社労士/初級インプット講座/一般常識6-20 ~山川靖樹の社労士予備校~

社労士試験対策の決定版!山川靖樹プロデュースの社労士初級レベルのインプット講座!「一般常識6-20:就業規則の効力」

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◆*2 就業規則の効力 (平20.1.23基発0123004号)

 


就業規則が法令に反してはならないこと及び労働組合と使用者との間の合意により締結された労働協約は使用者が作成する就業規則よりも優位に立つことは、法理上当然であり、就業規則は法令又は労働協約に反してはならないものである。
一方、法第7条、第10条及び第12条においては、一定の場合に就業規則で定める労働条件が労働契約の内容となることを規定しているが、就業規則が法令又は労働協約に反している場合においても当該就業規則で定める労働条件が労働契約の内容となることは適当ではない
具体的には、法第13条は、就業規則で定める労働条件が法令又は労働協約に反している場合には、その労働条件は労働契約の内容とはならないことを規定したものであること。
なお、法第13条は、労働基準法第92条第1項と同趣旨の規定であり、就業規則と法令又は労働協約との関係を変更するものではない。

 

 

3  労働契約の継続及び終了等 (法14条~法17条)           重要度 ●   

 

条文

 

(1) 出向 (法14条)

 


使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

 

 

(2) 懲戒 (法15条)

 


使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

 

 

(3) 解雇 (法16条)

 


解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 

【参考】労働基準法において出題:(平16択)(平18選)

 

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(4) 期間の定めのある労働契約 (法17条)

 


1) 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由*1がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。(平22択)

 

2) 使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであるが、契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、やむを得ない事由があると認められる場合は、解雇権濫用法理(法16条)における「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である」と認められる場合よりも狭いと解されるものである(平20.1.23基発0123004号)。

 

4  雑則 (法18条、法19条)                               重要度 ●   

 

条文

 

(1) 船員に関する特例 (法18条)

 


1) 第12条(就業規則違反の労働契約)及び前条(期間の定めのある労働契約)の規定は、船員法の適用を受ける船員(単に「船員」という)に関しては、適用しない。

 

2) 船員に関しては、第7条中「第12条」とあるのは「船員法第100条」と、第10条中「第12条」とあるのは「船員法第100条」と、第11条中「労働基準法第89条及び第90条」とあるのは「船員法第97条及び第98条」と、第13条中「前条」とあるのは「船員法第100条」とする。

 

 

(2) 適用除外 (法19条)

 


1) この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。

 

2) この法律は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約については、適用しない。
(平22択)

 

 

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第4節 個別労働関係紛争解決促進法

正式名称:個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律

 

1  目的等 (法1条~法3条)                               重要度 ●

 

条文

 

(1) 目的 (法1条)

 


この法律は、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働者の募集及び採用に関する事項についての個々の求職者と事業主との間の紛争を含む、以下「個別労働関係紛争」という)について、あっせんの制度を設けること等により、その実情に即した迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする。
(平14択)(平18択)

 

 

(2) 紛争の自主的解決 (法2条)

 


個別労働関係紛争が生じたときは、当該個別労働関係紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならない

 

 

(3) 労働者、事業主等に対する情報提供等 (法3条)

 


都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対し、労働関係に関する事項並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての情報の提供相談その他の援助を行うものとする。

 

 

 

ちょっとアドバイス

 

□男女雇用機会均等法16条、育児介護休業法52条の3における労働者と事業主との間の紛争及びパートタイム労働法20条における短時間労働者と事業主との間の紛争については、個別労働関係紛争解決促進法の規定は適用されず、それぞれ、「男女雇用機会均等法」、「育児介護休業法」及び「パートタイム労働法」が適用される。

 

2  当事者に対する助言及び指導 (法4条)                   重要度 ●   

 

条文

 


1) 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争*1に関し、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該個別労働関係紛争の当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができる。

 

2) 都道府県労働局長は、前項に規定する助言又は指導をするため必要があると認めるときは、広く産業社会の実情に通じ、かつ、労働問題に関し専門的知識を有する者の意見を聴くものとする。

 

3) 事業主は、労働者が第1項の援助を求めたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 

 

ちょっとアドバイス

 

□*1 この「個別労働関係紛争」からは、労働関係調整法6条に規定する労働争議に当たる紛争及び特定独立行政法人等の労働関係に関する法律26条1項に規定する紛争は除かれる。

 

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※テキスト292~295ページは、過去問のページになっております。