(2010年度版)社労士初級インプット講座/一般常識6-21

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「一般常識6-21:個別労働関係紛争解決促進法」

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一般常識(6)-21

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

 

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第4節  個別労働関係紛争解決促進法

1  目的 (法1条~法3条)                            重要度 ●   

 

条文

 

この法律は、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働者の募集及び採用に関する事項についての個々の求職者と事業主との間の紛争を含む、以下「個別労働関係紛争」という)について、あっせんの制度を設けること等により、その実情に即した迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする。(平14択)(平18択)

 

ちょっとアドバイス

 

□男女雇用機会均等法16条、育児介護休業法52条の3における労働者と事業主との間の紛争及びパートタイム労働法20条における短時間労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争解決促進法の規定は適用されず、それぞれ、「男女雇用機会均等法」、「育児介護休業法」及び「パートタイム労働法」が適用される。

 

◆紛争の自主的解決 (法2条)

 


□個別労働関係紛争が生じたときは、当該個別労働関係紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならない。

 

 

◆労働者、事業主等に対する情報提供等 (法3条)

 


□都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対し、労働関係に関する事項並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての情報の提供、相談その他の援助を行うものとする。

 

 

2  助言及び指導 (法4条)                           重要度 ●   

 

◆当事者に対する助言及び指導 (法4条)

 


□都道府県労働局長は、個別労働関係紛争*1に関し、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該個別労働関係紛争の当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができる(1項)。

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□都道府県労働局長は、前項に規定する助言又は指導をするため必要があると認めるときは、広く産業社会の実情に通じ、かつ、労働問題に関し専門的知識を有する者の意見を聴くものとする(2項)。

 

□事業主は、労働者が援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(3項)。

 

 

advance

 

□*1 この場合の「個別労働関係紛争」からは、労働関係調整法6条に規定する労働争議に当たる紛争及び特定独立行政法人等の労働関係に関する法律26条1項に規定する紛争は除かれる。

 

↓ また…

 

□「都道府県労働局長による勧告」の規定はない。

 

3  あっせん (法5条ほか)                           重要度 ●   

 

◆あっせんの委任 (法5条)

 


□都道府県労働局長は、個別労働関係紛争*1について、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において当該個別労働関係紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとする(1項)。

 

□事業主は、労働者があっせんの申請をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(2項)。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 この場合の「個別労働関係紛争」からは、労働者の「募集及び採用」に関する事項についての紛争は除かれる。(平16択)

 

◆委員会の設置 (法6条)

 


□法5条1項のあっせんを行う機関として、都道府県労働局に、紛争調整委員会(以下「委員会」という)を置く。

 

 

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◆委員会の組織 (法7条)

 


□委員会は、3人以上政令で定める人数以内の委員をもって組織する(1項)。

 

□委員は、学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する(2項)。

 

□委員会に会長を置き、委員の互選により選任する(3項)。

 

 

◆あっせん (法12条、法13条)

 


□委員会によるあっせんは、委員のうちから会長が事件ごとに指名する3人のあっせん委員によって行う。

 

□あっせん委員は、紛争当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即して事件が解決されるように努めなければならない。

 

 

□あっせん委員は、紛争当事者から意見を聴取するほか、必要に応じ、参考人から意見を聴取し、又はこれらの者から意見書の提出を求め、事件の解決に必要なあっせん案を作成し、これを紛争当事者に提示することができる。

 

□あっせん案の作成は、あっせん委員の全員一致をもって行うものとする。

 

 

◆あっせんの打ち切り (法15条)

 


□あっせん委員は、あっせんに係る紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。

 

↓ なお…

 

□あっせんが打ち切られた場合において、当該あっせんの申請をした者がその旨の通知を受けた日から30日以内にあっせんの目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、あっせんの申請の時に、訴えの提起があったものとみなす(法16条)。

 

 

◆地方公共団体の施策等 (法20条)

 


□地方公共団体は、国の施策と相まって、当該地域の実情に応じ、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対する情報の提供、相談、あっせんその他の必要な施策を推進するように努めるものとする(1項)。

 

□国は、地方公共団体が実施する施策を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする(2項)。

 

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第5節  裁判外紛争解決手続の利用促進法

1  総則 (法1条~法5条)                            重要度 ●   

 

◆目的 (法1条)

 


□この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、裁判外紛争解決手続*1が、第三者の専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決を図る手続として重要なものとなっていることにかんがみ、裁判外紛争解決手続についての基本理念及び国等の責務を定めるとともに、民間紛争解決手続の業務に関し、認証の制度を設け、併せて時効の中断等に係る特例を定めてその利便の向上を図ること等により、紛争の当事者がその解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にし、もって国民の権利利益の適切な実現に資することを目的とする。

