(2010年度版)社労士初級インプット講座/厚生年金保険法6-3

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「厚生年金保険法6-3:年金額の改定等」

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厚生年金保険法(6)-3

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

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第8節 年金額の改定等

 

1 再評価率の改定等-1 (原則・法43条の2)       重要度 ● 

 

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◆年金額改定制度の変遷

 

□厚生年金保険法の年金給付は、原則として、報酬比例制であり、その報酬比例額の算定の基礎となるのが“平均標準報酬額”であるが、厚生年金保険法における従来の改定方法は、2通りの仕組みが併用されていた。

 

↓ 具体的には…

 

a) 5年に一度の財政再計算年度における「再評価率表」の見直し。(「賃金スライド制」とも呼ばれ、受給者の支給基準となる月額単価(平均標準報酬月額)が“5年ごと”に見直されていた)

 

b) 毎年度における「完全自動物価スライド制」による年金総額の微調整。(物価の変動にあわせて“毎年4月”に見直されていた)

 

↓ しかし…

 

□平均標準報酬額の適正評価(現在価値への置き換え)に用いられる基準(再評価率)について、国民年金法による「改定率」の改定基準と連動するのが妥当であるという考えから、平成16年改正により「再評価率」の改定の基準は、「改定率」の改定の基準とほぼ共通のものとなった。

 

◆原則規定 (1項)

 

条文

 

再評価率については、毎年度、物価変動率*1に3年度前の実質賃金変動率及び3年度前の可処分所得割合変化率を乗じて得た率(以下「名目手取り賃金変動率」という)を基準として改定し、当該年度の4月以降の保険給付について適用する。(平18選)

 


【再評価率の改定基準】=名目手取り賃金変動率(前年の物価変動率×3年度前の実質賃金変動率×3年度前の可処分所得割合変化率)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 「物価変動率」とは、当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数をいう)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率をいう。

 

 

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advance

 

◆改定基準<その1> (2項)

 

□次に掲げる再評価率の改定については、それぞれ右欄に定める率を基準とする。

 


イ) 当該年度の前年度に属する月の標準報酬月額と標準賞与額(前年度の標準報酬月額等」)に係る再評価率

 

 

「可処分所得割合変化率」

 

ロ) 当該年度の前々年度又は当該年度の初日の属する年の3年前の年の4月1日の属する年度に属する月の標準報酬月額と標準賞与額(前々年度等の標準報酬月額等)に係る再評価率

 

 

物価変動率×可処分所得割合変化率

 

◆改定基準<その2> (3項)

 


□名目手取り賃金変動率が1を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合における再評価率の改定については、「物価変動率」を基準とする。ただし、物価変動率が1を上回る場合は、1を基準とする。

 

 

↓ 具体的には…

 

□再評価率の改定は、原則として、「名目手取り賃金変動率」を基準として改定する。

 

↓ ただし…

 

□“名目手取り賃金変動率”が下落した場合であって、“物価変動率”が、a)上昇したときは「改定なし」、b)下落した場合で、その下落幅が賃金下落幅よりも大きいときは「名目手取り賃金変動率」優先、c)下落した場合で、その下落幅が賃金下落幅よりも小さいときは、「物価変動率」優先となる。