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健康保険法(6)-10

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4  協会管掌健康保険の保険料率 (法160条1項~12項)   重要度 ●●●


(1) 一般保険料率の決定 (1項・2項)

 

条文

 

前年改正

 


1) 協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の120までの範囲内において、支部被保険者を単位として協会が決定するものとする。

(平2択)(平4択)(平6択)(平16択)(平11記)(平18選)


2) 前項の規定により支部被保険者を単位として決定する一般保険料率(以下「都道府県単位保険料率」という)は、当該支部被保険者に適用する。

 

 

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ここをチェック

 

□「支部被保険者」とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。

 

ちょっとアドバイス

 

前年改正

 

◆都道府県単位保険料率 (3項)

 


都道府県単位保険料率は、支部被保険者を単位として、次に掲げる額に照らし、毎事業年度において財政の均衡を保つことができるものとなるよう、政令で定めるところにより算定するものとする。(平12択)(平16択)

 


イ) 療養の給付その他の厚生労働省令で定める保険給付*1(以下この項及び次項において「療養の給付等」という)のうち、当該支部被保険者に係るものに要する費用の額(当該支部被保険者に係る療養の給付等に関する国庫補助の額を除く)に次項の規定に基づく調整を行うことにより得られると見込まれる額

 

 

ロ) 保険給付(支部被保険者に係る療養の給付等を除く)、前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等に要する費用の予想額(国庫補助の額(イの国庫補助の額を除く)並びに日雇拠出金の額を除く)に総報酬按分率を乗じて得た額*2

 

 

ハ) 保健事業及び福祉事業に要する費用の額(国庫補助の額を除く)並びに健康保険事業の事務の執行に要する費用及び次条(法160条の2)の規定による準備金の積立ての予定額(国庫負担金の額を除く)のうち当該支部被保険者が分担すべき額として協会が定める額

 


平成22年度から平成24年度までの間は、保健事業及び福祉事業に要する費用の額(国庫補助の額を除く)、健康保険事業の事務の執行に要する費用及び次条(法160条の2)の規定による準備金の積立ての予定額(国庫負担金の額を除く)並びに法7条の31の規定による短期借入金の償還に要する費用の額に充てるものとして政令で定める額のうち当該支部被保険者が分担すべき額として協会が定める額として算定に含めることとされている(法附則8条の3)。

 

 

advance

 

□*1「厚生労働省令で定める保険給付」は、次に掲げるものとする(則135条の2第1項)。

 


a) 療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費及び移送費の支給


b) 家族療養費、家族訪問看護療養費及び家族移送費の支給


c) 高額療養費及び高額介護合算療養費の支給

 

 

↓ なお…


□地域ごとの年齢構成及び所得水準格差による調整(第4項に規定)に反映する必要のない「手当金給付」と「死亡・出産関連給付」は、含まれていない

 

□*2「総報酬按分率」とは、当該都道府県の支部被保険者の総報酬額(標準報酬月額及び標準賞与額の合計額をいう)の総額協会が管掌する健康保険の被保険者の総報酬額の総額で除して得た率をいう。


↓ なお…

 

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◆激変緩和措置の期限の延長 (平18改正法附則31条) 

 

前年改正

 


平成20年10月改正健康保険法第160条第3項の規定に基づき算定した都道府県単位保険料率のうち、改正法施行の日の前日における旧政管健保の一般保険料率との率の差が政令で定める基準を上回るものがある場合においては、協会は、平成30年3月31日までに限り、政令で定めるところにより、都道府県単位保険料率の調整を行い、運営委員会の議を経て、当該算定した都道府県単位保険料率とは異なる都道府県単位保険料率を定めるものとする。

 

 

<参考>


・平成24年度の調整割合(経過措置基準率)は「10分の2.5」である。


・全国健康保険協会の保険料率:平成24年3月からの全国平均は10.00%となった。

 

 

(2) 支部被保険者単位の財政調整 (4項)

 

条文

 


協会は、支部被保険者及びその被扶養者の年齢階級別の分布状況と協会が管掌する健康保険の被保険者及びその被扶養者の年齢階級別の分布状況との差異によって生ずる療養の給付等に要する費用の額の負担の不均衡並びに支部被保険者の総報酬額の平均額と協会が管掌する健康保険の被保険者の総報酬額の平均額との差異によって生ずる財政力の不均衡を是正するため、政令で定めるところにより、支部被保険者を単位とする健康保険の財政の調整を行うものとする。

 

 

(3) 収支の見通しの作成及び公表 (5項)

 

条文

 

前年改正

 


協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとする。

 


平成22年度から平成24年度までの間は、「2年ごとに、翌事業年度以降の5年間」とあるのは「平成22年度から平成24年度までの間、毎事業年度の開始前に(平成22年度にあっては、当該年度開始後速やかに)、当該事業年度から平成24年度までの間(当該事業年度が平成24年度の場合にあっては、当該事業年度)」と読み替える(法附則8条の3)。

 


(4) 協会による都道府県単位保険料率の変更 (6項~9項)

 

条文

 


6) 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければならない。(平23択)


7) 支部長は、前項の意見を求められた場合のほか、都道府県単位保険料率の変更が必要と認める場合には、あらかじめ、当該支部に設けられた評議会の意見を聴いた上で、理事長に対し、当該都道府県単位保険料率の変更について意見の申出を行うものとする。

 

 

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8) 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。


9) 厚生労働大臣は、前項の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない

 

 

(5) 厚生労働大臣による都道府県単位保険料率の変更 (10項~12項)

 

条文

 


10) 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における健康保険事業の収支の均衡を図る上で不適当であり、協会が管掌する健康保険の事業の健全な運営に支障があると認めるときは、協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。


11) 厚生労働大臣は、協会が前項の期間内に同項の申請をしないときは、社会保障審議会の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる


12) 厚生労働大臣は、前項の規定により行う都道府県単位保険料率の変更については、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。

 

 

*政管健保として

(平6択)(平8択)(平15択)(平16択)(平11記)(平18選)

 

(6) 準備金 (法160条の2)

 

条文

 


保険者は、政令で定めるところにより、健康保険事業に要する費用の支出に備えるため、毎事業年度末において、準備金を積み立てなければならない。

 

 

advance

 

◆準備金の積立て (令46条1項)

 


協会は、毎事業年度末において、当該事業年度及びその直前の2事業年度内において行った保険給付に要した費用の額(国庫補助の額を除く)の一事業年度当たりの平均額の12分の1に相当する額に達するまでは、当該事業年度の剰余金の額を準備金として積み立てなければならない。