 

 

↓ なお…

 

□*1 「裁判外紛争解決手続」とは、訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続をいう。

 

◆定義 (法2条)

 

□この法律において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該定めるところによる。


イ) 民間紛争解決手続

 

□民間事業者が、紛争の当事者が和解をすることができる民事上の紛争について、紛争の当事者双方からの依頼を受け、当該紛争の当事者との間の契約に基づき、和解の仲介を行う裁判外紛争解決手続をいう。ただし、法律の規定により指定を受けた者が当該法律の規定による紛争の解決の業務として行う裁判外紛争解決手続で政令で定めるものを除く。

 

ロ) 手続実施者

 

□民間紛争解決手続において和解の仲介を実施する者をいう。

 

ハ) 認証紛争解決手続

 

第5条の認証*2を受けた業務として行う民間紛争解決手続をいう。

 

ニ) 認証紛争解決事業者

 

□第5条の認証を受け、認証紛争解決手続の業務を行う者をいう。

 

 

↓ なお…

 

□*2 「民間紛争解決手続の業務の認証」は、民間紛争解決手続を業として行う者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む)が、その業務について、法務大臣の認証を受けることができる(法5条)。

 

↓ また…

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□偽りその他不正の手段により第5条の認証を受けた者は、2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法32条1項)。

 

◆基本理念等 (法3条)

 


□裁判外紛争解決手続は、法による紛争の解決のための手続として、紛争の当事者の自主的な紛争解決の努力を尊重しつつ、公正かつ適正に実施され、かつ、専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決を図るものでなければならない(1項)。

 

□裁判外紛争解決手続を行う者は、前項の基本理念にのっとり、相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない(2項)。

 

 

◆国等の責務 (法4条)

 


□国は、裁判外紛争解決手続の利用の促進を図るため、裁判外紛争解決手続に関する内外の動向、その利用の状況その他の事項についての調査及び分析並びに情報の提供その他の必要な措置を講じ、裁判外紛争解決手続についての国民の理解を増進させるように努めなければならない(1項)。

 

□地方公共団体は、裁判外紛争解決手続の普及が住民福祉の向上に寄与することにかんがみ、国との適切な役割分担を踏まえつつ、裁判外紛争解決手続に関する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない(2項)。

 

 

2 認証紛争解決手続の利用に係る特例 (法25条、法26条) 重要度 ● 

 

◆時効の中断 (法25条1項)

 


□認証紛争解決手続によっては紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないことを理由に手続実施者が当該認証紛争解決手続を終了した場合において、当該認証紛争解決手続の実施の依頼をした当該紛争の当事者がその旨の通知を受けた日から1月以内に当該認証紛争解決手続の目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該認証紛争解決手続における請求の時に、訴えの提起があったものとみなす。

 

 

◆訴訟手続の中止 (法26条)

 


□紛争の当事者が和解をすることができる民事上の紛争について当該紛争の当事者間に訴訟が係属する場合において、次のいずれかに掲げる事由があり、かつ、当該紛争の当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、4月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる(1項)。

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イ) 当該紛争について、当該紛争の当事者間において認証紛争解決手続が実施されていること。

 

ロ) イに規定する場合のほか、当該紛争の当事者間に認証紛争解決手続によって当該紛争の解決を図る旨の合意があること。

 

□受訴裁判所は、いつでも前項(訴訟手続を中止する旨)の決定を取り消すことができる(2項)。

 

□訴訟手続中止の申立てを却下する決定及び受訴裁判所による訴訟手続中止の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない(3項)。

 

 

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第 5 章

労務管理用語

第1節  用語集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 186

 

 

 

 

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第1節  用語集

1 【あ行】

 


【一時解雇】

 

再雇用することを前提に、従業員を一時的に解雇すること。アメリカでは「レイオフ」と呼ばれ、在籍期間の長短等により優先順位をつけ、在籍期間の長い従業員ほど解雇期間が短くなるような調整が行われる。

 

 

【一時帰休】

 

従業員を企業に在籍させたまま、一時的に休業させること。

 

 

【インターンシップ制】

 

学生が、自分の専攻や将来の希望職種に関連した技術を実習したり、プロの仕事を直接観察したりすることで、雇用促進につなげようとする制度のこと。

 

 

【イン・バスケット法】

 

従業員訓練技法のひとつ。参加者(管理職または中堅社員)が、ある部署の管理職になったという想定で未決箱に入っている書類を検討し、所定時間内に解決処理させるという訓練。

 

 

【インフォーマル組織】

 

