社労士/雇用保険法7-19 | 初級INPUT講座2011年度向けテキスト

社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「雇用保険法7-19:解散及び清算」

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厚生年金保険法(7)-19

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テキスト本文の開始

 

 

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第7節 解散及び清算

1  解散 (法145条)                                       重要度 ●● 

 

条文

 

(1) 解散 (法145条)

 


1) 基金は、次に掲げる理由により解散する。(平4択)(平20択)

 


イ) 代議員の定数の4分の3以上の多数による代議員会の議決(平11択)

 

ロ) 基金の事業の継続の不能

 

ハ) 厚生労働大臣による解散の命令

 

 

2) 基金は、イ又はロに掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。(平13択)

 

 

(2) 基金の解散による年金たる給付等の支給に関する義務等の消滅 (法146条)

 


基金は、解散したときは、当該基金の加入員であった者に係る年金たる給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を免れる。

 


ただし、解散した日までに支給すべきであった年金たる給付若しくは一時金たる給付でまだ支給していないものの支給又は他の基金への年金給付等積立金(当該老齢年金給付に充てるべき積立金に限る)の移換若しくは脱退一時金相当額の移換、確定拠出年金への脱退一時金相当額の移換若しくは確定給付企業年金法の規定により解散した日までに移換すべきであった年金給付等積立金若しくは脱退一時金相当額でまだ移換していないものの移換に関する義務については、この限りでない(義務は免れない)。(平11択)(平14択)(平21択)

 

 

(3) 過去期間代行給付現価に係る政府の負担 (基金令60条の2) (平22択)

 


1) 過去期間代行給付現価の額に照らし政令で定めるところにより算定した額は、過去期間代行給付現価の額(以下「過去期間代行給付現価の額」という)に2分の1を乗じて得た額とする。

 

2) 政府が負担することが適当であるものとして政令で定めるところにより算定した額は、前項の規定により算定した額から責任準備金相当額を控除した額に5分の1を乗じて得た額とする。ただし、責任準備金相当額が過去期間代行給付現価の額に4分の1を乗じて得た額を下回るときは、同項の規定により算定した額から責任準備金相当額を控除した額とする。

 

3) 政府は、基金の申請に基づき、前項の規定により算定した額を、当該額の計算の基礎となった日の属する事業年度の翌事業年度に、当該基金に交付する。

 

 

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2  清算 (法146条の2~法148条)                         重要度 ●   

 

条文

 

(1) 清算中の基金の能力 (法146条の2)

 


解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

 

 

(2) 清算人等 (法147条)

 


1) 基金が第145条第1項イ又はロの規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、代議員会において他人を選任したときは、この限りでない。

 

2) 次に掲げる場合には、厚生労働大臣が清算人を選任する。

 


a) 前項の規定により清算人となる者がないとき。

 

b) 基金が第145条第1項ハの規定により解散したとき。

 

c) 清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるとき。

 

 

3) 前項の場合において、清算人の職務の執行に要する費用は、基金が負担する。

 

4) 解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っていた者に分配しなければならない。

 

5) 前項の規定により残余財産を分配する場合においては、同項に規定する者に、その全額を支払うものとし、当該残余財産を事業主に引き渡してはならない。(平14択)

 

 

(3) 清算人の職務及び権限 (法147条の2)

 


1) 清算人の職務は、a)現務の結了、b)債権の取立て及び債務の弁済、c)残余財産の分配とする。

 

2) 清算人は、a)~c)の職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

 

 

(4) 債権の申出の催告等 (法147条の3)

 


1) 清算人は、その就職の日から2箇月以内に、少なくとも3回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。

 

2) 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。

 

 

(5) 清算に係る報告の徴収等 (法148条1項)

 


厚生労働大臣は、解散した基金について必要があると認めるときは、その清算事務の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして当該基金の事務所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。

 

 

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第8節 企業年金連合会

1  連合会の設立等 (法149条~法152条)                   重要度 ●   

 

条文

 

(1) 連合会の設立 (法149条)

 


1) 基金は、中途脱退者及び解散した基金が老齢年金給付の支給に関する義務を負っていた者(以下「解散基金加入員」という)に係る老齢年金給付の支給を共同して行うとともに、基金、確定給付企業年金又は確定拠出年金への年金給付等積立金の移換を円滑に行うため、企業年金連合会(以下「連合会」という)を設立することができる。(平15選)

