社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「労働基準法3-14:清算期間の起算日」
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テキスト本文の開始
□*3 「清算期間の起算日」は、就業規則その他これに準ずるものによって定めることもできる。
□*4 「標準となる1日の労働時間」は、単に労働時間数を定めれば足りる。(平7択)
↓ なお…
年次有給休暇を取得した場合、当該日に「標準となる1日の労働時間」労働したものとして取り扱うこととなる(平9.3.25基発195号)。
□*5 フレックスタイム制を採用する場合には、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を定めなければならないが、法89条において始業及び終業の時刻に関する事項は就業規則に定めることとされており、コアタイム、フレキシブルタイムも始業及び終業の時刻に関する事項であるため、これらの時間帯を設ける場合には、これらについても就業規則に規定しておく必要がある(平11.3.31基発168号)。(平14択)
↓ また…
□フレキシブルタイムが極端に短い場合、コアタイムの開始から終了までの時間と標準となる1日の労働時間がほぼ一致している場合等については、基本的には始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねたこととはならず、フレックスタイム制の趣旨に合致しない(平11.3.31基発168号)。
□派遣労働者を派遣先においてフレックスタイム制の下で労働させる場合には、派遣元の使用者は、次のことを行う必要がある(昭63.1.1基発1号)。(平7択) (平15択)
b) 派遣元事業場において労使協定を締結し、所要の事項について協定すること
c) 労働者派遣契約において、当該労働者をフレックスタイム制の下で労働させることを定めること
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(2) 導入の効果について
◆36協定の範囲
□フレックスタイム制を採用した場合に時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間である。
↓ したがって…
36協定についても、1日について延長することができる時間を協定する必要はなく、清算期間を通算して時間外労働をすることができる時間を協定すればよい(平11.3.31基発168号)。(平11択)
↓ なお…
□使用者は、フレックスタイム制の下であっても、各労働日における労働時間を把握しなければならない。(平17択)
◆貸時間と借時間
□フレックスタイム制の下で、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて過不足が生じた場合において、労働時間及び賃金の清算を次の清算期間に繰り越すことの可否については、次のように解される(昭63.1.1基発1号)。
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b) 清算期間における実際の労働時間に不足があった場合において、総労働時間として定められた時間分の賃金はその期間の賃金支払日に支払うが、それに達しない時間分を次の清算期間中の総労働時間に上積みして労働させることは、法定労働時間の総枠の範囲内である限り、その清算期間においては実際の労働時間に対する賃金よりも多く賃金を支払い、次の清算期間でその分の賃金の過払を清算するものと考えられ、法24条に違反するものではない。
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↓ 具体的には…
清算期間中の総労働時間
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実際の労働時間 |
貸借関係 |
3月の労働時間 |
可否 |
160時間 |
Aさん:165時間 |
超過分5時間を |
【貸時間】 最終的に165時間労働
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× |
Bさん:155時間 |
不足分5時間を |
【借時間】
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○ |
*暦日数31日の月の法定総労働時間の限度:40h×31/7≒177.1h