会社の公式組織ではなく、趣味の同好会など私的グループのこと。共通の方向性や明確な指揮命令関係はないが、労働者は集団への帰属感を求め人間関係を構築した結果、インフォーマル組織の規範に従い行動することも多い。

 

 

【Off-JT(Off the Job Training)】

 

訓練技法のひとつで「職場外教育訓練」ともいう。日ごろの職場を離れ、研修会、セミナーなどの集合教育において講師等の専門家により行われる。階層別研修、部門別研修などがある。

 

 

【OJT(On the Job Training)】(平3択)

 

訓練技法のひとつで「職場内教育訓練」ともいう。日常の職務について、その職場の職務遂行の過程において、上司・先輩が部下・後輩に対して、計画的、継続的に知識や技能を習得させる。

 

 

【X理論・Y理論(マグレガー)】(平12選)

 

行動科学理論のひとつ。心理学者マグレガーは、著書『企業の人間的側面』の中で、テーラー以来の人間を科学的に管理する伝統的な管理法をX理論とし、これに対し、個人の自己実現欲求が生産性の向上につながるとしたY理論による労務管理の必要性を提唱した。

 

 

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2 【か行】

 


【科学的管理法】(平7択)(平13選)

 

F.W.テーラーが提唱した、労働者管理手法の総称。労使協調に基づき労働者を教育して適正な職務に就かせること、科学的に作業の分析を行いその効率化を図り、かつ、個人の能力及び成果に対して報酬を与えること等がある。

 

 

【課業管理】

 

科学的管理法のひとつ。道具を用いた効率的な作業環境下における労働者の標準作業量を、ストップウォッチを使って計測した。

 

 

【カウンセリング】

 

人間関係論に基づく手法のひとつ。従業員のモラールの維持・向上を図るため、従業員の仕事上の不平不満、職場内での人間関係に係るトラブル、日常生活における個人的な悩みについて相談の機会を持ち、解決に向けたアドバイスを行う制度。

 

 

【課題別教育訓練】

 

従業員訓練技法のひとつ。階層や職能に関係なく、全社的に取り組むべき課題を徹底させる訓練。年齢別研修や項目別研修などもこの一種である。

 

 

【カフェテリアプラン】

 

労働者に対する福利厚生制度を従来の一律定型的な支給ではなく、労働者自身が個人のニーズに合わせて、複数のメニューから柔軟に給付内容を選択することができる制度をいう。

 

 

【完全失業率】(平13択)(平16選)

 

労働力人口に占める完全失業者の割合のこと。

 

 

【寛大化傾向】(平12選)

 

考課者が、被考課者(評価を受ける者)の実際の成績よりも常に甘く評価してしまうこと。

 

 

【管理職定年制(役職定年制)】(平11択)

 

管理職者が一定年齢に達したとき、管理職ポストを離脱させること。一般的には、専門職等に異動させる。企業内人事の新陳代謝による組織の活性化と若年者の人材育成をねらった制度である。

 

 

【管理職任期制(役職任期制)】(平11択)(平12択)

 

各管理職に2年から3年の一定の任期を設け、任期満了後にこの期間中の業績を評価し、管理職者としての適性を審査する制度のこと。「昇進」、「再任」、「降職」などを行うことで、管理職定年制と同じ効果が期待できる。

 

 

【企業間人材交流】

 

他企業に若手の従業員を一定期間送り込み、企業の体質強化を図る制度のこと。従業員については、新鮮な刺激と意欲の向上が期待できる。

 

 

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【企業別労働組合】

 

特定の企業又は事業所ごとに、その企業の従業員だけで組織する労働組合のこと。なお、欧米においては、「産業別労働組合」が多い。

 

 

【キャリア・コンサルティング】(平15択)

 

従業員が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活の設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の能力開発を効果的に行うことができるように、労働者の希望に応じて実施される相談のこと。

 

 

【キャリア・パス】

 

より高いレベルの職位、職務に異動昇進できる道すじ(昇進ルート)を明確に示した制度。職能分野と専門能力の開発が一体化されている。ある職位、職務に就くために必要な仕事のキャリアの順序と、それぞれの習熟度、担当期間などが事前に決められている。

 

 

【キャリア・プラン(経歴開発)】

 

ジョブ・ローテーションを基礎とし、職場における経験や教育訓練を通じて、従業員の職務能力を高め、より高レベルの人材開発を目指す制度のこと。

 

 

【業績給(成果給)】

 

個々の労働者の業績や成果(以下「業績等」という)に基づいて決定される賃金。通常、一定の期間(月単位、四半期単位等)を区切ってその間の業績等を評価することが多く、「賞与」の計算において、そうした業績等を反映させるのが一般的である。

 

 

【勤務延長制度】

 

