社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労災保険法5-17:民事損害賠償における調整」
---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----
テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。
テキスト本文の開始
2 事業主による民事損害賠償-1 (保険給付側・法附則64条2項)
重要度●●●
◆原則的な位置づけ
□基本的な考え方
イ) 治療費に対する「療養補償」は、100%てん補である。
*つまり、被災労働者に自己負担なし。
ロ) 逸失利益に対する「休業補償等」は、一部てん補であって100%補償ではない。
ハ) 「企業内災害補償等」とは、法定外の積極的な(任意の)補償である。
↓ このとき…
仮に、事業主に過失責任のある事故であっても、一般的には、イ、ロともに労災保険法の保険給付を利用しつつ、てん補されない部分については会社の企業内災害補償制度等で償うこととなる。
-----------------(100ページ目ここから)------------------
↓ ところが…
□事業主が、保険給付によりてん補される部分を含めて補償したとするならば、二重の補償が行われることとなり、その調整を図る必要性が生ずる。
↓ そこで…
「労災保険給付における調整」が行われる。→法附則64条2項
↓ また…
□最低保障期間の明確な保険事故(具体的には、前払一時金制度のある年金給付が支払われる保険事故)に関しては、あらかじめ損害賠償に関する「履行の猶予」を認めておき、事業主の負担軽減と過度の補償が行われないようにするための調整規定が置かれている。
↓ これを…
「民事損害賠償における調整」という。→法附則64条1項