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一般常識(4)-5

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3  労働者の募集 (法36条)                             重要度 ●   

 

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◆労働者の募集方法

 


a) 文書募集(いわゆる「求人広告」等による求人活動)


広範囲、かつ、不特定多数を対象とした求人スタイルであることから…


厳格な制限なし(求職者に誤解を与えないための的確な表示の努力義務はある)


b) 直接募集(事業主やその会社の従業員による求人活動)


↓ 公共職業安定所や店頭での貼り紙等を用いての求人スタイルだが…


「建設労働者の募集の適正化」のため、特に必要と認められる地域については、募集担当者の氏名等を所轄公共職業安定所長に届け出なければならない(建設労働求職者が多い地域においては買い手市場(雇用者側が有利な立場)となるため、不当な労働条件になりがちな傾向を抑制するという狙いがある)。


c) 委託募集(a又はbの方法によらない「第三者」による求人活動)


↓ 厚生労働大臣の許可を受けて…


商店街の協同組合等が募集主体(募集受託者)となって一定の区域内で一括募集をするような求人方法(募集従事者に報酬を与えない場合は「届出」で行うことができる)。

 

 

条文

 


【委託募集 (法36条)】
1) 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。


2) 前項の報酬の額については、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。


3) 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えることなく労働者の募集に従事させようとするときは、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

 

 

【報酬受領の禁止 (法39条)】
労働者の募集を行う者及び労働者の募集に従事する者(「募集受託者」という)は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない。(平2択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

◆労働者募集業務取扱要領(適切に対処するための指針・平11労告141号より抜粋)

 


<スカウト行為を事業として行う場合の取扱い>
求人者に紹介するため求職者を探索した上当該求職者に就職するよう勧奨し、これに応じて求職の申し込みをした者をあっせんするいわゆるスカウト行為を事業として行う場合は職業紹介事業に含まれるものであり、当該事業を行うためには、職業紹介事業の許可を取得する必要があるので、その旨の周知、指導を徹底すること。

 

 

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4  労働者供給事業 (法44条、法45条)                  重要度 ●   

 

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「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣法に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする(法4条6項)。

 

 

【労働者供給事業のイメージ】


 

 

a) 労働者は労働組合の加入員となることにより、労働組合との間に「支配関係」が生じ、同時に「供給労働者」としての資格が生ずる。

 

 

b)「供給先」は、その資格を有する労働者のみ「雇用契約」を結ぶことができる(一般的には、労働協約において一雇用形態として規定されている)。

 

 

条文

 


【労働者供給事業の禁止 (法44条)】
何人も、次条(法45条)に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。(平8択)

 

 

【労働者供給事業の許可 (法45条)】
労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。(平18選)

 

 

ちょっとアドバイス

 

□「労働者供給事業」に関する規定には、次のような事項がある(則32条)。

 


a) 労働者供給事業の許可の有効期間は5年とする。

 

 

b) 許可の有効期間(当該許可の有効期間について更新を受けたときにあっては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る労働者供給事業を行おうとする者は、許可の有効期間の更新を受けなければならない。

 

 

c) 労働者供給事業者は、当該労働者供給事業を廃止したときは、当該労働者供給事業を廃止した日から10日以内に文書により、その旨をその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に届け出なければならない。

 

 

d) 労働者供給事業を行う労働組合等は、労働者供給事業に関し、厚生労働大臣の定める手続及び様式に従い帳簿書類を備え付けるとともに、報告書を作成し、これを主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経て、厚生労働大臣に提出しなければならない。