継続雇用制度のひとつ。定年年齢到達者を退職させることなく、引き続き一定期間雇用する制度のこと。従来の雇用契約は継続しているが、一般的には、労働条件について変更されることが多い。

 

 

【苦情処理制度】

 

人間関係論に基づく手法のひとつ。企業が苦情処理機関を設置して、職場環境に対する不平不満を団体交渉等によらず、日常的に解決できるようにすること。

 

 

【グループ・ダイナミックス(集団力学)】

 

アメリカのK.レヴィンが提唱した。集団と個人との相互依存関係を実証的に研究し、組織が個人の行動に及ぼす一般的法則を導こうとするもので、コミュニケーション、集団目標、民主的リーダーシップ等について実験的分析をし組織の活性

化に応用しようとするもの。

 

 

【ケース・スタディ(シカゴ方式)】

 

従業員訓練技法のひとつ。事例研究を通してその本質を究明し、問題解決の応用力を高める手法。個々の問題から共通の真理を引き出す洞察力、問題意識、行動力が高まる。

 

 

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【ケース・メソッド(ハーバード方式)】

 

従業員訓練技法のひとつ。「ケース・スタディ」よりも訓練内容のレベルが高く、実施には専門的知識を持った指導員が必要となる。個人研究、小グループ討議と進み、全体討議においては講師がアドバイスをする。

 

 

【現金給与総額】(平5択)(平6択)

 

所定内給与、所定外給与、特別に支払われた給与(特別給与)で構成される。所得税、社会保険料、社員食堂での購入代金等を差し引く前の給与総額のこと。

 

 

【コース別人事管理制度(複線型人事管理制度)】(平6択)

 

企画業務や定型業務等の業務内容、転居を伴う異動の有無などによって、例えば、「総合職」、「一般職」、「特別職」というようないくつかのコースを設定し、そのコースごとに異なる労働条件(賃金、配置転換、昇進、教育訓練等)の雇用管理を行うこと。

 

 

【功労報償説】(平13択)

 

退職金の性質のひとつ。「退職金は、労働者の勤続年数や企業での役職、貢献度等に対する報償として支払われる」とする考え方。

 

 

【コミュニケーション】

 

集団や組織の結束を目的とした共通意識の形成および確認手段のこと。下向コミュニケーション(指示・命令)、上向コミュニケーション(報告)、水平コミュニケーション(連絡・調整)がある。

 

 

【KJ法(川喜多次郎法)】

 

従業員訓練技法のひとつ。会議の発言等をカードに記入し類似性のあるものをまとめ、全体の情報からひとつのイメージを発見し、問題解決策を導こうとする手法。

 

 

【QWL(Quality of Working Life)】

 

「労働の人間化」、「労働生活の質」をいう。人間疎外を緩和・解消し、人間性の回復を図ろうとする労務管理手法の総称。技術革新によるOA化に伴う職務再設計は、労働の単純化、規格化を招き、労働者の労働意欲を喪失させ、結果的には労働生産性を低下させる。具体的な手法として、職務拡大やジョブ・ローテーションがある。

 

 

3 【さ行】

 


【再雇用制度】

 

継続雇用制度のひとつ。定年年齢到達者を一旦退職させた後、再び雇用する制度のこと。雇用形態や賃金などの労働条件、職務内容等について変更した上で雇用契約を結ぶことも多い。

 

 

【差別出来高払制】

 

科学的管理法のひとつ。目標を達成できた労働者には高賃金を支払い、また、達成できなかった労働者には低賃金を支払うというもの。標準作業量を達成させるための手法である。

 

 

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【仕事給】(平8記)

 

労働者の従事する仕事の種類、内容、成果によって決定される賃金。職務給、職能給、職種給、業績給(成果給)などがある。

 

 

【自己啓発】

 

従業員の意思と努力によって自己の職業能力を向上させること。企業においても自己啓発への動機づけ、機会の援助など自己啓発を促進する社内環境を整備することにより、帰属意識の強化につながる。

 

 

【実質賃金】(平13択)

 

労働者がその労働の対価として受け取る報酬である名目賃金をその時点での物価水準で除した実際の購買力を示す賃金のこと。

 

 

【社内報】(平6択)

人間関係論に基づく手法のひとつ。社内コミュニケーションを図るため、従業員やその家族を対象に企業が発行する新聞や雑誌のこと。従業員のモラール・モチベーション管理につながり、仲間意識を育てる効果がある。

 

 

【終身雇用制】

 

日本的雇用慣行のひとつ。企業は、原則として、新規学卒者を採用して定年まで雇用保障することに努め、また、労働者は、帰属精神を持って企業へ忠誠を尽くすという、労使相互の信頼関係によって成り立つ雇用慣行である。