 

2) 連合会は、全国を通じて1個とする。

 

 

(2) 法人格及び名称 (法150条、法151条)

 


a) 連合会は、法人とする。

 

b) 連合会は、その名称中に企業年金連合会という文字を用いなければならない。

 

c) 連合会でない者は、企業年金連合会という名称を用いてはならない。

 

 

(3) 設立の認可等 (法152条)

 


1) 連合会を設立しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
(平13択)

 

2) 認可の申請は、5以上の基金が共同して規約をつくり、基金の3分の2以上の同意を得て行なうものとする。(平13択)

 

3) 連合会は、設立の認可を受けた時に成立する。

 

4) 厚生労働大臣は、基金の行なう事業の健全な発展を図るために必要があると認めるときは、基金に対し、連合会に加入することを命ずることができる。(平13択)

 

 

2  評議員会及び役員 (法155条~法158条)                 重要度 ●   

 

条文

 

(1) 評議員会 (法155条)

 


1) 連合会に、評議員会を置く。

 

2) 評議員会は、評議員をもって組織する。

 

3) 評議員は、会員の代表者において互選する。

 

4) 評議員の任期は、2年とする。ただし、補欠の評議員の任期は、前任者の残任期間とする。

 

5) 評議員会は、理事長が招集する。評議員の定数の3分の1以上の者が会議に付議すべき事項及び招集の理由を記載した書面を理事長に提出して評議員会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあった日から20日以内に評議員会を招集しなければならない。

 

6) 評議員会に議長を置く。議長は、理事長をもって充てる。

 

 

 

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(2) 評議員会の議決 (法156条)

 


1) 規約の変更毎事業年度の予算毎事業年度の事業報告及び決算、その他規約で定める事項は、評議員会の議決を経なければならない。

 

2) 理事長は、評議員会が成立しないとき、又は理事長において評議員会を招集する暇がないと認めるときは、評議員会の議決を経なければならない事項で臨時急施を要するものを処分することができる。

 

3) 理事長は、前項の規定による処置については、次の評議員会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。

 

4) 評議員会は、監事に対し、連合会の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。

 

 

(3) 役員 (法157条)

 


1) 連合会に、役員として理事及び監事を置く。

 

2) 理事及び監事は、評議員において互選する。ただし、特別の事情があるときは、評議員以外の者のうちから評議員会で選任することを妨げない。

 

3) 理事のうち1人を理事長とし、理事において互選する。

 

4) 役員の任期は、2年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

 

5) 役員は、その任期が満了しても、後任の役員が就任するまでの間は、なお、その職務を行なう。

 

6) 監事は、理事又は連合会の職員と兼ねることができない。

 

 

(4) 役員の職務等 (法158条)

 


1) 理事長は、連合会を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事長のあらかじめ指定する理事がその職務を代理し、又はその職務を行なう。

 

2) 連合会の業務は、規約に別段の定めのある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。

 

3) 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、年金給付等積立金の管理及び運用に関する連合会の業務を執行することができる。

 

4) 監事は、連合会の業務を監査する。

 

5) 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は評議員会に意見を提出することができる。

 

 

(5) 会員の資格 (法158条の5)

 


連合会の会員たる資格を有する者は、次の者とする。
a) 基金
b) a)の者以外の者であって、確定給付企業年金(確定給付企業年金法に規定する確定給付企業年金をいう)その他政令で定める年金制度を実施するものとして規約で定めるもの

 

 

3  連合会の行う業務 (法159条~法163条の4)             重要度 ●   

 

条文

 

(1) 連合会の業務 (法159条)

 


1) 連合会は、老齢年金給付の支給に関する義務を承継している中途脱退者及び解散基金加入員に対し老齢年金給付の支給を行うほか、一時金たる給付の支給を行うものとする。

 

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2) 連合会は、前項に規定する業務のほか、残余財産の交付を受け、解散基金加入員について、死亡又は障害を支給理由とする年金たる給付又は一時金たる給付を行うことができる。

 

