社労士/労働基準法7-13 | 初級INPUT講座2011年度向けテキスト

社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「労働基準法7-13:寄宿舎」

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労働基準法(7)-13

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テキスト本文の開始

 

 

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第 9 章

寄 宿 舎
監 督 機 関

第1節  寄宿舎    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・256
第2節  監督機関    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・259

 

 

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第1節 寄宿舎

1  寄宿舎生活の自治 (法94条)                         重要度 ●   

 

条文

 

 

1) 使用者は、事業の附属寄宿舎*1に寄宿する労働者の私生活の自由*2を侵してはならない。

 

2) 使用者は、寮長、室長その他寄宿舎生活の自治に必要な役員の選任干渉してはならない。(平21択)(平11記)

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 「事業の附属寄宿舎」とは、次の要件に該当するものをいう(昭23.3.30基発508号)。

 


a) 常態として、相当人数の労働者が宿泊し、共同生活の実態を備えるものであること

 

b) 事業経営の必要上その一部として設けられているような事業との関連をもつこと

 

 

↓ 具体的には…

 

建設現場の日雇労働者向け宿泊施設や製造工場の敷地内にある附属施設である。

 

□*2 「私生活の自由」を侵す行為として、次のようなものがある(寄宿舎規程4条)。

 


a) 外出又は外泊について使用者の承認を受けさせること(平3択)(平21択)

 

b) 教育、娯楽その他の行事に参加を強制すること

 

c) 共同の利益を害する場所及び時間を除き、面会の自由を制限すること

 

 

↓ なお…

 

□本条1項の違反について、罰則の適用はない(同2項に違反したときは、法119条(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の適用がある)。(平10択)

 

2  寄宿舎生活の秩序 (法95条)                         重要度 ●   

 

条文

 

 

1) 事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者は、次のイからホの事項について寄宿舎規則作成し、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならない。これを変更した場合においても同様である。(平21択)

 

 

2) 使用者は、前項イからニの事項に関する規定の作成又は変更については、寄宿舎に寄宿する労働者の過半数を代表する者の同意*1を得なければならない。(平21択)

 

 

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ここをチェック

 

□イからホの事項は、絶対的必要記載事項である。

 


イ) 起床、就寝、外出及び外泊に関する事項

 

ロ) 行事に関する事項

 

ハ) 食事に関する事項

 

ニ) 安全及び衛生に関する事項

 

ホ) 建設物及び設備の管理に関する事項

 

 

 ↓ なお…

 

□*1 「労働者の過半数代表者の同意」は、イからニに関する事項について得られればよい。

 

↓ また…

 

「ホ) 建設物及び設備の管理に関する事項」については、企業側の経営管理上の問題であり、寄宿労働者に直接影響を及ぼすものではないから同意は不要である。

 

 

条文

 

 

3) 使用者は、第1項の規定により届出をなすについて、前項の同意を証明する書面*2を添付しなければならない。(平3択)(平7択)

 

4) 使用者及び寄宿舎に寄宿する労働者は、寄宿舎規則を遵守しなければならない。

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*2 「同意書」は、寄宿労働者の過半数代表者の署名又は記名押印のあるものでなければならない(寄宿舎規程1条の2第2項)。

 

3  寄宿舎の設備及び安全衛生 (法96条)                 重要度 ●   

 

条文

 

 

1) 使用者は、事業の附属寄宿舎について、換気、採光、照明、保温、防湿、清潔、避難、定員の収容、就寝に必要な措置その他労働者の健康風紀及び生命の保持に必要な措置を講じなければならない。

 

2) 使用者が前項の規定によって講ずべき措置の基準は、厚生労働省令で定める。 (平15択)

 

 

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4  監督上の行政措置 (法96条の2)                     重要度 ●   

 

条文

 

 

1) 使用者は、常時10人以上の労働者を就業させる事業、厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業の附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合においては、前条の規定に基づいて発する厚生労働省令で定める危害防止等に関する基準に従い定めた計画を、工事着手14日前までに、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならない。

(平3択)(平9択)(平21択)

 

2) 行政官庁は、労働者の安全及び衛生に必要であると認める場合においては、工事の着手を差し止め、又は計画の変更を命ずることができる。(平9択)

 

 

 

advance

 

□「工事計画」の届出が必要な事業は、次の場合である。

 


イ) 常時10人以上の労働者を就業させる事業

 

 

ロ) 厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業(則50条の2)

 

 

a) 使用する原動機の定格出力の合計が2.2kw以上である一定の事業

 

b) 使用する原動機の定格出力の合計が1.5kw以上であるプレス機械又はシャーによる加工の業務、木材の切削加工の業務etc.

 

 

5  寄宿舎の使用停止等の命令 (法96条の3)             重要度 ●   

 

条文

 

 

1) 労働者を就業させる事業の附属寄宿舎が、安全及び衛生に関し定められた基準に反する場合においては、行政官庁(所轄労働基準監督署長)は、使用者に対して、その全部又は一部の使用の停止変更その他必要な事項を命ずることができる。(平3択)

 

2) 前項の場合において行政官庁は、使用者に命じた事項について必要な事項を労働者に命ずることができる。