 

 

【出向(在籍出向)】(平6択)

 

企業外への人事異動のひとつ。出向元企業の従業員としての身分を有したまま出向先企業に異動し、異動先の使用者の指揮命令下で労働すること。

 

 

【昇給基準線】(平7記)

 

新規学卒者(標準者)が定年まで勤務したと仮定して、標準昇給額を初任給に積み上げていくときに描かれる昇給曲線のこと。昇給額が一定である「直線型」、若年期に昇給額が高く、年齢とともに昇給額が低くなる「放物線型(凸線型ともいう)」、若年期に昇給額が低く、年齢とともに昇給額が高くなる凹線型、若年期の昇給額が低く、壮年期に高くなり、高年期にまた低くなるS字型がある。

 

 

【職種給】
労働者の従事する職種(職業の種類)について労働市場の相場により決定される。

 

 

【職能給】(平12択)(平6記)(平9記)

 

「同一能力同一賃金の原則」にある賃金。労働者の職務遂行能力を基準として決定する。配置転換が多いわが国で考案され、職務が変わっても賃金の変動がないことが特徴。職能給を導入する場合、職能資格制度や人事考課制度を実施することが必要。

 

 

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【職務拡大】(平3択)

 

職務の「水平的な拡大」のこと。単純な職務の繰り返しではなく、複数の職務を担当させ、まとまりのある仕事を通じてマンネリ感を防ぐねらいがある。

 

 

【職務記述書】

 

職務分析の結果として、個々の職務につき、その内容、責任と権限、職務遂行要件、他の職務との関係などをまとめたもの。

 

 

【職務給】(平12択)(平9記)

 

「同一労働同一賃金の原則」にある賃金。職務の難易度や責任の度合い等を評価して職務ごとに決定する。職務給を導入する場合、原則として、対象となる全職務について、職務分析及び職務評価を行い、その評価結果により職務の等級づけを行うことが必要。

 

 

【職務再設計】(平2択)(平3択)

 

中高齢従業員の身体的機能の低下等に応じて職務の見直しを行い、働きがいを持って仕事を継続することにより、その能力が有効に発揮できる環境を整備すること。

 

 

【職務充実】

 

職務の「垂直的な拡大」のこと。職務に一定の責任や権限を認め、仕事そのものを質的に充実させることにより仕事の単調化を防ぐねらいがある。

 

 

【職務調査】

 

個々の企業にある職務について、その内容、性質、作業環境などを調査し、また、それぞれの職務に関する責任度、資格要件などを明らかにすること。

 

 

【職務評価】

 

「職務分析」によって得られた情報に基づいて、職務の難易度や責任、熟練度など職務の相対的価値を判断すること。具体的には、職務遂行に必要な基礎知識、経験年数、職務遂行上の身体的・精神的負荷、作業環境、職務上の人的物的責任

の5つの側面から、各職務を格付け評価する。

 

 

【職務分析】

 

職務の遂行に必要な仕事内容、特徴、その職務における知識、熟練度など職務に関する情報を収集、記録し、各職務の質的な違いを分析し明らかにする一連の作業のこと。

 

 

【職務明細書】

 

職務分析の結果として、「職務記述書」を作成し、更に、職務遂行に必要とされる知識、技能などの特徴を抜き出したもの。

 

 

【所定外給付】

 

所定労働時間を超える労働に対して支給される給与、休日労働、深夜労働に対して支給される給与のこと。時間外手当、休日出勤手当、深夜手当等がある。

 

 

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【所定外労働時間】

 

所定内労働時間を超えて労働した時間のこと。必ずしも、所定外労働時間と法定外労働時間とは一致しない。なお、景気が上向きの時は増加する傾向にある。

 

 

【所定内給与】

 

給与のうち、所定外給与、特別給与以外のもののこと。基本給のほかに通勤手当、家族手当、住宅手当等の諸手当が含まれる。

 

 

【所定内労働時間】

 

労働協約、就業規則、労働契約等で定めた始業時刻から終業時刻までの所定時間から休憩時間を除いた時間のこと。必ずしも、所定内労働時間と法定労働時間とは一致しない。

 

 

【新規求人倍率】(平13択)

 

公共職業安定所にその月に新たに登録された新規求職者数に対する新規求人数の割合のこと。

 

 

【昇給】(平9記)

 

労働者の賃金を、あらかじめ定められた賃金曲線に従って増加させる制度をいう。定期昇給(毎年1回、定期に)、自動昇給(年齢勤続による)、考課昇給(能力や業績による)などがある。

 

 

【自己申告制度】(平3択)(平13択)

