社労士/国民年金法(補講)-11 | 初級INPUT講座2011年度向けテキスト

社労士合格を目指す受験生を応援!2011年度向けテキストを完全公開!「国民年金法(補講)-11:基金の給付の基準」

前のページへ |  次のページへ | 目次へ 

国民年金法(補講)-11

---- 山川予備校事務局 よりお知らせ ----

山川靖樹先生の講義をご覧になる場合は会員登録が必要になります。「山川靖樹の社労士予備校」HPトップから登録画面に進んでください。

テキスト本文の開始

 

 

-----------------(253ページ目ここから)------------------

 

 

2  基金の給付の基準 (法129条~法131条)                 重要度 ●● 

 

(1) 支給要件及び支給基準 (法129条)

 


年金給付

 

一時金給付

 

 

基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない(1項)。
(平5択)(平22択)

 

 

基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない(3項)。(平16択)(平17択)

 

 

老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金の額は、200円に加入員期間の月数*1を乗じて得た額を超えるものでなければならない(法130条2項)。(平17択)

 

 

一時金の額は、8,500円を超えるものでなければならない(法130条3項)。
(平7択)(平22択)

 

ちょっとアドバイス

 

□*1「加入員期間」とは、納付された掛金に係る当該基金の加入員であった期間であって、法87条の規定による保険料(一般の保険料)に係る保険料納付済期間である期間に限る。

 

↓ したがって…

 

基金が支給する年金は、基金への掛金を納付した場合であっても、国民年金の保険料を納付しない期間があるときは、その期間分については給付の対象とされず、基金に納付した掛金は還付される。(平16択)(平19択)

 

支給の繰上げ又は繰下げの規定による老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金については、政令で定める額を減額又は増額して支給する(法130条2項かっこ書き)。
(平17択)

 

(2) 消滅事由 (法129条2項)

 


老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金の受給権の消滅事由以外の事由によって、その受給権を消滅させるものであってはならない。

 

 

(3) 支給制限 (法131条)

 


老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することができない。ただし、当該年金の額のうち、200円に当該基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額超える部分については、この限りでない。

 

 

3  積立金の積立て等 (法131条の2~法133条)             重要度 ●   

 

(1) 支給積立金の積立て (法131条の2)

 


基金は、政令の定めるところにより、積立金を積み立てなければならない。

 

 

 

-----------------(254ページ目ここから)------------------

 

(2) 資金の運用等 (法132条)

 


1) 基金の積立金の運用は、政令の定めるところにより、安全かつ効率的にしなければならない。

 

2) 基金の業務上の余裕金の運用は、政令の定めるところにより、基金の業務の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。

 

 

(3) 裁定 (法133条)

 


基金が支給する年金及び一時金を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基いて、基金裁定する。

 

 

4  費用の負担等 (法134条ほか)                           重要度 ●  

 

(1) 掛金 (法134条)

 


1) 基金は、基金が支給する年金及び一時金に関する事業に要する費用に充てるため、掛金を徴収する。(平5択)

 

2) 掛金は、年金の額の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。
(平16択)(平19択)

 

 

↓ なお…

 

□掛金の額の算定方法は、規約の定めるところによらなければならない(基金令33条)。

 

↓ また…

 

掛金の額の上限として、1月につき68,000円を超えてはならない(基金令34条)。(平20択)

 

(2) 滞納処分 (法134条の2第2項)

 


基金は、国税滞納処分の例により処分をしようとするときは、厚生労働大臣認可を受けなければならない。

 

 

(3) 届出 (法139条)

 


基金は、厚生労働省令の定めるところにより、その加入員の資格の取得及び喪失に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。(平12択)(平18択)

 

 

 

-----------------(255ページ目ここから)------------------

 

第4節  解散及び清算

1  解散 (法135条)                                       重要度 ●   

 

条文

 


1) 基金は、次に掲げる理由により解散する。

 


a) 代議員の定数の4分の3以上の多数による代議員会の議決

 

b) 基金の事業の継続の不能

 

c) 厚生労働大臣による解散の命令

 

 

2) 基金は、前項a)又はb)に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。(平17択)

 

 

ちょっとアドバイス

 

◆基金の解散による年金等の支給に関する義務の消滅 (法136条)

 


基金は、解散したときは、当該基金の加入員であった者に係る年金及び一時金の支給に関する義務を免れる。ただし、解散した日までに支給すべきであった年金又は一時金でまだ支給していないものの支給に関する義務については、免れない。(平16択)

 

 

2  清算 (法136条の2ほか)                               重要度 ●   

 

(1) 清算中の基金の能力 (法136条の2)

 


解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

 

 

(2) 清算人等 (法137条)

 


1) 基金が第135条第1項a)又はb)の規定により解散したときは、理事が、その清算人となる。ただし、代議員会において他人を選任したときは、この限りでない。

 

2) 清算人となる者がないとき、基金が厚生労働大臣による解散の命令により解散したとき、清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときには、厚生労働大臣が清算人を選任する。

 

3) 清算人の職務の執行に要する費用は、基金が負担する。

 

4) 解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金の支給に関する義務を負っていた者(以下「解散基金加入員」という)に分配しなければならない。

 

 

(3) 債権の申出の催告等 (法137条の2の2)

 


1) 清算人は、その就職の日から2箇月以内に、少なくとも3回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。

 

2) 前項の公告(公告は、官報に掲載してする)には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥(じょせき:権利行使の期間が限定され、その期間内に権利行使をしないと権利が消滅する(法律上当然に職務の執行から除外される)こと)されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。