【制度の趣旨:その1(他制度との整合)】
昭和61年4月1日施行の新年金制度において、「老齢基礎年金の受給資格期間」は老齢厚生年金など老齢又は退職を支給事由とする年金制度全体の受給資格の基本となった。そして、いずれの種別に加入していても通算できることとする一方、全国民の「加入可能期間」を均等化するために、その期間の上限を40年とした。
↓ しかし…
この期間(20歳以上60歳未満の間)の前後を通算することで、初めて受給資格を満たす者もいると考えられることから、保険料拠出を行った被用者年金加入期間であるにもかかわらず保険料納付済期間とならない「20歳前の期間及び60歳以後の期間」は、新法期間においても旧法期間においても合算対象期間として加算できることとした。なお、被用者年金制度の加入期間に対する年金額(2階部分にあたる老齢厚生年金等)の計算においては、年齢を問わず年金額に反映される。
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【制度の趣旨:その2(救済措置)】
旧国民年金法において、a)給与所得者の妻など年金制度への加入が強制されていなかった者、b)任意加入することすら認められていなかった者、また、旧厚生年金保険法において、c)当時の老齢年金に対する受給資格期間不足のため脱退清算してしまった期間を有する者などについての救済措置をとることとした。
↓ そして…
こうした期間を算入することにより、a)~c)の者についても受給資格確保の可能性が高まった。これは、年金制度そのものの加入対象者や支給対象者等に対する考え方が変化したため、旧制度との歪みを解消する措置が必要不可欠となったということを意味する。
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