3) 連合会は、第165条第1項(連合会から基金への権利義務の移転)、第165条の2第1項(連合会から確定給付企業年金への年金給付等積立金の移換)又は第165条の3第1項(連合会から確定拠出年金への年金給付等積立金の移換)の規定による申出に基づき、基金、確定給付企業年金の資産管理運用機関等(確定給付企業年金法に規定する資産管理運用機関等をいう)又は企業型年金の資産管理機関若しくは国民年金基金連合会に年金給付等積立金を移換することができる。

 

4) 連合会は、次の事業を行うことができる。ただし、a)に掲げる事業を行う場合には、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 


a) 解散基金加入員に支給する老齢年金給付につき一定額が確保されるよう、基金の拠出金等を原資として、老齢年金給付の額を付加する事業

 

b) 会員の行う事業の健全な発展を図るために必要な事業であって政令で定めるもの

 

 

5) 連合会は、基金の加入員及び加入員であった者並びに年金制度の加入者及び加入者であった者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。

 

6) 連合会は、第130条第5項(基金の業務)の規定による委託を受けて、基金の業務の一部を行うことができる。

 

7) 連合会は、その業務の一部を、政令で定めるところにより、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会その他の法人に委託することができる。

 

 

(2) 年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関する契約 (法159条の2)

 


1) 連合会は、年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関して、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社若しくは農業協同組合連合会信託保険若しくは共済の契約を締結し、又は金融商品取引業者投資一任契約を締結するときは、政令で定めるところによらなければならない。

 

2) 連合会は、前項に規定する投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る年金給付等積立金について、政令の定めるところにより、信託会社又は信託業務を営む金融機関と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない。

 

3) 信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、前2項に規定する契約の締結を拒絶してはならない。

 

 

(3) 中途脱退者に係る措置 (法160条)

 


1) 基金は、政令で定めるところにより、連合会に申し出て、中途脱退者の当該基金の加入員であった期間に係る老齢年金給付の支給に関する義務を移転することができる。
(平5択)(平8択)(平12択)(平14択)

 

2) 連合会は、前項の規定により義務の移転の申出があったときは、これを拒絶してはならない。(平12択)

 

3) 第1項の規定により義務の移転を行なう場合には、基金は、連合会に対し、当該中途脱退者の加入員であった期間に係る老齢年金給付の現価に相当する金額(以下「現価相当額」という)を交付しなければならない。(平14択)

 

4) 前項の規定により交付すべき現価相当額の計算については、政令で定める。

 

5) 連合会は、第3項の規定により現価相当額の交付を受けたときは、当該老齢年金給付の支給に関する義務を承継するものとする。

 

6) 連合会は、前項の規定により中途脱退者に係る老齢年金給付の支給に関する義務を承継したときは、その旨を当該中途脱退者に通知しなければならない。

 

7) 連合会は、中途脱退者の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、同項の通知に代えて、その通知すべき事項を公告しなければならない。

 

 

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(4) 解散基金加入員に係る措置 (法161条)

 


1) 連合会は、基金が解散したときは、解散基金加入員に係る責任準備金に相当する額を当該解散した基金から徴収する。

 

2) 解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を取得したとき又は基金が解散した日において当該基金に係る解散基金加入員が老齢厚生年金の受給権を有していたときは、連合会は、当該解散基金加入員に老齢年金給付を支給するものとする。

 

 

(5) 裁定 (法163条)

 


連合会が支給する年金たる給付及び一時金たる給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、連合会裁定する。

 

 

(6) 第1号改定者等の標準報酬の改定に伴う老齢年金給付の支給に関する権利義務の変更 (法163条の4)

 


1) 連合会は、標準報酬改定請求又は3号分割標準報酬改定請求の規定により標準報酬の改定が行われたときは、第160条第5項の規定により老齢年金給付の支給に関する義務を承継している中途脱退者又は解散基金加入員であって当該改定に係る第1号改定者又は特定被保険者である者の老齢年金給付の支給に関する義務の一部(第85条の3の規定により政府が徴収する額に相当する老齢年金給付の支給に関する義務に限る)を免れる。

 

2) 連合会は、前項の規定により老齢年金給付の支給に関する義務の一部を免れるときは、その旨を第1号改定者又は特定被保険者に通知しなければならない。

 

3) 連合会は、第1号改定者又は特定被保険者の所在が明らかでないため前項の通知をすることができないときは、当該通知すべき事項を公告しなければならない。