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国民年金法(6)-12

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テキスト本文の開始

 

 

 

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4  法定免除 (法89条)                        重要度 ●●●    


条文

 


被保険者が次のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたもの及び前納されたものを除き、納付することを要しない。
(平1択)(平5択)(平16択)(平21択)(平23択)(平7記)

 


イ) 障害基礎年金又は被用者年金各法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者であるとき*1。 (平4択)(平5択)(平11択)(平20択)

 

 

ロ) 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。(平5択)(平10択)(平11択)(平14択)(平16択)

 

 

ハ) 厚生労働省令で定める施設に入所しているとき*2。
(平1択)(平5択)(平9択)(平21択)

 

 

ここをチェック

 

法定免除に該当するか否かの判断は、厚生労働大臣が行う。

(平2択)(平8択)

 

□*1 障害基礎年金の受給権を有しない障害厚生年金3級の受給権者等は対象とならない。(平13択)(平16択)


↓ また…


□最後に厚生年金保険法47条2項に規定する障害等級(1級~3級)に該当する程度の障害の状態(以下「障害状態」という)に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る)その他の政令で定める者についても、免除対象とならない(ただし書き)。

 

ちょっとアドバイス

 

◆保険料免除に関する届出

 


□第1号被保険者は、法定免除のいずれかに該当するに至ったときは、氏名及び住所、保険料の免除理由及びそれに該当した年月日、基礎年金番号を記載した届書に、国民年金手帳を添えて、14日以内に、これを機構に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除のいずれかに該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない(則75条)。
(平4択)(平6択)(平10択)(平20択)(平21択)

 

 

□第1号被保険者は、法定免除のいずれにも該当しなくなったときは、氏名及び住所、保険料の免除理由に該当しなくなった理由及びその該当しなくなった年月日、基礎年金番号を記載した届書に、国民年金手帳を添えて、14日以内に、これを機構に提出しなければならない。


↓ ただし…


申請一部免除の規定による申請をしたとき若しくは法定免除のいずれにも該当しなくなった日から14日以内に申請全額免除、申請一部免除若しくは学生の保険料の納付特例及び30歳未満の保険料納付猶予制度の規定による申請をしたときは、提出は不要である(則76条)。(平21択)

 

 

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advance

 

□「被保険者」については、「申請一部免除」の規定の適用を受ける被保険者は除かれる。

 

□*2「厚生労働省令で定める施設」は、次のとおりとする(則74条の2)。

 


a) 国立ハンセン病療養所等     b) 国立保養所
c) a)、b)に掲げるもののほか、厚生労働大臣が指定するもの

 

 

5  申請全額免除 (法90条、令6条の8、則77条の2)      重要度 ●●    

 
(1) 適用の要件

 

条文

 


1) 次のいずれかに該当する被保険者又は被保険者であった者(以下「被保険者等」という)から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間*1に係る保険料につき、既に納付されたもの及び前納されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く)に算入することができる。
ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次のいずれにも該当しないときは、この限りでない。(平1択)(平9択)(平14択)(平3記)

 


イ) 前年の所得(1月から厚生労働省令で定める月(6月)までの月分の保険料については、前々年の所得とする、以下同じ)が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき*2。(平4択)

 

 

ロ) 被保険者又は被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。

 

 

ハ) 地方税法に定める障害者であって、前年の所得が政令で定める額(125万円)以下であるとき。(平5択)(平8択)(平19択)(平3記)

 

 

ニ) 地方税法に定める寡婦であって、前年の所得がハに規定する政令で定める額(125万円)以下であるとき。(平3記)

 

 

ホ) 保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由があるとき*3。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「指定する期間」からは、申請一部免除の規定の適用を受ける期間又は学生等である期間若しくは学生等であった期間又は30歳未満の保険料納付猶予制度の対象となる期間を除く。(平16択)

 

□*2「政令で定める額」は、扶養親族等の数に1を加えた数を35万円に乗じて得た額に22万円を加算した額とする(令6条の7)。(平16択)

 

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□*3「厚生労働省令で定める事由」は、次に掲げる事由とする(則77条の7)。

