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一般常識(6)-3

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ちょっとアドバイス

 

□*1 地域別最低賃金と特定最低賃金とが競合する場合であっても、地域別最低賃金において定める最低賃金額については、法4条1項(最低賃金の効力)及び法40条(罰則)の規定の適用があるものとする。

 


具体的には、特定最低賃金以上の賃金が支払われなかったとしても、最低賃金法上の罰則は適用されないが、労働基準法上(賃金の全額払違反)の罰則は適用される
なお、特定最低賃金の適用を受ける労働者に対し、地域別最低賃金に定める金額未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金法上の罰則が適用される

 

 

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3  地域別最低賃金 (法9条~法13条)                   重要度 ●   

 

条文

 


【地域別最低賃金の原則 (法9条)】
1) 賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう)は、あまねく全国各地域について決定されなければならない。


2) 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。(平21択)


3) 前項の労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。(平21択)

 

 

【地域別最低賃金の決定 (法10条1項)】
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域ごとに、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会(以下「最低賃金審議会」という)の調査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定をしなければならない。

 


【設置 (法20条)】
厚生労働省に中央最低賃金審議会を、都道府県労働局に地方最低賃金審議会を置く。

 

 

【地域別最低賃金の改正等 (法12条)】
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金について、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止の決定をしなければならない。

 

 

【派遣中の労働者の地域別最低賃金 (法13条)】
労働者派遣法に規定する派遣中の労働者については、その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額により最低賃金額の規定を適用する。(平21択)

 

 

4  特定最低賃金 (法15条、法16条)                    重要度 ●   

 

条文

 


【特定最低賃金の決定等 (法15条1項)】
労働者又は使用者の全部又は一部を代表する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、当該労働者若しくは使用者に適用される一定の事業若しくは職業に係る最低賃金(以下「特定最低賃金」という)の決定又は当該労働者若しくは使用者に現に適用されている特定最低賃金の改正若しくは廃止の決定をするよう申し出ることができる。

 

 

【特定最低賃金の意義 (法16条)】
前条第2項の規定により決定され、又は改正される特定最低賃金において定める最低賃金額は、当該特定最低賃金の適用を受ける使用者の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額を上回るものでなければならない。

 

 

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5  雑則及び罰則 (法34条、法39条ほか)                重要度 ●   

 

条文

 


【監督機関に対する申告 (法34条)】
1) 労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる

(平21択)


2) 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

【6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 (法39条)】
第34条第2項(監督機関に対する申告に係る不利益取扱いの禁止)の規定に違反した者(平21択)

 

 

【50万円以下の罰金 (法40条)】
第4条第1項(最低賃金の効力)の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る)

 

 

【30万円以下の罰金 (法41条)】

 


a) 第8条(周知義務)の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る)(平21択)

 

 

b) 第29条(報告)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 

 

c) 第32条第1項(労働基準監督官の権限)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

 

 

【両罰規定 (法42条)】
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□労働基準法24条(賃金支払の原則)に違反した場合は、30万円以下の罰金に処せられる(労基法120条)。