社労士/労働基準法1-14 | 初級INPUT講座2011年度向けテキスト

社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「労働基準法1-14:賃金」

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労働基準法(1)-14

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テキスト本文の開始

 

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4  賃金 (法11条)                                     重要度 ●● 

 

条文

 

 

この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず労働の対償*1として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

 

 

 

ここをチェック

 

□*1 「労働の対償」とは、使用者が労働者に支払うもののうち、労働者が使用従属関係の下で行った労働に対して、その対価として支払われるものをいう。

 

□「金銭」の性質と「賃金」の評価は、以下のとおりである。

 

賃金となるもの

 

 

賃金とならないもの

 

□任意的、恩恵的なものであっても、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされたものは、これによって使用者にその支払義務が生じるため賃金となる(昭22.9.l3発基17号)(平19択)

 

 

□任意的、恩恵的なもの(退職手当、結婚祝金、病気見舞金、死亡弔慰金、災害見舞金etc.)

 

□住宅貸与について、住宅貸与を受けない者に対して一定額の均衡手当が支給されている場合には、住宅貸与の利益が明確に評価され、住居の利益を賃金に含ませたものとみることができるため、その評価額を限度として住宅貸与の利益は賃金となる

 

 

□福利厚生的なもの(住宅貸与、食事の供与、資金貸付、金銭給付etc.)

 

□通勤手当(労働協約による通勤定期券の支給)(平15択)

 

□企業設備、実費弁償的なもの(出張旅費、社用交際費、作業用品代、制服、作業衣etc.)

(平19択)

 

 

□労働者が法令により負担すべき所得税や社会保険料等を事業主が代わって負担する部分(昭63.3.14基発150号)

(平4択)(平13択)(平19択)

 

□チップに類するものであって、使用者がサービス料として一定率を定め、客に請求し収納したものを一定期間ごとに締め切って、そのサービス料の収納のあった当日に出勤した労働者に全額を均等配分している場合(昭23.2.3基発164号)

 

 

 

□法76条による休業補償(法定額(100分の60)を超える部分も同じ)(昭25.12.27基収3432号)

 

□生命保険料補助金(労働者の福利厚生のために使用者が負担するもの)(昭63.3.14基発150号)

 

□解雇予告手当(平19択)

 

□会社法による新株予約権(いわゆるストックオプション制度)から得られる利益(平9.6.1基発412号)(平14択)

 

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5  平均賃金 (法12条)                                 重要度 ●●●

 

条文

 

 

1) この法律で平均賃金*1とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間*2にその労働者に対し支払われた賃金*3の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の一によって計算した金額を下ってはならない。

 

イ) 賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60

 

ロ) 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額とイ)の金額の合算額

 

 

 

ここをチェック

 

□*1 「平均賃金」は、労働基準法において、次のイ)~ホ)に係る金額の算定の基礎として用いられ、それぞれの起算日(算定事由発生日)は、以下のとおりである。

 

イ) 解雇予告手当(法20条)

 

解雇の通告をした日(解雇の予告をした後において、当該労働者の同意を得て解雇日を変更した場合においても、当初の解雇を予告した日)(昭39.6.l2基収23l6号)

(平5択)(平16択)

 

 

ロ) 休業手当(法26条)

 

 

その休業日(休業が2日以上のときは、その最初の日)

 

 

ハ) 年次有給休暇の賃金
(法39条6項)

 

その休暇を与えた日
(休暇が2日以上のときは、その最初の日)

 

 

ニ) 災害補償(法76条他)

 

事故発生日又は診断によって疾病の発生が確定した日

 

 

ホ) 減給の制裁(法91条)

 

制裁の意思表示が相手方に到達した日

(平11択)(平17択)

 

 

□*2 「雇入れから3箇月に満たない者」については、雇入れ後の期間とその期間中の賃金の総額で算定する(6項)。

 

□*3 「支払われた賃金」とは、既に支払われている賃金だけでなく、算定事由発生日において、既に賃金債権として確定している賃金が含まれる。

 

ちょっとアドバイス

 

(1) 算定方法の原則(平6択)