 

従業員自身に、自己の能力や適性をアピールさせ、意見、希望などを自由に申告させる制度のこと。一方的な人事考課制度を補う目的がある。

 

 

【ジョブ・ローテーション(職務歴任制)】

 

マンネリ感を防ぎ、広い視野の人材を育成するために、従業員をひとつの職務だけでなく、他のいくつかの職務を定期的、計画的に経験させること。「職務巡回」、「職務交代」ともいう。

 

 

【心理的誤差(評定誤差)】

 

人事考課を実施する場合の課題の総称。考課者である上司も人間であるから、無意識のうちに心理的な偏重が生じた中で部下を評価してしまう心理的傾向のこと。企業には、いかにして評定誤差をなくすかという課題がある。

 

 

【人件費比率】

 

売上高に占める賃金総額の割合のこと。

 

 

【人事考課制度】

 

従業員の職務遂行の実態を、一定の基準に従って、業績、職務遂行能力、勤務態度等に分けて評価する制度のこと。評定結果により、人事上の決定(昇進、昇格、配置、教育訓練等)に反映される。

 

 

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【推定組織率】

 

労働組合に加入している労働者数が雇用者総数の何割にあたるかを推定したもの。単一労働組合の組合員数を「労働力調査」(6月分)における雇用者総数で除して算出する。

 

 

【スキャンロン・プラン】

 

賃金総額を決定する際、「人件費比率」を計算の基礎とする方法。
賃金総額(人件費総額)=売上高×人件費比率

 

 

【生活保障説】

 

退職金の性質のひとつ。「退職金は、労働者の退職後の生活を保障するために支払われる」とする考え方。

 

 

【専門職制度】(平13択)

 

専門的な知識を有する従業員や技術者、技能者に対して、部長・課長・係長といった、いわゆるライン組織の職位とは別体系で処遇する制度。一般的には、同位のライン管理職と同等の処遇を与えるが、職責上の決裁権限などに違いがあることが多い。

 

 

【早期退職優遇制度】

 

定年年齢到達前に企業の定めた条件下において退職する者に対し、退職金などで優遇する制度のこと。制度の適用を受けるか否かは本人が選択できる。

 

 

【総実労働時間】

 

労働者が実際に労働した時間をいい、所定内労働時間と所定外労働時間とを合算したもののこと。

 

 

【組織開発(OD:Organization Development)】

 

常に社会環境に対応できる「健康体」を維持しようとする企業独自の対策のこと。会社の組織は変化する社会情勢に対応して、目的を持って業務を処理していく集団であるから、適応能力を維持するための適切な対策(組織の再編、新たな労務管理制度の導入、職務再設計等)が必要となる。

 

 

【CDP(Career Development Program)】

 

個々の従業員のキャリア形成の希望を考慮し、また、企業の人材育成の必要性を反映させ、従業員の自律性を尊重しながら能力開発を行う制度。従業員個人の専門性を高めることができるため、スペシャリストを育成することができる。

 

 

4 【た行】

 


【対比誤差】

 

考課者が自身を評定尺度として、主観的に評定してしまうこと。自分と反対の特性をもつ被考課者に対して、過大又は過小に評価してしまう傾向。例えば、「几帳面」な上司が「ずぼら」な部下を著しく過小評価するようなケース。

 

 

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【単一職務給(シングル・レート)】

 

一つの職務に対して一つの賃金を当てはめるものであり、同じ職務は、必ず同じ賃金となる。

 

 

【中央化傾向】

 

考課者の考課結果が、優・良・可の「良」、A・B・Cの「B」に集まり、被考課者の成績に大きな差が出ないこと。

 

 

【賃金後払説】

 

退職金の性質のひとつ。「在職中の賃金は本来受けるべき額よりも低く、退職金はその差額であり、支給されるのは当然の権利である」とする考え方。

 

 

【賃金形態】(平10記)

 

日給、週給、月給など基本給の支払単位(計算方法)のこと。一定の時間又は期間を単位として計算する「定額制」と出来高に応じて計算する「出来高払制」がある。

 

 

【賃金曲線】

 

賃金カーブ、昇給曲線ともいう。学歴、勤続年数等について一定の標準者を設定し、その者の賃金水準を示した「モデル賃金曲線」と、在職者の平均を示した「平均賃金曲線」とがある。

 

 

【提案制度】

 

人間関係論に基づく手法のひとつ。経営参加意識を促進しモラールの向上を図るため、従業員に職場の環境改善、安全衛生等の改善意見などを正式に提案できる制度を設けること。

 

 

【定員管理】(平17択)

 

