(2010年度版)社労士初級インプット講座/厚生年金保険法4-14

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「厚生年金保険法4-14 :障害の程度が変わった場合の年金額の改定」

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厚生年金保険法(4)-14

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

 

9 障害の程度が変わった場合の年金額の改定 (法52条)
重要度 ●● 

 

条文

 

1) 厚生労働大臣は、障害厚生年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、その程度に応じて、障害厚生年金の額を改定することができる*1。(平19択)

 

2) 障害厚生年金の受給権者は、厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができる。

 

3) 受給権者からの改定の請求は、障害厚生年金の受給権を取得した日又は厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して「1年を経過した日後」でなければ行うことができない。(平4択)(平10択)(平13択)(平16択)(平21択)

 

4) 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く)の受給権者であって、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る傷病の初診日後に初診日があるものに限る)に係る当該初診日において被保険者であったものが、当該傷病により障害(障害等級1級又は2級に該当しない程度のものに限る、「その他障害」という)の状態にあり、かつ、「当該傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日まで」の間において、当該障害厚生年金の支給事由となった障害とその他障害(その他障害が2以上ある場合は、すべてのその他障害を併合した障害)とを併合した障害の程度が当該障害厚生年金の支給事由となった障害の程度より増進したときは、その者は、厚生労働大臣に対し、その期間内に障害厚生年金の額の改定を請求することができる。<その他障害による額の併合改定>(平6択)(平14択)

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5) 第47条第1項ただし書(保険料納付要件)の規定は、その他障害の場合に準用する。

 

ここをチェック

 

□*1 厚生労働大臣により障害厚生年金の額が改定されたときは、改定後の額による障害厚生年金の支給は、改定が行われた月の翌月から始めるものとする(6項)。
(平6択)

 

↓ なお…

 

□厚生労働大臣による額の改定(1項)、受給権者からの改定請求による改定(2項)の規定は、「65歳以上の者」であって、かつ、当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく「障害基礎年金の受給権を有しない」障害厚生年金の受給権者については、適用しない (7項)。(平1択)(平6択)(平16択)

 

↓ つまり…

 


□これまでに障害等級1級又は2級に該当したことのない障害厚生年金3級の受給権者については、65歳以後に障害の程度が増進したとしても、年金額の改定は行われない。

 

□反対に、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が、その後3級の障害状態となり、65歳以降に再び障害の程度が増進したときは、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金が支給される。

 

 

□「支給繰上げの老齢基礎年金」又は「支給繰上げの老齢厚生年金」の受給権者は、「その他障害」による障害厚生年金の額の改定を請求することができない(法附則16条の3第1項)。

 

 

10 障害基礎年金との併合による年金額の改定 (法52条の2)
重要度 ● 

 

条文

 

1) 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く)の受給権者が、国民年金法による障害基礎年金(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く)の受給権を有するに至ったときは、当該障害厚生年金の支給事由となった障害と当該障害基礎年金の支給事由となった障害とを併合した障害の程度に応じて、当該障害厚生年金の額を改定する。

 

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2) 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く)の受給権者が、国民年金法による障害基礎年金の受給権を有する場合において、国民年金法第34条第4項及び第36条第2項ただし書(その他障害が生じたことによる障害基礎年金の額の改定及び障害基礎年金の支給停止の解除*1)の規定により併合された障害の程度が当該障害基礎年金の支給事由となった障害の程度より増進したときは、これらの規定により併合された障害の程度に応じて、当該障害厚生年金の額を改定する。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 「支給繰上げの老齢基礎年金」又は「支給繰上げの老齢厚生年金」の受給権者は、「その他障害」による障害厚生年金の額の改定を請求することができない(法附則16条の3第1項)。