ここをチェック

 

 

 

本来の額

 

物価スライド特例額

配偶者の加算

 

224,700円×改定率(221,300円)

 

227,000円

 

子の加算

 

第2子まで

 

224,700円×改定率(221,300円)

227,000円

 

第3子から

 

 74,900円×改定率( 73,800円)

 75,600円

 

*「227,000円」≒231,400円×0.981、「75,600円」≒77,100円×0.981である。

 

 

 

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(5) 特例措置による老齢厚生年金の特別加算額

 

ここをチェック

 

受給権者の生年月日

 

本来の額

 

物価スライド特例額

 

昭和 9 年4月2日~昭和15年4月1日

 

33,200円×改定率

( 32,700円)

 

 33,500円

 

昭和15年4月2日~昭和16年4月1日

 

66,300円×改定率

( 65,300円)

 

 67,000円

 

昭和16年4月2日~昭和17年4月1日

 

99,500円×改定率

( 98,000円)

 

100,600円

 

昭和17年4月2日~昭和18年4月1日

 

132,600円×改定率(130,600円)

 

134,000円

 

昭和18年4月2日以後

 

165,800円×改定率(163,300円)

 

167,500円

 

advance

 

□特例措置による加給年金額(前述(4))及び特例措置による老齢厚生年金の特別加算額(前述(5))による額は、全国消費者物価指数が平成22年の全国消費者物価指数を下回るに至った場合においては、その低下した比率を基準として、翌年の4月以降改定される

(この特例額は、上昇改定しない(平16法附則27条2項))。

 

(6) その他の額

 

ここをチェック

 

年金の種類

 

本来の額

 

物価スライド特例額

 

障害厚生年金の最低保障額

 

  576,900円

591,700円

 

障害手当金の最低保障額

 

1,153,800円

適用なし

 

遺族厚生年金の中高齢寡婦加算額

 

  576,900円

591,700円

 

*「576,900円」は、障害基礎年金2級の額×3/4及び遺族基礎年金×3/4である。
*「1,153,800円」は、本来の障害厚生年金の最低保障額×2である。

 

 

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※テキスト221ページ~223ページは、過去問掲載ページです。WEB上での掲載はございません