一定の条件のもとで、必要な仕事を遂行するために適正な従業員数を管理・統制すること。一般的に「仕事は増えなくとも人だけは増える」(パーキンソンの法則)という傾向を統制する目的がある。

 

 

【適性検査】(平7択)

 

人間の潜在的能力や性格などについて検査し、また、その可能性が教育訓練によって開発できるかを見立てるために行う科学的検査のこと。「一般的職業適性検査」(どの職種に適合しているか)と「特殊的職業適性検査」(特定職種に対す

る適性)とがある。

 

 

【転籍】

 

企業外への人事異動のひとつ。出向(在籍出向)とは異なり、出向元企業との雇用契約を解除して出向先企業に籍を移すことで、一般的には「移籍出向」という。

 

 

【動機づけ・衛生理論(ハーズバーグ)】

 

行動科学理論のひとつ。ハーズバーグは、著書『仕事と人間性』の中で、労働者の就労意欲の向上には「動機づけ」(モチベーション)が必要であるとし、動機づけの要因として、「促進要因(職務に満足感を与える要因)」と「衛生要因(職務に不満感を持つ要因)」を示した。

 

 

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【特別給与】

 

毎月勤労統計調査期間中に一時的又は突発的理由に基づいて、あらかじめ定められた契約や規則等によらないで支払われた給与や、あらかじめ支給条件、算定方法が定められていても、その給与の算定が3箇月を超える期間ごとに行われるもののこと。賞与や、結婚手当等非常に稀に支給されるもの、支給事由の発生が不確定なものも含まれる。

 

 

5 【な行】

 


【日本的雇用慣行】

 

J.C.アベグレンは、著書『日本経営の探求』の中で、わが国の労務管理上の特徴である「終身雇用制」、「年功序列制」、「企業別労働組合」を世界に紹介した。

 

 

【年功賃金制】

 

日本的雇用慣行のひとつ。学歴別に初任給が決定され、その後の昇給査定においても、「年齢」と「勤続年数」が最も決定的な要因となる賃金制度をいう。

 

 

【年俸制】(平5択)(平8択)(平10択)(平12選)

 

1年を単位として賃金を計算する制度。企業規模が大きいほど、また、管理職者を対象とする場合が多い。

 

 

6 【は行】

 


【ハロー効果】

 

ある特定の状況に惑わされて、事実よりも良い評価を与えてしまうこと。例えば、ある一部が好印象であると、その従業員の人物像全体が良い印象となってしまい、個々の評価が影響を受けてしまうケース。

 

 

【範囲職務給(レンジ・レート)】(平7記)

 

一つの職務に対して幅のある職務給を設定する方法。同じ職務であっても、その熟練度や完成度によっては、賃金に差が生じることがある。

 

 

【ヒューマン・アセスメント】

 

人材を登用するとき、その従業員の職務の適性を客観的に事前評価することをいう。具体的には、特別に訓練を受けた複数のアセッサー(観察者)が、一定の演習課題を通じて参加者の潜在能力を観察し、人事・能力開発に反映させる。

 

 

【非労働力人口】

 

15歳以上人口で労働力人口以外のもののこと。

 

 

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【フォードシステム】

 

20世紀初めの自動車工業界において、作業を単純化(合理化)し、同じ商品を大量生産(標準化)することに加え、ベルトコンベアーによる流れ作業を導入することにより、生産性を飛躍的に向上させた。「高品質で低価格、労働者には高賃金を!」をモットーに、フォーディズムと呼ばれ一時期の主流となったが、ヒトを機械同然に扱う傾向が批判され次第に衰退した。

 

*チャップリン主演の映画『モダンタイムス』が有名。

 

 

【フォーマル組織】

 

部、課、係、ライン等の会社の公式組織のこと。共通の方向性や明確な指揮命令関係はあるが、労働者の感情には大きな影響を与えないとするもの。

 

 

【フリンジ・ベネフィット】

 

基本的な賃金のほかに、企業が支払う「付加給付」のこと。現金給付、現物給付、付帯サービスなどがある。

 

 

【ベース・アップ】(平12択)

 

賃金曲線そのものをスライドさせ、賃金表の書き換えによる昇給のこと。消費生活水準の変化、物価上昇、賃金の世間相場などを反映して、全労働者の賃金が一斉に引き上げられる。

 

 

【ホーソン実験】

 

レスリスバーガー、メイヨーらのハーバード大学の学者が1924年から1932年にかけてシカゴ郊外のウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行った実験で、労務管理に「人間関係論」が導入されるきっかけとなった。生産性の向上は、作業時間、照明度、賃金などの作業条件の改善ではなく、そうした改善を通じて職場における人間関係が変化したことのほうが、労働者の帰属意識(モラール)が向上するとの結論が得られた。

