(2010年度版)社労士初級インプット講座/健康保険法1-10

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「健康保険法1-10:擬制任意適用」

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健康保険法(1)-10

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

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◆擬制任意適用 (法32条)
(平1択)(平5択)(平7択)(平9択)(平15択)(平17択)

 


□強制適用事業所が、適用事業所に該当しなくなったときは、その事業所について任意適用の認可があったものとみなす。

 

 

↓ この場合…

 

□その事業所に使用される被保険者は、引き続きその資格を有することとなる(資格の得喪は生じない)。

 

◆取消申請 (法33条)

 

条文

 

1) 任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所でなくすることができる。(平4択)(平8択)(平15択)

 

2) 前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者である者に限る)の「4分の3」以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。
(平4択)(平5択)(平8択)(平15択)(平17択)(平21択)

 

ちょっとアドバイス

 

□任意適用取消の認可があったときは、取消申請に同意しなかった者も含めてすべての被保険者が認可のあった日の翌日に健康保険の被保険者でなくなる。
(平5択)(平11択)

 

□被保険者の4分の3以上の希望がある場合であっても、事業主は、任意適用取消の認可申請をする義務はない。(平12択)

 

◆適用事業所の一括 (法34条)

 


□2以上の適用事業所の事業主が同一である場合には、当該事業主は、厚生労働大臣の承認を受けて、当該2以上の事業所を一の適用事業所とすることができる(1項)。

 

□前項の承認があったときは、当該2以上の適用事業所は、適用事業所でなくなったものとみなす(2項)。(平17択)

 

↓ この場合…

 

□事業全体を一の適用事業所とみなす。

 

 

 

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3 当然被保険者 (法3条1項ほか)           重要度 ●●●

 

条文

 

この法律において「当然被保険者」とは、適用事業所に使用される者であって、適用除外に該当しないものをいう。(平8択)

 

ここをチェック

 

◆具体的な取扱い

 

□日本国籍を有しない者であっても、適用事業所に使用される者は被保険者となる。
(平3択)(平9択)(平14択)(平18択)

 

□派遣労働者は、派遣元事業所に使用される者であるから、派遣元事業所において被保険者となる。(平12択)

 

□個人事業主は、適用事業所に“使用される者”ではないから、被保険者とならない。
(平2択)(平5択)(平10択)(平14択)

 

◆通達による判断基準

 


□同一の事業所において雇用契約上いったん退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合(定年退職者の再雇用制度等)は、退職金の支払の有無、身分関係又は職務内容の変更の有無に関わらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の資格も継続する。

 

↓ ただし…

 

□“特別支給の老齢厚生年金”の受給権者である被保険者については、使用関係がいったん中断したものとみなし、事業主から被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出させる取扱いとして差し支えない(平8.4.8保文発269号・庁文発1431号)。
(平2択)(平18択)

 

□日本にある外国公館(大使館)に勤務している者は、強制適用の対象とならないが、当該外国公館が事業主として健康保険法及び厚生年金保険法の規定に基づく任意適用の認可を申請したときは、保険料の納付、資格得喪届の提出等当該法令の事業主としての諸義務を遵守する旨の覚書が取り交わされることを条件として、これを認可し、その使用する日本人職員等に両法を適用して被保険者として取り扱う(昭30.7.25省発保123の2号)。(平12択)(平15択)

 

□法人の理事、監事、取締役、代表社員、無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であっても、法人から、労働の対償として報酬を受けている者は、その法人に使用される者として被保険者の資格を取得する(昭24.7.28保発74号)。
(平9択)(平14択)(平17択)

 

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□営業の譲渡、会社の合併等によって事業主が交替した場合であっても、旧事業主に解雇されなければ、新事業主にそのまま使用されることとなるため、被保険者資格の取得及び喪失の届出は不要である(昭3.5.19保理1370号)。(平10択)

 

□実質上の使用関係がないにもかかわらず、偽って資格を取得し、保険給付を受けた場合は、違法行為として、さかのぼってその資格を取消し、それまで受けた保険給付に要した費用は、これを返還させる(昭26.12.3保文発5255号)。(平2択)

 

□被保険者が、その使用される事業所の労働組合の専従役職員となりその職務に従事するときは、従前の事業主との関係については被保険者資格を喪失し、労働組合に使用される者として被保険者となる(昭24.7.7職発921号)。(平5択)

 

□いわゆるパート就労者に対する被保険者資格の適用基準は、原則として、同一の適用事業所に勤務する通常の労働者と比較して、「1日又は1週間の所定労働時間数」及び「1月の所定労働日数」が、おおむね4分の3以上である場合である(昭55.6.6厚生省保険局保険課長、社会保険庁医療保険部健康保険課長他による取扱機関に対する周知文章)。

 

□工場の休業にかかわらず、事業主が休業手当を支給する期間中は被保険者資格を継続させる(昭25.4.14保発20号)。

 

□卒業後就職予定先の事業所で職業実習を行う者は、事実上の就職と解されれば被保険者となる(昭16.12.22社発1580号)。