(2010年度版)社労士初級インプット講座/労働基準法8-21

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法8-21:罰則 」

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労働基準法(8)-21

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

7  時効 (法115条)                                 重要度   

 

条文/社労士テキスト5

 

この法律の規定による賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権*1は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。(平13択)(平6記)(平11記)

 

ここをチェック/社労士テキスト7

 

□*1 「その他の請求権」には、退職時等の証明書請求権、休業手当請求権、年休権の行使、年次有給休暇の賃金請求権、帰郷旅費請求権等が含まれる。(平2択)


↓ なお…

□年次有給休暇が発生した年度内にその権利を行使しなかった日数については、翌年度に限り、当該日数分が繰り越される。(平6択)

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第2節  罰則

 

1  罰則 (法117条~法120条)                        重要度   

 

ちょっとアドバイス/社労士テキスト1

 

◆罰則規定のまとめ(法119条及び120条は一部省略)


処罰内容

 

 

違反行為(条数は労働基準法)


□1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金(法117条) (平10択)

 

 

5条(強制労働の禁止)。


□1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(法118条)

 

6条(中間搾取の排除)、56条(最低年齢)、63条(年少者の坑内労働の禁止)、64条の2(妊産婦等の坑内業務の就業制限)、70条に基づく厚生労働省令(職業訓練に関する特例のうち年少者・女性の坑内労働の禁止)

 


□6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金(法119条)

 

3条(均等待遇)、4条(男女同一賃金の原則)、7条(公民権行使の保障)、16条(賠償予定)、18条1項(強制貯金)、19条(解雇制限)、20条(解雇予告)、22条4項(就業妨害)、32条(労働時間)、34条(休憩)、35条(休日)、36条1項但し書(労働時間延長の制限)、37条(割増賃金)、40条に基づく厚生労働省令(労働時間の特例)、39条(年次有給休暇)、61条・62条(年少者)、64条の3~67条(妊産婦等)、75条等(災害補償)etc.

 


□30万円以下の罰金(法120条) (平7択)(平10択)

 

14条1項(契約期間)、15条1項(労働条件の明示)・3項(帰郷旅費)、23条(金品の返還)、24条~27条(賃金等)、32条の2第2項(1箇月変形の労使協定)、89条(就業規則の作成)、90条1項(手続)、91条(制裁規定の制限)、106条~109条(雑則)etc.

 

       

↓ なお…


□法117条から法121の規定は、刑法9条にいう「刑」である。


↓ したがって…


犯罪の成立について刑法の一般原則によると同時に、科刑に当たっても刑法の一般原則が適用される。(平10択)

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2  両罰規定 (法121条)                             重要度   

 

条文/社労士テキスト5

 

1) この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、その代表者)を事業主とする。次項において同じ)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない。(平16択)(平20択)


2) 事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかった場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかった場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する*1。(平10択)(平17択)

 

ここをチェック/社労士テキスト7

 

□*1 「行為者として罰する」とは、違反の実行者ではないが、行為者に科する罰則を同じく適用するという意味であり、罰金刑のみならず「懲役刑」が科せられることもある。