社労士/雇用保険法7-15 | 初級INPUT講座2011年度向けテキスト

社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「雇用保険法7-15:基金の業務」

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厚生年金保険法(7)-15

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テキスト本文の開始

 

 

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第3節  基金の行う業務等

1  基金の業務 (法130条)                               重要度 ●●●

 

条文

 


1) 基金は、第106条の目的を達成するため、加入員又は加入員であった者の老齢に関し、年金たる給付(以下「老齢年金給付」という)の支給を行うものとする。(平3記)

 

2) 基金は、政令で定めるところにより、加入員の脱退に関し、一時金たる給付の支給を行うものとする。(平1択)(平2択)(平8択)(平3記)

 

3) 基金は、政令で定めるところにより、加入員若しくは加入員であった者の死亡又は障害に関し、年金たる給付又は一時金たる給付の支給を行うことができる。
(平1択)(平2択)(平8択)(平14択)

 

4) 基金は、加入員及び加入員であった者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。(平2択)(平3記)

 

5) 基金は、その業務の一部を、政令で定めるところにより、信託会社(信託業法の免許を受けたものに限る)、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法に規定する事業のうち生命共済の事業を行うものに限る)、企業年金連合会その他の法人に委託することができる。(平2択)(平6択)(平20択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□第1項及び第2項を「法定業務」、第3項及び第4項を「任意業務」という。

 

□規約において支給することを定めている場合において、年金として支給する遺族給付金及び障害給付金は、終身又は5年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない(基金令26条5項、基金令26条の3第3項)。(平16択)

 

↓ また…

 

□遺族給付金の「遺族の範囲」は、次の親族のうち、規約で定めるものとする(基金令26条5項)。(平17択)

 


a) 配偶者(給付対象者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)

 

b) 子(給付対象者の死亡の当時胎児であった子が出生したときを含む)、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

 

c) a)又はb)に掲げる者のほか、給付対象者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたその他の親族

 

 

advance

 

◆年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関する契約 (法130条の2)

 


1) 基金は、年金たる給付及び一時金たる給付に要する費用に関して、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社若しくは農業協同組合連合会と信託、保険若しくは共済の契約を締結し、又は金融商品取引業者と投資一任契約を締結するときは、政令で定めるところによらなければならない。(平22択)

 

2) 基金は、前項に規定する投資一任契約を締結する場合においては、当該投資一任契約に係る年金給付等積立金年金たる給付及び一時金たる給付に充てるべき積立金をいう)について、政令の定めるところにより、信託会社又は信託業務を営む金融機関と運用方法を特定する信託の契約を締結しなければならない。

 

3) 信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、前2項に規定する契約の締結を拒絶してはならない。

 

 

 

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2  老齢年金給付の基準-1 (支給開始・法131条)             重要度 ●  

 

条文

 


1) 基金が支給する老齢年金給付は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が次のいずれかに該当する場合に、その者に支給するものでなければならない。

 


イ) 加入員又は加入員であった者が老齢厚生年金の受給権を取得したとき。ただし、加入員がその資格を取得した月に当該老齢厚生年金の受給権を取得したときを除く。(平2択)

 

 

ロ) 老齢厚生年金の受給権者で当該老齢厚生年金の受給権を取得した月以後の月に加入員の資格を取得したものであって、その年金の額が第43条第3項(退職時改定)の規定により改定されたとき。ただし、加入員の資格を取得した月又はその翌月から改定されたときを除く。

 

 

2) 前項の規定にかかわらず、第44条の3第1項(老齢厚生年金の支給繰下げ)の規定による申出をした者に基金が支給する老齢年金給付については、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が次のいずれかに該当する場合に、その者に支給するものでなければならない。

 


イ) 当該申出をしたとき(当該老齢厚生年金の受給権を取得した月前に加入員であった期間を有するとき、又は当該老齢厚生年金の受給権を取得した月以後の月に加入員の資格を取得し、当該申出の月までにその年金の額が退職時改定により改定されたときに限る)。

 

 

ロ) 当該申出をした者で当該老齢厚生年金の受給権を取得した月以後の月に加入員の資格を取得したものであって、その年金の額が当該申出の月の翌月以降に退職時改定により改定されたとき。ただし、加入員の資格を取得した月又はその翌月から改定されたときを除く。

 

 

3) 老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付は、老齢厚生年金の受給権の消滅理由以外の理由によって、その受給権を消滅させるものであってはならない*1。
(平1択)(平6択)(平15択)(平20択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「60歳台前半の老齢厚生年金」の受給権者に基金が支給する老齢年金給付は、当該老齢厚生年金の受給権の消滅理由(当該老齢厚生年金の受給権者が65歳に達したときを除く)以外の理由によって、その受給権を消滅させるものであってはならない(法附則13条1項)。
(平1択)

 

 

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3  老齢年金給付の基準-2 (支給額・法132条)               重要度 ●   

 

条文

 


1) 基金が支給する老齢年金給付は、政令の定めるところにより、加入員の標準給与*1及び加入員であった期間に基づいてその額が算定されるものでなければならない。(平1択)

 

2) 基金が支給する老齢年金給付であって、老齢厚生年金の受給権者に支給するものの額は、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となった被保険者であった期間のうち同時に当該基金の加入員であった期間(以下「加入員たる被保険者であった期間」という)の平均標準報酬額*2の1,000分の5.481に相当する額に加入員たる被保険者であった期間に係る被保険者期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならない。(平2択)(平14択)

 

 

ここをチェック

 

(1)*1 標準給与 (法129条)

 


1)「標準給与」とは、厚生年金保険における標準報酬に相当するものであり、基金は、加入員の給与の額に基づき、標準給与を定めなければならない。

 

2) 基金は、加入員が当該基金の設立事業所以外の適用事業所に同時に使用される者であるときは、その者が当該基金の設立事業所以外の適用事業所で受ける給与の額を標準給与の基礎となる給与の額に算入しなければならない

 

 

(2) 給与の範囲 (基金令16条)

 


標準給与の基礎となる給与の範囲は、次に掲げる標準給与の区分に応じ、当該定める範囲に一致するものでなければならない。ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(平18択)

 


a) 報酬標準給与:法3条1項ハに規定する報酬の範囲

 

b) 賞与標準給与:法3条1項ニに規定する賞与の範囲

 

 

□「給与の額の算定方法並びに標準給与の決定及び改定」の方法については、法21条(定時決定)から法25条(現物給与の価額)までの規定の例による。ただし、厚生労働大臣の承認を受けて、報酬及び賞与の範囲に含まれない労働の対償の全部又は一部を標準給与の基礎となる給与の範囲に含ませた基金は、標準給与の決定及び改定につき別段の定めをすることができる(基金令18条)。(平18択)

 

□*2「平均標準報酬額」とは、加入員たる被保険者であった期間の各月の標準報酬月額(従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあっては、従前標準報酬月額)と標準賞与額の総額を、当該加入員たる被保険者であった期間の月数で除して得た額をいう(再評価率は乗じられない)。