 


a) 免除の申請のあった日の属する年度又はその前年度における震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、被保険者、世帯主、配偶者又は被保険者、世帯主若しくは配偶者の属する世帯の他の世帯員の所有に係る住宅、家財その他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く)が、その価格のおおむね2分の1以上である損害を受けたとき。

 

 

b) 免除の申請のあった日の属する年度又はその前年度において、失業により保険料を納付することが困難と認められるとき。(平21択)

 

 

c) その他a)又はb)に掲げる事由に準ずる事由により保険料を納付することが困難と認められるとき。

 

 

(2) 適用の効果

 

条文

 


2) 前項の規定による処分があったときは、年金給付の支給要件及び額に関する規定の適用については、その処分は、当該申請のあった日にされたものとみなす。


3) 第1項の規定による処分を受けた被保険者から当該処分の取消しの申請があったときは、厚生労働大臣は、当該申請があった日の属する月の前月以後の各月の保険料について、当該処分を取り消すことができる。

 

 

ここで具体例!

 


【「申請のあった日にされたものとみなす」とは?】

(例:障害基礎年金の受給権について)


 


このような場合、初診日の前日までに申請が行われていない限り、保険料納付要件を満たすことはできな 。

 

 

6  申請一部免除 (法90条の2、則77条の2)              重要度 ●    

   
(1) 申請4分の3免除 (1項)

 

条文

 


次のいずれかに該当する被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間*1に係る保険料につき、既に納付されたもの及び前納されたものを除き、その4分の3を納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料4分の3免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く)に算入することができる。ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次のいずれにも該当しないときは、この限りでない。

 


イ) 前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき*2。

 

 

ロ) 申請全額免除のロからホまでに該当するとき。

 

 

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advance

 

□*1「指定する期間」からは、申請全額免除申請半額免除又は申請4分の1免除の規定の適用を受ける期間、学生等である期間若しくは学生等であった期間又は30歳未満の保険料納付猶予制度の対象となる期間を除く。

 

□*2「政令で定める額」は、扶養親族等がないときは78万円とし、扶養親族等があるときは78万円に当該扶養親族等1人につき原則として38万円を加算した額とする(令6条の8の2)。(平21択)

 

(2) 申請半額免除 (2項)

 

条文

 


次のいずれかに該当する被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間*3に係る保険料につき、既に納付されたもの及び前納されたものを除き、その半額を納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料半額免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く)に算入することができる。ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次のいずれにも該当しないときは、この限りでない。

 


イ) 前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき*4。

 

 

ロ) 申請全額免除のロからホまでに該当するとき。

 

 

advance

 

□*3「指定する期間」からは、申請全額免除申請4分の3免除又は申請4分の1免除の規定の適用を受ける期間、学生等である期間若しくは学生等であった期間又は30歳未満の保険料納付猶予制度の対象となる期間を除く。

 

□*4「政令で定める額」は、扶養親族等がないときは118万円とし、扶養親族等があるときは118万円に当該扶養親族等1人につき原則として38万円を加算した額とする(令6条の9)。(平16択)

 

(3) 申請4分の1免除 (3項)

 

条文

 


次のいずれかに該当する被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間*5に係る保険料につき、既に納付されたもの及び前納されたものを除き、その4分の1を納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料4分の1免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く)に算入することができる。ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次の各号のいずれにも該当しないときは、この限りでない。

 


イ) 前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき*6。

 

 

ロ) 申請全額免除のロからホまでに該当するとき。

 

 

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advance

 

□*5「指定する期間」からは、申請全額免除申請4分の3免除又は申請半額免除の規定の適用を受ける期間、学生等である期間若しくは学生等であった期間又は30歳未満の保険料納付猶予制度の対象となる期間を除く。

 

□*6「政令で定める額」は、扶養親族等がないときは158万円とし、扶養親族等があるときは158万円に当該扶養親族等1人につき原則として38万円を加算した額とする(令6条の9の2)。

 

□申請一部免除の規定により納付することを要しないものとされたその一部の額以外の残余の額に5円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げるものとする(6項)。