テキスト本文の開始
(3) 後期の育児休業の申出 (第3項)
労働者は、その養育する1歳から1歳6か月に達するまでの子について、次のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者であってその配偶者が当該子の1歳到達日において育児休業をしているものにあっては、第1項a)、b)のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。
a) 当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の1歳到達日において育児休業をしている場合
|
b) 当該子の1歳到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合*3
|
|
□*3「厚生労働省令で定める場合」は、次のとおりとする(則4条の2)。
イ) 申出に係る子について、保育所における保育の実施を希望し、申込みを行っているが、当該子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合
|
ロ) 常態として申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者であって当該子が1歳に達する日後の期間について常態として当該子の養育を行う予定であったものが次のいずれかに該当した場合
a) 死亡したとき。
|
b) 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により申出に係る子を養育することが困難な状態になったとき。
|
c) 婚姻の解消その他の事情により常態として申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者が申出に係る子と同居しないこととなったとき。
|
d) 6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定であるか又は産後8週間を経過しないとき。
|
|
□後期の育児休業については、特別の事情がある場合であっても、当該子については再度の育児休業の申出をすることができない。
-----------------(234ページ目ここから)------------------
(4) 育児休業の申出方法 (第4項)
第1項及び前項の規定による申出(以下「育児休業申出」という)は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は育児休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「育児休業開始予定日」という)及び末日(以下「育児休業終了予定日」という)とする日を明らかにして、しなければならない。この場合において、同項(第3項のこと)の規定による申出にあっては、当該申出に係る子の1歳到達日の翌日を育児休業開始予定日としなければならない。
|
3 育児休業申出があった場合における事業主の義務等 (法6条) 重要度 ●
(1) 事業主の義務 (第1項、則7条)
前年改正
事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない(拒むことができる)。
a) 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者(平8択)
|
b) 育児休業申出があった日から起算して1年(後期の育児休業の申出にあっては6月)以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
|
c) 1週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数(2日)以下の労働者
|
|
□「労働者の配偶者で当該育児休業申出に係る子の親であるものが、常態として当該子を養育することができるものとして厚生労働省令で定める者(いわゆる「専業主婦」等)に該当する場合における当該労働者(平11択)」の除外規定は、改正により削除された。
□前項ただし書(労使協定)の場合において、事業主にその育児休業申出を拒まれた労働者は、前条第1項(前期)及び第3項(後期)の規定にかかわらず、育児休業をすることができない(2項)。
(2) 事業主による育児休業開始予定日の指定 (第3項)
-----------------(235ページ目ここから)------------------
4 育児休業期間等 (法9条~法10条) 重要度 ●
(1) 育児休業期間 (法9条)
1) 育児休業申出をした労働者がその期間中は育児休業をすることができる期間(以下「育児休業期間」という)は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日、次項において同じ)までの間とする。
2) 次に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、育児休業期間は、前項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(ハに掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。
イ) 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。
|
ロ) 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、育児休業申出に係る子が1歳(後期育児休業の申出により育児休業をしている場合にあっては、1歳6か月)に達したこと。
|
ハ) 育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法の規定による産前産後休業期間、介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。
|
|
(2) 同一の子について配偶者が育児休業をする場合の特例 (法9条の2)
前年新設
*この規定は、読み替え条文であるため、「改正育児・介護休業法のあらまし(発行元:厚生労働省)」を参考に、以下要点のみ列記した。
◆パパ・ママ育休プラスの概要
特例(以下「パパ・ママ育休プラス」という)の対象となるためには、配偶者*1が子の1歳到達日以前のいずれかの日において育児休業*2をしていることが必要である。
ただし、以下の育児休業については、パパ・ママ育休プラスの対象とならない。
a) 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳到達日の翌日後である場合。
|
b) 本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日前である場合。
|
【適用効果】
イ) 育児休業の対象となる子の年齢について、「原則1歳まで」から「原則1歳2か月まで」に延長される。
|
ロ) 育児休業が取得できる期間(女性の場合は、出生日以後の産前・産後休業期間を含む)については、これまでどおり1年間となる。
|
|
*1「配偶者」には、法律上の配偶者のみならず、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。
*2「育児休業」には、育児・介護休業法の規定に基づく育児休業のみならず、公務員が国家公務員の育児休業等に関する法律等の規定に基づき取得する育児休業を含む。
|
-----------------(236ページ目ここから)------------------
◆育児休業が取得できる期間
育児休業が取得できる期間については、具体的には、「育児休業等取得日数(A)」が「育児休業等可能日数(B)」を超えた場合、その日において育児休業が終了することとされている。
A:育児休業等取得日数=出生日以後の産前・産後休業期間の日数+育児休業をした日数
|
B:育児休業等可能日数=子の1歳到達日までの日数
(うるう年以外の場合は365日、うるう年の場合は366日)
|
|