 

 

【法定福利費】

社会保険料(健康保険、厚生年金保険等)の事業主負担分など、法律によって支給することが義務付けられている福利厚生費のこと。

 

 

【法定外福利費】(平8記)

 

慶弔見舞金、レクリエーション費用の補助、保養施設の設置・運営に要する費用など、法律によって支給することが義務付けられていない福利厚生費のこと。企業の任意に基づくものである。

 

 

【ポイント制退職金】(平6択)

 

職能区分に応じて一定のポイントを設定し、各区分の在籍年数を乗じることにより、入社から退職までの累積点数に1ポイントあたりの単価を乗じて算定する方法。

 

 

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【ホロン経営】

「全体(企業)」と「個(従業員)」の調和を図り、両者をともに生かし有機的に機能させる経営手法(生命科学の概念に基づく経営手法)のこと。

 

 

【PDI(Program Developing Institute)】

 

従業員訓練技法のひとつ。「訓練計画の進め方」で、管理監督者の向上訓練として実施される。事業場において独自の訓練計画が立てられるように、実施にあたる者に対して、訓練計画の樹立方法や運用方法についてのセオリーを訓練する。

 

 

7 【ま行】

 


【名目賃金】(平13択)

 

「貨幣賃金」ともいい、貨幣単位、つまり市中に流通している通貨の単位で表した賃金のこと。

 

 

【目標管理制度】(MBO:Management by Objectives)(平8記)(平12選)

 

目標管理制度は、「人間は生来働くことに喜びを感じており、目標を達成するためには進んで働く」とするマグレガ―のY理論を基礎とし、P.F.ドラッカーが著書『現代の経営』において、「経営管理者は企業の目標を反映する自己の目標を定める必要があり、その際、企業目標と個人目標に統一性をもたせることが重要である」と提唱した。

 

 

【モチベーション(動機づけ)】

 

企業の目的を達成するために、従業員が自分の役割に対して自ら方向づけをし、率先して行動するようにすること。

 

 

【モデル賃金】

 

年齢、経験年数、職務内容などによって、標準的な労働者の賃金(モデル賃金)がどのような水準となっているかをまとめたもの。

 

 

【モラール】

 

帰属意識、作業意欲のこと。集団のメンバーとして共に働くことで満足し、その集団に帰属することに誇りを持ち、共同して目標達成に努めようとする心理的態度をいう。

 

 

【モラール・サーベイ(従業員意識調査)】

 

人間関係論に基づく手法のひとつ。従業員が職場、賃金、仕事、上司、配置等について、どのような感情を持っているのかを調査すること。経営に対する不満等を把握し、勤労意欲の動向をとらえ、労務管理の改善の方向性を探るねらいもある。

 

 

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8 【や行】

 


【有効求人倍率】(平13択)

 

有効期間内(原則として、公共職業安定所に申し込んだ月を含めて3箇月有効)の有効求職者数に対する有効求人数の割合のこと。

 

 

【欲求5段階説(マズロー)】

 

行動科学理論のひとつ。心理学者のマズローは、著者『モチベーションとパーソナリティ』の中で、低次元の欲求から順に、生理的欲求(衣食住、睡眠等)、安全・安定の欲求(身体、生活の保護、保障)、社会的欲求(集団への所属、友情や愛情)、自我の欲求(達成感や自立、尊敬)、自己実現欲求(創造的な人生)とし、これを充足しようとして行動するという考え方を説いた。

 

 

9 【ら行】

 


【ラッカー・プラン】

 

賃金総額を決定する際、「労働分配率」を計算の基礎とする方法。
賃金総額(人件費総額)=付加価値×労働分配率

 

 

【労使協議制】(平10記)

 

人間関係論に基づく手法のひとつ。事業所における経営や生産等に関する問題について、経営者と従業員が協議する制度。団体交渉と異なり、労使の利害が共通する事項についても協議の対象となる。

 

 

【労働分配率】(平6記)(平9記)

付加価値(売上高から仕入れ原価や原材料費等を控除した額)に占める人件費総額の割合のこと。一般的には、不況時は高くなり、好況時は低くなる傾向にある。

 

 

【労働力人口】

 

15歳以上人口のうち就業者と完全失業者を合わせたもののこと。

 

 

【労働力人口比率(労働力率)】(平10記)(平16選)

 

15歳以上人口に占める労働力人口の割合のこと。

 

 

【論理誤差】

 

考課者の知識と理解が不十分であるため、論理的に関係があると思われる考課要素が相互あいまいになり、判断基準を誤ること。例えば、「話すことが上手」ならば「モノをたくさん売る」と関連させてしまうようなケース。