(2010年度版)社労士初級インプット講座/労働基準法2-15

社労士試験合格を目指す方に無料でテキストを公開します!「労働基準法2-15:任意貯金」

前のページへ | 次のページへ | 目次へ 

労働基準法(2)-15

山川靖樹の社労士(社会保険労務士試験対策)講義風景

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

テキスト内容は、2010年度社労士試験対策の社労士初級インプット講座(2010年度版)のテキストになります。2012年度版(新年度版)テキストは、「山川靖樹の社労士予備校」HPトップにて紹介しておりますので、ご確認ください。

テキスト本文の開始

 

4  任意貯金 (法18条2項~7項)               重要度 ●●●

 

条文/社労士テキスト5

 

2) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない*1。

 

3) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない。

 

4) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない*2。この場合において、その利子が、金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して厚生労働省令で定める利率による利子を下るときは、その厚生労働省令で定める利率による利子をつけたものとみなす。

-----------------(46ページ目ここから)------------------

 

5) 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。

 

6) 使用者が前項の規定に違反した場合において、当該貯蓄金の管理を継続することが労働者の利益を著しく害すると認められるときは、行政官庁は、使用者に対して、その必要な限度の範囲内で、当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができる。(平6択)

 

7) 前項の規定により貯蓄金の管理を中止すべきことを命ぜられた使用者は、遅滞なく、その管理に係る貯蓄金を労働者に返還しなければならない。

 

アウトライン

 

◆任意貯金の全体構造
労働契約を「締結する」又は「存続させる」ための条件として…


↓ 強制的に!

□貯蓄の契約をさせること →絶対に禁止(決して認められない)。

□貯蓄金を管理する契約をすること →原則として禁止。


↓ これは…                       ↓ 例外として…
↓           労働者の委託による“社内預金”や“通帳保管”は可能

“労働契約”の成立条件と“賃金”が間接的に結びつくことによって、不当な身柄拘束が行われるという歴史的事実があったことによる。

 

ここをチェック/社労士テキスト7

 

□*1 労使協定(貯蓄金管理協定)は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出て初めて「免罰的効力」が認められる。(平3択)(平6択)


↓ 具体的には…

□貯蓄金の管理が「社内預金」である場合には、労使協定において次の事項を定めなければならない(則5条の2)。


イ) 預金者の範囲
ロ) 預金者1人当たりの預金額の限度
ハ) 預金の利率及び利子の計算方法
ニ) 預金の受入れ及び払い戻しの手続
ホ) 預金の保全の方法(平6択)

 

-----------------(47ページ目ここから)------------------


□*2 貯蓄金の管理が「社内預金」であるときは、最低利率を年5厘とする利子をつけなければならない(預金令4条、平13.2.7厚労告30号)。
(平4択)(平10択)(平8記)


↓ なお…


法定利率(年5厘)は最低利率であるから、これを下回る利率を定めたり、全く利率を定めなかったりした場合は、法定利率を定めたものとみなされる。(平6択)

 

advance/社労士テキスト3

 

□任意貯金は、労働基準法においては禁止されていないため、労使協定の締結及び届出をすることなく任意貯金を実施しても、労働基準法上の罰則は適用されない。ただし、当該行為は無効とされ、また、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律(「出資取締法」という)において罰則の適用がある(昭23.6.16基収1935号)。


□労使協定に基づき「社内預金」を行う使用者は、毎年、3月31日以前1年間における預金の管理の状況を、4月30日までに、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない(則57条3項)。


□貯蓄金の管理が「通帳保管」の場合には、社内預金の場合の労使協定で定める事項 (則5条の2)、利子(法18条4項)、報告(則57条3項)及び貯蓄金の保全措置(賃金支払確保法3条)の規定は適用されない(平12.12.14基発743号)。