社労士/国民年金法1-1 | 初級INPUT講座2011年度向けテキスト

社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「国民年金法1-1:総則」

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国民年金法(1)-1

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テキスト本文の開始

 

「国民年金法」学習を始める前に

国民年金法とは

 

国民年金法は、老齢、障害または死亡による所得の喪失・減少により国民生活の安定が損なわれることを国民の共同連帯により防止し、健全な国民生活の維持・向上に寄与することを目的とする全国民を対象とした公的年金制度(国民年金制度)について定めた法律です。
昭和34年に制定された国民年金法に基づき、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始され、「国民皆年金」体制が整いました。高度経済成長期には給付改善が実施され、その後も世代内及び世代間の給付と負担の公平化など公的年金制度の様々な課題を議論した結果、昭和60年に公的年金制度の抜本的な改正が行われました。
近年は、保険料負担と給付水準の適正化等の観点及び年金記録問題に端を発した改正が行われています。昨年は、①日本年金機構の設立に伴う改正、②基礎年金番号の法定化等が行われました。本年は、障害基礎年金の子の範囲拡大等の改正が行われる予定です。

本試験について

 

 

<択一式>
択一式の出題数は合計10問(50肢)です。10点満点中4点以上をとることが合格への最低ラインとなります。
出題傾向としては、過去問(厚生年金保険法と共通の部分も含む)の再出題及びその周辺知識を問うものが頻出と言えますが、日本年金機構が設立されたため、行政官職名でひっかける単純な問題は出題されにくく、今後は、条文の要件を的確に覚えているか否かが問われることになると思われます。
択一式対策としては、まずは、本書掲載の過去問を、次に各条文の要件を正確に押さえていきましょう。一気に年金制度全体を把握しようとすると難解に感じてしまいますが、条文のポイントについて段階を踏んで学習していけば、比較的容易に得点に結びつきます(これだけは明らかに誤り!という出題パターンも多い)。したがって、最終的には8点以上を狙いたいところです。

 

 

<選択式>
選択式の出題数は5問です。5点満点中3点以上をとることが合格への最低ラインとなります。
出題傾向として特徴的なのが、「択一式であまり出題されていない箇所からの出題が多い」ということです。したがって、国民年金法においては、択一式で問われた箇所はもちろん、それ以外の部分も満遍なく目を通しておく必要があるといえるでしょう。
選択式対策として、まずは、本書の太字箇所に加え、できれば選択式問題集も早めにこなしておきたいところです。昨年の出題では、実際に問題として解いた方とテキストで読んだだけの方とでは、その得点状況に大きな差が出たようです。また、国民年金法の選択式においては、他の受験生が得点した箇所を絶対に落とさないという堅実さも合格へのカギとなります。


 

各章のポイント

本書に記載の重要度を基準に、メリハリをつけて学習して下さい。具体的には、以下の点に注意して学習に取り組んでみましょう。国民年金法は、条文の要件をどれだけ正確に覚えられるかが重要です。早い段階から基本事項を整理していきましょう。

 

第1章 総則 毎年数肢の出題がある。社会一般科目の設問対策も含め、国民皆年金への変遷はよく問われる。制定年等の年号についても覚えておきたい。

 

第2章 被保険者 必須の頻出箇所で、勉強時間を費やす価値のあるカテゴリー。テキストの重要度に従って、過去問で問われた箇所を中心に、各被保険者に係る資格要件等を整理し、確実に得点できるようにしよう!

 

第3章 給付 最初(通則)から最後(給付の制限)まで、満遍なく出題がある国民年金の中の最重要箇所。とくに、老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金は、①支給要件、②支給額、③支給停止要件、④失権要件の理解と記憶が必須。暗記の手段としては、条文をビジュアル化することがおススメ(本書の図解、日本年金機構のHP掲載の図表等を参考にするとよい)。国民年金の独自給付(付加年金、寡婦年金、死亡一時金)についても同様。
一方で、厚生年金保険の勉強が済まないとわかりにくいところもたくさんある。厚生年金保険法に入った際には、テキストを並べて比較しながら学んでいくと共通項目も多く、より理解が深まる。

 

第4章 国民年金事業の円滑な実施を図るための措置 重要度は落ちるが、昨年の改正項目でもあり、意表を突かれないために太字箇所だけは押さえておきたい。

 

第5章 積立金の運用及び費用の負担 毎年出題がある重要箇所。まず、「積立金・国庫負担」については、いずれも選択式で出題実績のある分野であり、最低限、重要語句は覚えておこう。また、「保険料免除」の規定については、各制度間の比較が必要。なお、「保険料の納付等」については得点源にしたい。

 

第6章 不服申立て等 年金記録問題を背景に、昨今不服申立てが増加傾向にある。労働保険の不服申立てとの違いも含めて要件をチェックしよう。雑則・罰則についても昨年新設された箇所が多いので、必ず一読しておきたい。

 

第7章 国民年金基金及び国民年金基金連合会 ほぼ隔年単位で出題されている。平成21年には、厚生年金保険法の選択式で基金関連の問題が出題されている。本書の重要度に従って太字箇所と制度間の比較形式になっている箇所は、気を抜かないこと。

 

 

学習前のアドバイス!

講義やその復習(過去問・テキスト読み込み)は、一定のリズムでこなし、早めに自分のペースにあった学習スタイルを確立しましょう。
学習中に生じた疑問点は、「同志たちの掲示板」などを活用し、その場で解決していくと記憶にも残りやすく効果的です。

 

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第 1 章

総  則

第1節  年金制度の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第2節  国民年金の目的等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
第3節  用語の定義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

 

 

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第1節  年金制度の概要

1  国民皆年金への変遷                                    重要度 ●● 

 

 

昭和14年

 

昭和16年

 

昭和19年

 

昭和23年

 

昭和28年

 

昭和29年

 

昭和33年

 

昭和34年

 

昭和36年

 

昭和37年

 

昭和60年

 

船員保険法の制定(施行は昭和15年)

 

労働者年金保険法の制定(施行は昭和17年)

 

労働者年金保険法を厚生年金保険法に改称

 

国家公務員共済組合法の制定

 

私立学校教職員共済組合法の制定

 

厚生年金保険法の改正(「旧厚生年金保険法」の確立)

 

農林漁業団体職員共済組合法の制定

 

国民年金法の制定(無拠出制の年金制度として発足)

 

拠出制国民年金法の施行(「旧国民年金法」の確立)

 

地方公務員等共済組合法の制定

 

国民年金法、厚生年金保険法及び共済組合法の改正(施行は昭和61年:「新年金制度」の確立)

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□昭和36年4月1日に施行された旧国民年金法は、被用者年金制度(厚生年金保険や共済年金など)に加入していない自営業者等を対象とし、この制度が施行されたことにより、すべての国民がいずれかの公的年金制度の対象となる「国民皆年金」体制が確立された。

(平12選)(平15選)

 

□昭和36年以前においては、すでに70歳を超える者出生当時から身体障害のあった者などを対象として昭和34年11月1日から無拠出制である「福祉年金」の支給が行われていた。
(平3択)(平19択)(平12選)(平15選)

 

□昭和61年4月1日(「新法施行日」という)に施行された「国民年金法等の一部を改正する法律」によって、国民年金は公的年金の土台とされ、原則として、すべての国民に「基礎年金」を支給するため、被用者年金制度の被保険者、組合員又は加入者及びその被扶養配偶者も国民年金の被保険者とすることとなった。(平12選)

 

↓ なお…

 

昭和61年までの国民年金法等を「旧法」、昭和61年からの国民年金法等を「新法」という。